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森のブーケストラ 〜私が女王になるまでの物語〜  作者: ヒロA


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第二十三楽章 私、やっぱり逃げることにします

「ここは……やっぱり……」

 二人が空間転移により飛ばされた先は王宮内の広い中庭だった。

 この場所はレットが【フェシー】を使って想定した場所のひとつだった。

 他の候補は王立コロシアム【エンジュウム】、【迷わずの森の入り口付近の大草原】、因縁の地【グラス村】、もしくは【師匠ワイスゆかりのどこかの場所】だ。

 その中でもここは可能性として高くなかった。ワイスの魔法防御結界が張られており、お互いが無力化される場所だったからだ。結局、昨日二人で打ち合わせた王宮侵入が別のカタチで実現した格好となった。隠密とはいかず敵に迎え入れられたカタチではあったが。

 王宮の二階、庭でもある大型テラスから一人、宰相ヴァフォーケンが見下ろしていた。

 レットが口火を切った。

「妹達をどこへやった。」

「あれだけ震えていたのに威勢がいいな。安心しろ娘達は手厚く保護しておる。無事だ。

 正直お前達はこないと思っていた。褒めてつかわす。褒美に好いことを教えてやろう。

 私も魔族の末裔だ。そして私はグラス村の出身だ」

 レットもビスカも驚きを隠せない。

 だから村のしきたりも、避難先も、様々な事情を全てを知っていたのだ。

「じゃあ、なぜお前の故郷でもあるグラス村を襲ったんだ!」

「私はあの村が憎かったのだ。魔族の末裔の矜恃のなさを許せなかった。

 あの村の奴らの、魔法を極力使わない、ひたすら隠すという生き方が許せなかった。

 そのせいで私の母と弟は、あの村の奴らに見捨てられて命を落とした。

 なぜ力あるものが力を隠さなければならないのだ。なぜ我慢しなければならないのだ。 

 その力でこの世を統治する事すらできるのに……私は我慢の限界を超え村を飛び出した。

 【ヴァフォーケン】と名をかえ軍に入隊し実績をあげ続けた。

 そしてあの夜がきたのだ。魔王が転生すると言われる赤い月の夜が。

 私の中でなにかが変わった。私こそ【魔王の生まれ変わり】なのだと。

 私に刃向かう力を持ちうる可能性のある者をすべて消すことに決めた。、

 最もその可能性のある宮廷魔導師ワイスを殺したのも私だ」

「なに? 師匠をお前が……寿命ではなかったのか」

「一つ、奴は強い。二つ、私はうぬぼれていないため、時間をかけて慎重に事を進める。三つ、寿命がつきたように見せられる。この三つでわかるだろ?」

 ふだんレットがビスカに問いかけるように今度はレットが問いかけられていた。

「このやろう……」

 レットは理解した。いく通りかの方法を思い浮かんだが、いずれにしても、汚いやり方で殺したという事だ。そうでもしないとあの最強の宮廷魔導師がやられるわけはない。

「私の王位即位の前祝いに余興をはじめよう。お前らが見たかった顔を見せてやろう」

 はりつけ台が三台、操られた兵士に運ばれていた。

 そこには、縛られたサクラ、ユカリ、ヒマワリの姿があった。

「サクラ~! ユカリ~! ヒマ~!!」

「サクラちゃん! ユカリちゃん! ヒマちゃん!!」

 レットとビスカは同時にさけぶ!!

「アニキぃ! お姉ちゃん! 逃げて~!」

 サクラがまず叫んだ。レットもビスカも「助けて」と言われると思っていたが、サクラは逆の意味の言葉を発した。

「私達はどうなってもいい! 今すぐ逃げて~!」

「お姉ちゃん、早く逃げて〜!」

 ユカリとヒマワリも続く。彼女達は別に拷問を受けていたわけではない。むしろ丁重に扱われていたからこそ、ヴァフォーケンの恐ろしさを肌で直感していたのだ。

 幼い少女たちが自分の助けより兄と姉の身を案じる事は異常だ。三人の少女は覚悟を決めているのか、もう諦めているのか。いずれにせよ、そんな感情を抱く事自体狂気じみている。

 二人は悲痛な表情の妹達にいてもたってもいられなくなり、剣を構えそのまま突進する。

 理性はとっくに失っていた。

「まてぃ! そう急ぐな。弱き勇者ども」

 ヴァフォーケンのドスの利いた声に、二人は突進を制止させざるをえなかった。

 三人の少女のそれぞれののど元に槍の刃先が向けられた。そこに兵士はいなく槍は個々に浮遊していた。

 レットは、はやる気持ちを抑え小言でなにやら呟き魔法を発動した。

 ……が、なにも変わらない。何も起きない。

(なっ、魔法が発動しない)

 彼は、妹達の首筋に向かって伸びる槍の先に小規模な防御結界盾をピンポイントではり、妹達を守ろうとした。だがこの王宮は生前ワイスが張った強固な大規模防御結界で守られており、魔法が使えない状況になっていた。

 彼も承知していたはずが、冷静さを失っておりその事をすっかり意識の外においていた。

「まあ、そう焦らずともよい小僧よ。私はこうみえてお前を高く評価しているんだ」

「な、なんだと?」

「一つ、こうして生き延びている。

 二つ、魔法の素養があり頭もそれなりによく働く。

 三つ、無鉄砲に見えて実は理性的で現実をよく理解している。

 四つ、恐怖に打ち勝つ強い意志がある。

 そして五つ、大賢者の知識を受け継いでいる」

 なんだか褒められている? ……いやいや、これも奴の洗脳術の一部だ。

「どうだ、私の配下になって世界をよき方へ一緒に導かないか? 

 受け入れるのなら妹達も解放してやるし姫の身柄も保証する。悪いようにはしない。

 好待遇で迎えよう。現実的な提案だと思うがな」

 甘い言葉に流されそうになる。でもそれを真に受けるほど俺もバカじゃない。本心ならこんな回りくどい事をするわけはない。奴の本心は違う。

 師匠の知識、例えば【フェシー】や、魔獣研究の草原、異世界の知識が集められた最高秘密図書館等の情報を奪うためだ。それに自分と対等以上に渡り合える可能性のある芽を摘むためだ。かつ、俺よりはるかに才能のある妹達を手にいれるためだ。だからこそ、わざわざビスカを利用して自分達の居場所へ侵入したはずだ。

 いや待てよ。無駄死にするより軍門にくだってでも生きてチャンスを待つ方がいい? 

 それともそこまで覚悟しなくても乗ったフリをすれば妹達を助けるチャンスができる? 

 逆転の目がでる? でもうまくいくのか? どうする? どうする? 

 コンマ数秒の間でレットは、めまぐるしく思考と感情を揺れ動かせていた。

 迷いまくっているレットをみて時間かせぎにビスカが口を開く。

「あなたは、なぜ、お父様、いえ、王と王妃を殺害したのですか?」

「姫もただのお飾りの人形ではないようだな。王は本来なら殺害する必要はなかった。

 だが奴はやってはいけない事をやろうとしていたから処刑したのだ」

「やってはいけない事とは何ですか?」

「隣の小僧……いや、レットが配下になったら全てを明かしてやる。ではそろそろ結論をくれないか。私は我慢できても私の槍は血に飢えて突きたくててうずうずしているのでな」

「……こ、断る! お前は妹達に今、酷い事をしている。そんな奴を信じられるか!」

 せっかくビスカが時間稼ぎをしてくれたが、考えた結果というよりも、兄としての感情が優先して後先考えずに、言葉も選べず速攻口に出してしまった。

 しかし、それを聞いたビスカはなんだかほっとしていた。

「なら、処刑を開始するまでだ」

「いやまて! おい! ばか! 妹達の処刑をなぜ今する? 公開処刑にした方がお前にとって都合がいいのではないのか!」

 話しをあっさり先へ進めようとするヴァフォーケンに、(諦めるの早すぎ。もうちょい引き留めろよ)と思いつつ、レットはとっさに質問した。

 内容に特に意味はなかった。とにかく少しでも時間が欲しかった。

 この状況を打開させる何かを見つけるまではとにかく時間を稼ぎたかった。

 しかし正直、頭はまっしろで時間があったとしてもなにも思いつかないであろう。

 ヴァフォーケンは、にやけながら話しはじめた。

 魔法師というものは、元来、皆説明したがりな生き物なのかもしれない。

「どんなに魔王の手先や依り代だと理由をつけて処刑しようが、貼りつけにした娘たちの姿をみて、私の方を悪者にする奴もいるだろ? 

 だから処刑は公開しない。私にとって都合のよいよう伝えるだけだ。

 いくらでもねつ造できるし証明する者もいないからな。

 ……そして私は国民の前で真の王として即位を宣言するのだ!」

(私の方を悪者にするって。いやそもそもあなたは正真正銘の悪者ですが……)

(奴なりの正義があるとでも言うのか? つうか悪者に見える自覚だけはあるんだな)

 二人の疑問はともかく彼の自己分析は正しかった。

 【かわいそうな人の方を応援したいと思う人】や、【カワイイが物事の判断基準になっている人】もいるという事がいいたいのだ。

 証明する者もいない……つまり、レットとビスカも処刑する事に決めたという事だ。

 手と足は震えながらも気丈に剣を構え続け、無言でにらみつけていたビスカに対して告げる。

「未だ真王に向かって刃を向けるとは何事だ。元王女!!」

 ユカリが調理の際に見せた魔法のように、ヴァフォーケンは軽く手振りをする。

 その動作に合わせ、ビスカは両手で構えていた剣の刃をうっすらと見える巨大な手のようななにかにつかまれ、五メートルほどの高さに引っ張りあげられた。

 彼女の握力は限界を迎え、剣から手を離し上空から落下した。

 レットは「ビスカ~!!」と叫びなら飛び込み、地面に激突する寸前で落下した彼女を抱きかかえた。

「ナイスキャッチだ。ではこれならどうだ。己の剣で切られるのも乙なものだろ?」

 空中に置き去りにされ浮いていたビスカの剣はヴァフォーケンに指揮され、ぐるぐる空中で旋回したのちに二人へ襲いかかる。

 レットはビスカを下ろし、彼女の前に立ち上がり、自分の剣で向かってくる剣を右に左に弾いてビスカを守る。弾かれた剣は、生き物のように何度もレットに襲いかかるがかろうじて防ぎ続けた。が、しまいにはレットの剣は空中に飛ばされたため、腰の予備の短剣をぬいて再び防いだ。

「ほほぅ、意外とやるではないか。攻撃をやめよ」

 その言葉でビスカから奪った空飛ぶ剣は攻撃をやめ空中で制止した。

「その剣技のご褒美にもうひとつ、余興をみせてやろう」

 ヴァフォーケンはすでに遊んでいた。

 レットとビスカが追い込まれていく姿が楽しくてたまらないようだ。

 貼りつけにされたサクラのとなりに、さらに二台の貼りつけ台が運ばれてきた。

「そ、そんな、お姉様……」

 貼りつけにされていたのは、ビスカの本当の二人の姉だった。

 行方不明だった第一王女シルフィーネ=フレグラント。

 第二王女ラナフィーネ=フレグラントであった。

 長女シルフィーネはミュージカルの男役がよく似合いそうな雰囲気の女性で、次女ラナフィーネはおしとやかで誰もがイメージする王女像そのままの女性だ。

 次女ラナフィーネは目をつむり静かにしていた。長女シルフィーネはしきりになにか叫んでいたがその声が届くことはなかった。【無音魔法】が使われているようだ。

 ヴァフォーケンは、シルフィーネの口を魔法でふさいでいるという事実が、今まで彼女に手を焼いていたという証明でもあった。

「予想通り、やっぱり王宮で秘密裏に監禁されていたのか」

 自分の判断の遅さを悔いた。自分達がもっと早く王宮潜入を実行できていれば、まず二人を秘密裏に助けたのち一緒に闘う事も可能だったはずだ。

 第一王女シルフィーネは王国でも名の知れた剣豪で、軍の中で頭角を現している戦士でもあったからだ。彼女に対してもどうせ汚い手で捕獲したのだろうと予想した。

「自分の剣で姉が死ぬのはどうかな?」

 ヴァフォーケンは不吉な言い回しをした。その言葉通りの事が起こった。

 空中に浮かんでいたビスカの剣と、はじき飛ばされたレットの剣は、その刃先を方向転回させ、今度は二人の姉に向かっていったのだ。

「やめて~!」

 ビスカは悲痛な叫びをあげた。ヴァフォーケンは相変わらず、憎らしくにやけている。

 悪魔はこの世界には存在しないが、もし本当に悪魔がいたのなら彼のような感じだろう。

 二人の剣は一本ずつ二人の姉に向かって飛んだ。二人の姉は覚悟を決めたのか目をつぶっていた。

 正にのどにつきささろうとする直前に二本の剣は制止した。

 今、二人の姉ののど元には剣が、三人の妹ののど元には槍が向けられていた。

「はははっ。びっくりしたか。

 そう簡単にこの愉快な余興を終わらせたら、つまらないではないか」

 遊んでいる。心底楽しんでいる。二人は追い詰められ続け、何もできないでいた。

「この娘達をじっくりたっぷりいたぶって殺し、お前達の絶望に染まった顔を楽しませてもらった後に、お前達も始末してやる。

 なにもできない自分を悔いながらそこで見ていろ! はっはっは」

 レットはいつもの様にハッタリや軽口をかますことができない。

「まずはそこから動けないよう、王女を釘漬けにしておくか。まずは手と足を片方づつもらうとするか……」

 そんな事を言われるまでもなくビスカはすでに足が震えて動けない。

 また、私はなにもできないのと自分の弱さを責める。

 ビスカ自体を精神的だけではなく肉体的にもいたぶりたいらしい。

 新たな二本の槍がヴァフォーケンの左右に一本づつ浮いた。

 普通の槍を魔法により強化し、槍先におぞましき黒い炎をまとわせていた。

「なんでさっきから、ここで魔法が使えるんだよ」

 ここに来てから自分の魔法は師匠ワイスによる魔法防御結界に封じ込められているのに、奴ばかりなぜ自由に使えるのか。答えを必死に考えているが答えはでない。現時点で結界以上の強さだからとしかいいようがない。

(師匠より強い奴がいるかっつーの)

 目の前の現実を認めず強がって、自分自を必死に奮起させようとしたが成功はしない。

 ヤレ! とヴァフォーケンは短く命令しビスカを指さす。

 指示された標的に向かって、二本の黒炎の槍が高速で飛んでいく。

 先ほどから全く動けないビスカはある意味すでに諦めている。

 自分はなにもできずに死んでいくのか。

 ごめんなさい。お父様お母様、お姉様達、カワイイ妹達。

 私は自分の力を過大評価していただけで、なにもできないただの弱い臆病者だった。

 彼女は口びるを噛みしめ、目をつぶり観念していた。

 二本の槍がビスカの左ひじ付近と右ひざ付近に突き刺さろうとしていた。

 魔法により強化された黒炎の槍は貫いたばかりか、その威力でちぎり飛ばした。


 レットの左手と右足を……。


 目を開いたビスカの前方にレットがいた。レットがビスカの代わりに槍を受けたのだ。

 自分の【防御結界盾魔法】が使えないこの場所で、打開策を見いだす事もできないレットが、今できることは自身が防御盾になる事だけだった。

 レットを貫いた二本の槍は地面に刺さっていた。後ろのビスカまでその威力は行使されていない。無傷のようだ。

 よかったぁという言葉と共にバランスを失ったその体は、地面に崩れ落ちた。

 ビスカは、なんで? どうして? という表情でレットに手を伸ばした。

「レットさぁぁん!!!!!」

 ビスカは涙を流し叫んだ。

 貼りつけにされた妹達も絶叫し姉達は目を背けて口元に悔しさを滲みだしていた。

 ヴァフォーケンにとっては予想外ではあったようだが、結果もっと面白いものが見られたと高笑いをしていた。

 黒炎の槍の自動投擲攻撃により、、左手、右足ともに約半分を失ったレットはビスカに抱きかかえられうずくまっていた。

 ちぎれた手と足は無残にも転がっているが、それでも彼はかろうじて意識を失ってはいなかった。出血は確かに酷かったがちぎれた割に血の量は少ないように感じた。

 レットは苦痛に顔を歪ませながら寄り添っていたビスカに耳打ちをした。

「お、俺は大丈夫だ。妹たちを俺が必ず助ける。

 君は逃げろ。その道筋は俺が作る。君だけでも助かれば希望はつながる」

「い、いやです!」

「逃げる事だって立派な選択だ。君が死んで希望がなくなる事のほうが責任放棄だ!」

「絶対にいや。それでもいやです! みんなで一緒に帰るって言ったじゃないですか!」

 レットの申し出に、涙をためて断固拒否した。

 ここでもし、また大切な人達をおいて逃げてしまったら私に王女になる資格はない。

 みんなを守る資格はない。そして、お姉ちゃんと呼ばれる資格も。

 足はすくむ。手は震える、恐怖は全く消えない。勝算なんてなにもない。それでも……

「大丈夫。君ならできる。強い思いで道は開く。思いのままにしてごらん」

 故ワイスの声が聞こえた気がした。

 彼女の中でなにかがはじけた。なにかが切れた。

 ビスカは心が壊れたのだろうか。彼女は笑いながら意外な言葉が発した。

「ふぅ。私、レットさんの言うとおり、やっぱり逃げることにします」

 痛みと絶望で諦めかけていたはずのレットも、その一言に何かを感じ微笑んだ。

「君という奴は。なんでこのレット大先生のいう事を聞いてくれないんだよ」

「私はいつも逃げてきました。恐怖から、重圧から、つらい現実から。

 もう逃げくせ、ついちゃったみたいです。

 私の逃げた先に希望があったから……それがレットさん達だった。

 だから、また逃げる事にします……

 みんながいなくなる未来から逃げます。みんなと笑っている未来へ逃げます」

 彼女は【妹達を助けてから逃げる】選択をやめ、【妹達を助けるために逃げる】選択をした。

 微笑むビスカに、瀕死のレットは痛みをこらえながら軽口を返す。

「しょうがない不良生徒だ。そんな風に育てたつもりはないんだけどなぁ(育ててない)

 なら思いっきり逃げろ! 逃げて逃げて逃げまくれ! いやな現実から逃げちまえ!

 君の逃げた先にはいつも【妹達】が笑顔で待っているぞ!」

「俺達がいる」と言わないところがレットという男だ。

 彼女は微笑みながら胸に右手をかざした後、立ち上がり前へ歩きだした。

(私はひたすら逃げる。怖がる事から。立ち止る事から。後ずさる事から。私は前へ前へ逃げるんだ! その先に大好きな姉妹達が待っているんだから)

 そんなひねくれたものの考え方、言い方、本当にレットのようであった。

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