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許嫁ガチャは⭐︎5だらけ  作者: 我妻 ベルリ
第三章 激戦!運命の紅葉狩り編
34/75

第33話 紅葉狩り〜そうだ、京都に行こう〜

 「…はい…はい…すみません。わかりました、では失礼します」


 新幹線に乗り遅れた俺たち5人は先生に事の顛末(てんまつ)を伝え、一本後の新幹線に乗る事になった。でも、数時間も遅れてしまう。クラスの皆んなとは一緒に行動できそうに無い。


 「…皆んなごめんね。私達がもっと早く案内出来てたら…」

 「私もごめん。せっかくの修学旅行なのに…」

 

 三和と五花は申し訳なさそうに頭を下げる。新幹線のホームで頭を下げる女子高校生を、サラリーマンや観光客が不思議そうにチラ見してくる。


 「いや、2人のせいじゃない。それに先生達も逆に褒めてたぞ?」

 「え?遅れちゃったのに?」

 「外国人を助けてあげたんだから当然です!2人は凄いですよ、普通は見て見ぬふりをするでしょうから」

 「だから、頭を上げるっす!せっかくの修学旅行っすよ?悲しいスタートは嫌っすからね!」

 「…皆んなありがとう。そうだね、皆んなで楽しい思い出にするんだもんね」


 2人は顔を上げてくすっと微笑む。新幹線が来るまで後30分もある。暇を潰す為に待合室に向かって今後の予定を考える。


 「今日中にクラスの皆んなと合流するのは無理そうだな。時間がズレすぎてる」

 「じゃあ私達5人で回るのですか?」

 「そうするしか無い。先生からも許可は貰ってるしな。俺と四羽の信頼が役に立ったんだ」


 「生徒会の2人がいるなら安心だ」と先生は俺たちの単独行動を許可してくれた。意外と緩くて驚きつつ、初日はクラス行動だった。それが自由に回れるなら、こっちとしてもありがたい。


 「で、どうする?俺たちで自由に回れるわけだが」

 「うーん。元々は奈良公園に行くんすよね?私達も遅れて公園に行かないっすか?鹿さんに会いに行きたいっす!」

 「…うん、私達も行こうよ。5人で自由に回れるんでしょ?…絶対楽しい!」

 「そ、そうですね!…そうしましょうか!」


 歯切れ悪い返事をした四羽は徐にスマホを取り出し、誰かにメールを送っている様だった。


 「どうしたんだ?四羽。どこか行きたかったところでもあるのか?」

 「い、いえ!?私も!鹿さんにお煎餅あげてみたいです!」

 「そうか?なら良いんだが…」


 危なかった…!本来なら白猫さん達が考えてくれた計画通りに動くはずでしたが、仕方ありません。予定変更です!白猫さんに伝えなければ。


-----------------------

9:36                 ☎︎

<白猫会長


【どうかしましたか?新幹線

に乗れていないようですが?】


        【すみません(;ω;)

         色々あって、新幹線に乗れませ

         んでした!1日目の計画は予定

         変更でお願いしす!

         ごめんなさい!( ◞‸◟)】


【ʅ(◞‿◟)ʃ】

【了解です。雀にはこちら

から連絡しておきますね。】


               【すみません!】


【大丈夫です。まだ明日があります!】


------------------------


 そうだ、まだ明日の班行動がある。そこで真を…!


 「…ねぇ…一華?良いの?」


 私の耳に口を近づけて、こそこそ話すのは五花だった。真はこちらを見ていない。皆んなにバレない様に静かに話しかける。


 「…何がっすか?」

 「これじゃ、計画が狂っちゃうよ?」

 「心配無いっす。元々2人っきりになる予定だったし、同じ班で自由行動出来るならチャンスはあるっす!」

 「…な、成程!」


 この修学旅行で三和は常に真の側にいるし、四羽はずっと様子が変っす。きっと2人とも何か企んでいる。もしかしたら告白まで………。2人が、修学旅行で告白したら結ばれると言うジンクスを知っているかどうかは知らないけど、される事は阻止したいっす。なるべく早く行動に動かさないと!


 「お、新幹線そろそろ来るみたいだぞ!さ、行こう」


 それぞれの荷物と思惑を持って京都行きの新幹線に乗り込む。何も知らないのは真だけだった。

 車両に乗り込み、荷物をしまった後に3人席を回転させ向かい合わせる。平日と言うこともあり他のお客さんは少ない。肘掛けのところにあるテーブルを出して五花が持ってきたトランプでババ抜きを遊び始める。


 「あ!揃ったっす!はい、真の負け〜!」

 「な、5連敗って…マジか…」

 「…真、顔に出過ぎだよ。わかりやすい」

 「ふふっ!頭は良いのにポーカーフェイスが出来ないなんて勿体無いですね」

 「う、うるせぇ!何でこう言う時の五花は強いんだよ!」

 「ふふっ〜ん!これがポーカーフェイスだよ?真くん!」


 五花が「どうだ」と言わんばかりにドヤ顔を見せつけてきて、それに少しイラっとする。普段は素直で何でもかんでも口に出すタイプの五花が意外と表情が読み取れない。こんなに負けたことは久しぶりだ。


 「くそっ!もう一回だ!」

 「いやいや、もう京都着いちゃうよ?ほら、見えてきたよ?」


 五花は窓を指さす。外には古風な建築物が建ち並んでおり、日本の美しさが詰まった都が姿を現していた。

 京都。ここで修学旅行と言う名の戦いが始まろうとしていた。


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