何回でも、傷を癒して
人生経験豊富なお母さんの気持ちです。
どうぞよろしくお願いいたします。
受験を成功させて嫉妬される。
自分を傷つけるように、泣いた。どのくらい惨めになったら、誰かが手を差し伸べてくれるのか、確認するかのように、喉をからして惨めに泣いた。
そこに手を差し伸べたのは、他ならぬ母だった。
真恵、、、人はね、確かに人の不幸をみたいと思ってしまうことがある。でもね、少なくとも私は、真恵の幸せが大好きだし、これからいつかきっと、そのくらい真恵を思ってくれる人が見つかるから。
だから、人に失望しないでね?真恵。。。
腐れ縁だ。
プリント届けたら、怒鳴られた真恵が落ち込んでいたから、バイクで海に行く。
泣き声?
「真恵はいますよ」
「開けないでっ」
「お父さん、開けないでってば!」
「お、おじゃましまーす。。。」
嫌なこと、話せよ。嫌なこと話すとなあ、めちゃくちゃ泣けてくるぞ。それで涙にして、全部流しちまえば良い。
そしたらやってきたの、大きな不幸が。
そんなことっないよ、きっと。今の周りのやつは。少なくとも俺はっ。
私の周りの友達だって、私が幸せになるのが、嫌なのかもよ? バイク後ろ乗り
もしお母さんが目を覚ましたら、私は普通の、、、少し恵まれた女の子だもん。
嫌になっちゃうかもよ?
なーんちゃって!
感情移入が上手いんだね。
真恵、泣くんだよ、、、ちっ
あんたがそんなんだから、真恵が泣くんじゃないのかよ。真恵がなんで泣いてるのか知ってるのか、人が幸せを願ってくれないから、泣いてるんだぞ!俺が親なら、子どもが泣いてたら抱きしめてやるよっ。それで愛を伝えようと、死ぬ気で足掻くよ!
そんなふうに助けられてなあ!人が育つと思うのか?
エリート父。
パパはね、あんまり好きがわからない人なの。でもお母さんのことだけは不器用にだけど大好きだった。
だから、とってもショックなんだよ。今も、すごい我慢してくれてるんだよ、きっとあれでも。
俺は、真恵の味方だからな。真恵が泣く時は、泣いてやるし、笑う時は喜んでやるよ。
それはさ、いっときの感情移入だよ。私が不憫すぎるから、そうしてあげたくなっただけ。
私が普通の子になったら、きっとそれは別の話。
本気で言っていた事が分かる。
俺の気持ち、こんなに思ってても、届かないんだよな。
俺は真恵の幸せを本当に心から願ってるって。
俺、真恵と本当の友達には、なれないんだよな。
しらね。俺も人生にヒカンしてんの、今。
ほんとの友達なんて、出来ないなって思ってんの、俺もなんだよ。
人って虚しいよな。一体みんな、なんのために生きてんだか。。。そうでなくても、めんどくさいこと、ばっかなのにさ。
光!。。。人生のこと、いらないって思わないようにね。
大げさだねぇー!。。。大丈夫よ、んなもん。
初めてだな、本当に死ぬかもって思うの。
こんな感覚なのか、痛くて熱くて、でもそれだから生きてるとも思えない。
痛みが、どこか客観的な痛みになっていく。
俺の頭には、どうやって生きてやろうか、ではなく、自然とどうやって楽に死んでやろうか?という疑問が湧いてくる。抵抗が弱まる。これが諦めか。。。ダメだろ俺。
『光、人生のこといらないって思わないでね』
本当の人間関係が出来なかったかな?
せめて、あいつとなら。
「やめて!光のこと、離して!」
「光は、私のことを大事にしてくれるのよっ!?あなたたちは何!?こんなに関係ない人まで、傷つける!どうしてよ!どうしてそれでいいって思えるの!あなたたち、幸せを自分で手放さないでよ!光の幸せをっ、邪魔しないでぇぇ!」
そう言って、不良の後ろから腕を取って、少しでも不良たちを止めようとする真恵が見える。
その様が、俺にはスローモーションに見えた。
今真恵は、人に幸せを願われないことに苦しみながら、人の幸せを命がけで願っていた。
その必死な顔が、腕が、全てが、美しいなと思った。
ああ畜生。こんな事が起きるなら、もっと生きたかった。
多くの人影。
「何やってるんだ!犯罪だぞっ!」
「お父さん、車回してくるからなっ」
「真恵、真恵っ」
「わあ。。。私、必死に、なっちゃった。。。!」
人生が、いらないわけない。
どうしてもいるんだよ、人生は。真恵もさっき、分からなかったか?
危ないかもって思うと、怖かったから?
いいや違うな。
幸せだから。
。。。なんか、カッコ悪い?
いいんだよそれで!
でも、嫌なこともたくさんあるよ?とても嫌なこと。。。
そういうのは、思い出にしてやるのさ。嫌だったことも人生の思い出に。
素晴らしいことを体験するために我慢したんだと思えれば、きっとそれも随分いい思い出になってくれる。
えー、そんなもんかなあ?
。。。でも、光が幸せだって言うなら、信じてみる。
それで良い。信じなきゃ人生は始まらん。
はーぃ。。。
あー、生きてる。生きてるなあ。。。
うん。
お母さん?
私ね、光のこと好きなの。
でもさ、大丈夫かな?私ってすごく暗い子だったからさ。また落ち込んで、彼に迷惑かけちゃうかもしれないし。。。
彼の前で落ち込まない方法、また教えて欲しいな。
そうそう、彼はね、留学に行くことにしたんだって。もっと広い世界で、友達を探しに行くんだって。。。
じゃあまたね、お母さん。
行ってきます。
聞こえているよ。。。
真恵、私の愛しい真恵。
素晴らしい恋をしたんですね。お母さん、とっても嬉しいです。
何回でも傷を癒して。
ゆっくり進んでください。
そうすればきっといつか、もっと多くの人生の苦しみさえ許して愛せるようになる時が来る。
そうすればちょっとは安心して、人を愛せるでしょう?
そうすれば安心して、毎日眠りにつけるでしょう?
大丈夫よ、真恵。。。きっと。
「早く〜!こっちこっち!」
「待てって、よく疲れないな、お前」
「そんな悠長なことしてたら光がすぐいなくなっちゃう」
「。。。なあ、俺達、付き合わねえ?」
「ふぇ!?な、なによいきなり!??」
「嫌?」
「それは、、、よ、よろしく、おねがいします!!」
幸せだったから、生きたいですよ。
どうぞよろしくお願いいたします。




