第五話
風呂敷広げすぎたああああああああああああああああああああああああああああああ
1PVでもあるかぎり(以下略)
『きゃああああああああああああああああ』
貴族や群衆らが絶叫し、中には嘔吐するものもいる。そんな中、兵士らが男を取り囲んだ。
「動くな!貴様を連行するッッ」
中にはあの老人と新任兵の姿もあった。
男は少し笑って言った。
「なにが連行だよ....第一、王が戦っている間お前らはただ傍観していただけだっただろう....」
代表して老兵は言い返す。
「あれは王の命令じゃッッ我々に傍観せよと伝えておったのだ!」
「違うな...そんなものは、都合のいい理屈でしかない....」
「なんだとッ」
「王を本気で守りたくば、例え後で腹を切ることになったとしても守りに行くのが性なんじゃないのかい....それにお前ら.....顔、笑ってるぜ.....愛国者様よ.......」
「......................」
正に一触即発だったのだが、火ぶたを切ったのはやはり兵隊。
「だまれッこの男を処刑せよ__」
それは老兵及び兵どもの意地であった。王の手足となる兵という称号に彼らはプライドを持っていたのだが、王が死んで正直喜んでいるという胸の内を悟られることがなにより、生かしては置けないという思考に至らせた。
しかし途端に赤い瘴気が兵どもを包んだ。
「またッ...なっなんなんだ!ぜ、全体離れるなッッ」
兵どもは固まる。しかしこれは最大の悪手であった。
(な、なんだ....力が抜けて.....ね、眠い......しまった......いますぐぬけ....だ....さ....ね....ば..............................)
兵たちは深い深い世界へ連れてこられ、ついには永遠の眠りに至った。
男は
「五秒か....この数でこれは上出来だ.....」
と青い目を触りながらつぶやき、闘技場の門を破り、王宮方面へ走っていった。
貴族及び群衆はこの突然の事態にうろたえていたが、貴族に関してはすぐ階級戦争の策略に思考を巡らせているばかりであった。
走る、男は走る。ただ駆け抜ける。群衆の波を駆け抜け、おしきり。ついには宮殿の前へと至った。
そこには一人の少女がたっていた。
長髪で、美しい金髪の人であった。その立ち姿さえも彼女の静かなエネルギーを感じさせられるものであり、風格まで覚えるものであるが、表情は悲しげである。
「父の最後は、どうでしたでしょうか。」
そういう顔には涙の跡が見られ、少々赤くなっている。
「君が、娘さんですか.....頼まれている。用事を終えたら、すぐ逃げ出しましょう.....このルードムの国から。すこしばかり馬車を携えて、待っていてください....ものの二、三分でかえってきます。」
男は宮殿の最上部へと跳ね上がっていった。
少女は呟く。
「父さん_____」
『うわあああああああああ』
『きゃああああああああああああああああああ』
『侵入者!!え、衛兵、どこだあああああああああ』
宮殿は大混乱である。王が亡くなったということは、人のうわさとは恐ろしいもので、ものの数分もせぬうちにすっかり国中に伝わっているようだ。
男は周りを意に介さずついには空っぽの玉座へとたどり着いたと思えば、剣を一振りし、その椅子を破壊した。
すると金色の蝶の小さな像が転がり落ち、男はそれを両手で手に取った。
(あとは帰るだけ....いそがねば)
数々の兵どもが男を囲む。だが皆瘴気に惑わされ、眠りの世界へといざなわれるだけであった。
(まずい....もうそろそろ日が暮れる.......)
宮殿から外に出るとそこには人影一つなかった。
「クッ.....いそがねば......」
走り、走る。走る先には、馬車に待機する少女の姿があった。
「いそいでッッ」
少女は必死に言う。
「うおおおおおおおおおおおおおお」
男は馬車に転がり込み、その時日が沈んだ。
「火はッ......たいてますか?」
男が聞いた。
「大丈夫です....まにあった....まにあいました」
少女は安心して言う。
激動の一日、ひと段落終了。
第五話尾張の国
感想....おねがい、出来れば感想と、この作品に対する批判を.......