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第四話

読者が一人でもいる限り書き続ける

「ッ~~~~~」

少年だった男はボロボロの肉体を携えて立ち上がった。その目は青色である。

「ほう....青い目に、赤い瘴気か....なるほどなるほど........」

王は感心したように言い、暗黒の微笑を浮かべた。

その姿はさながら、かつて魔王と呼ばれたもののような....外見は違えど、暗黒の風格はそこにあった。

「ハッハッハッ.....わしは昔、魔王を切り殺した勇者だったということは知っておろう......さながら、その時のようじゃ.....魔王もそうだったよ....青い目に、赤い瘴気、とな.....」

男はボロボロの体を携えて立ち上がった。その目はまるで、広大で、広大な...大海原のような________

途端、快晴だったはずの天が泣きだした。少しばかりの光が残るばかりの闘技場は、王や群衆、そして男と、誰分け隔たりもなく濡らした。

「この雨は.....まずいのう.......」

王は杖を一振りし、天を割った。途端に王のいる場所のみ光が差す。


「....;.;.;..;.;.;.;..;.;.;」

男が鮮血な喉仏でなにかを言おうとしている。喉仏から流れる血も雨により薄まってきている。

男は再度、身を震わせて、絶叫に近い声を上げる。

「してやったりとでも....言うつもりかァッッッ」


王は言った。

「油断は、出来ぬものでのう.......せやッッ」

途端に流れ落ちる雨が、雹へと変貌し、男のみならず群衆もを襲った。

「ガハッ...き、貴様ァ、何をしたい......王よ、国民を見よ......」

群衆は突然の雹に逃げまどってい、数人かは地に付している。

しかし王は乾いた笑い声をあげ、「いくらでも、作れるのだ.....」などというのみである。

「...........」

しかし男の目は何か、逆境をきすようなものがあった。

「なあ....王よ.....」

「なにかね.........」

「アンタ、いまよそ見したね......」

刹那ッッ

王の背を逆境の刃がつらぬいた。

ここで王は気付く....違和感に.....

(おかしい....まず、なぜこの男はこんなに流暢に話しているのだ?喉は潰れたはずだ......)

王の背中が熱くなる。

「な...に...も...の....か......」

王はかろうじて振り返るとそこには息絶えたはずのフォルティスの姿があった。

王はその時ようやく気付いた。

(なんと浅はかだったのか我は.....あの雨が...よもや....回復...魔法、だったとはな......しかも...ただの魔法ではない.....死者をもよみがえらせるものとは.......魔王の時とは...技の見た目以外すべてが....違う....)

(勇者もこうなってはおしまいだ.....我も耄碌したものだな....)

そうして王の体は地に付し、フォルティスと男は向かい合った。

即座に天は鮮やかになり、快晴の昼に戻った。

息絶えたはずのフォルティスはすぐさま王の首に刃を突き刺すと、こう言った。

「作戦成功....だな....初対面だが...任務、ご苦労であった。」

するとまたフォルティスも、王の隣に突っ伏し、呼吸を止めた。

男は呟く.....「向かわねば、宮殿に....」


みじけえけど第四話完

コンソメスープ

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