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「――と、まずはここまで。この冒険の続きを知りたかったら帽子のなかにお金を入れておくれよ。3人の年若い冒険者はどうなるのか! 気になったのならお恵みを頂戴な」


 ざわざわと騒がしい町の喧騒に紛れ聞こえるのは吟遊詩人の流暢な語り。

 なんでも最近王都で活躍する冒険者パーティーの話だとか。

 聞く限りじゃスゴい強そうだ。

 城塞みたいな魔獣の腕を斬り飛ばしたりそんなデカさの魔獣を凍らせる魔術師とかヤバイな。

「界人、どうしました?」

「なになに、界人くん。なに見てるの?」

 俺が立ち止まって聞いてたせいで桜花とノエルが話しかけてきた。

「吟遊詩人が流行りの冒険を唄ってたんだよ。なんでも3人の若者冒険者でめっちゃ強い感じ」

 正直、続きが気になってる。

 まだ活躍してない最後の一人はどんな能力を持っててどう戦うんだろうか。

 吟遊詩人への投げ銭は着々と帽子に溜まってて、しばらくすればまた語りは再開されるはず。

「そうですか。ですが、その続きを聞いてる暇は我々にはありませんよ」

「そうだよ。今日はお家に必要な日用品を買い集めるんだからねー。それにこういうお話って何割り増しにも内容膨らませられてるんだし真剣に聞いても意味ないってば~」

「……ぐっ」

 あっけらかんとノエルが正論を吐いてくる。

 その言葉は正しい……だが、フィクションと分かってても楽しめればいいだろうが!

 浪漫がわからない現実派(リアリスト)女子どもめ。

「さぁ、界人行きますよ」

「界人くん、リートと一緒に荷物持ちよろしくねー」

「あぁ、ちょっ」

 2人して人混みをさくさく行ってしまうので俺もその場から離れざるを得ない。

 後ろ髪引かれる思いだが、吟遊詩人の唄はまたの機会にするとしよう。

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