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「誤算だわ……」

 夕刻、イガヤイムの西門から続く街道をリイナは一人寂しく歩いていた。

「まさか、全財産使いきるなんてね」

 そもそもリイナ自身の手持ちは少なかった。

 王都近くの廃村に隠れ住み廃棄物漁りで生計を立てていた彼女。

 遠く離れたイガヤイムに来るまでに僅かばかりの食糧の購入と乗り合い馬車の運賃、加えて酒場を巡っての情報収集の出費でとうとう軽かった財布の底をついてしまったのである。

 おかげで北方域の寒空の下、リイナは徒歩で移動する羽目になっていた。

 運賃の掛かる移動手段は使えず危険と隣り合わせの旅であったが彼女は悲観しない。

「フン、もう情報は掴んだんだから今のうちにぬくぬくしてるといいわ。アタシを置いてった事を後悔させてやるんだから」

 消えた家族達の悔しがる顔を思い浮かべリイナは不敵に笑うと茜色の道を再び歩き出すのだった。

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