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第92話 会談終了と帰還

 会談が始まって三時間ほどが経過した時、ヴィムは再びグリフィント王城の応接間に呼ばれた。


「ヴィムよ。君はまたやってくれたみたいだな」


 レオリア国王が額に手を置いていた。


「まあ、はい。そうですね」

「魔人を倒すとは、もう驚くのも疲れたよ」

「陛下の心労にならないように気をつけます」

「そうしてくれると助かる」


 陛下が重い腰をソファーから上げた。


「陛下たちのお話はもういいんですか?」

「ああ、今終わったところだよ」


 今度はグリフィント皇帝が口を開いた。


「では、レオリアに戻りますか?」

「そうだな。戻るとしようか」

「わかりました。では、レオリア王都に繋ぎますね」


 三時間もあれば魔力は回復している。


「では、私はこれで失礼致します」


 レオリア国王は多忙な為、早急に王国に戻る必要がある。

国王不在の時間はなるべく短くしておきたいのである。


「行きます」


 そう言って、ヴィムは空間魔法を展開する。

そして、その大きさを拡大していき、レオリアの王宮へと繋げた。


 空間魔法の中を通り抜け、ヴィムたちは一瞬にしてレオリア王都へと到着した。


「これはすごい……」


 初めて空間魔法を見る騎士団の人たちもまた驚きの声を上げる。


「ご苦労だったな」


 ヴィムたちは王宮の応接間でレオリア国王と対峙している。


「いえ、会談が上手く行ったようで何よりです」

「ああ、無事に同盟を結ぶことが出来そうだよ。これもヴィムが魔人を倒してくれたおかげだな」


 陛下はニヤッとした笑みを浮かべた。


「すみません。ちょっとやり過ぎましたかね?」

「いや、魔人を野放しにしている方が問題だっただろう。今回は感謝こそしているよ」


 確かに、あのまま魔人が野放しにされていたと思うと恐ろしい。


「ありがとうございます」

「今回の報酬だが、共有口座にに振り込んでおくからな。後で確認しておいてくれ」

「承知しました」

「私からの話は以上だが、ヴィムたちからは何かあるか?」

「いえ、特にはありません」

「そうか。では、ゆっくり休んでくれ」

「ありがとうございます」


 そう言うと、ヴィムたちは王宮を後にする。


「なんだか久しぶりの気がしますね」

 

 隣を歩くミサが言った。


「まあ、二週間も王都から離れていたからな」


 二週間という期間は短いようで長かった気がする。

王宮から数分歩いて自分の屋敷に到着する。


「お帰りなさいませ」


 屋敷に入るとジェームズとアーリアが出迎えてくれる。


「ただいま」

「お帰りをお待ちしておりました」

「変わらずちゃんと手入れしてくれているみたいで嬉しいよ」

「このお屋敷を守るのが私どもの仕事でありますから」


 ジェームズが粛々と頭を下げる。


「俺は夕飯まで部屋で休んでるから」

「かしこまりました」

「ハナとミサも自由に過ごしてくれ」


 そういうとヴィムは二週間ぶりの自室へと向かった。

 

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