第78話 報告へ
迷宮の調査を終えたヴィムたちはハイムの街へと戻る道のりを歩き始める。
数十分ほど歩くと、ヴィムたちはハイムの街に到着した。
「とりあえず、報告だけ済ませてしまいますか」
「そうですね。そうすれば王都に戻れますし」
「ですね」
日が沈む前には報告を済ますことが出来るだろう。
ハイムの街を歩き、ギルドへと足を踏み入れた。
「ギルドマスターにお会いしたい。報告がある」
ギルドの総合窓口で冒険者カードを提示しながら言った。
「かしこまりました。すぐにお取り継ぎいたします」
受付嬢はすぐに対応してくれた。
「ギルマスがお会いになるそうです。こちらへどうぞ」
そう言って、ヴィムたちはギルマスの執務室へと通された。
「迷宮調査お疲れさまでした。どうぞお掛けください」
ヴィムたちはギルマスに促され、ソファーへと腰を下ろす。
「随分とお早いお戻りですが、どの辺りまで潜ったんですか?」
「最深部まで潜りました」
「え、嘘ですよね? まだ三時間くらいしか経ってませんよ?」
「証拠もありますよ」
ヴィムはマジックバックの中からワイバーンの核を取り出すと、机の上に置いた。
「こ、これは確かにボスクラスの核ですね……」
ギルマスは驚きの表情を浮かべていた。
「流石は深淵の魔術師の異名を持つお方とそのお仲間だ。それで、迷宮の方はどうでしたでしょうか?」
「それに関してですが、S級の迷宮に認定して問題ないと思います」
あのクラスの魔獣がうじゃうじゃ居るのだ。
そこらの冒険者では相手にならないだろう。
「かしこまりました。では、そのように手続きさせて頂きます」
「入場制限はAランク冒険者以上でお願いします。それ以下の実力では一階層で確実にやられてしまいます」
「それほどの迷宮をたった三人でこの短時間に攻略してしまうとは……分かりました」
ギルマスは早速手続きをしてくれた。
「では、我々はこれで王都に戻りますので、失礼します」
「ありがとうございました。お気をつけてお帰りくださいませ」
「ありがとうございます。また何かありましたら王都のギルド本部に私宛で連絡をください。できる限り対応させて頂きます」
「助かります」
報告を終えると、ヴィムたちはハイムのギルド支部を後にする。
「今から帰ったら明後日には王都に着くな」
「そうですね」
「帰りは何事も無いといいですね」
「だな」
ヴィムたちは馬車に乗り込むとハイムの街を後にするのであった。
帰り道は比較的平和に進むことが出来ている。
街を2つほど抜けた所で日が落ちて来た。
「今日は次の街で一泊になりそうだな」
ヴィムは馬車の窓から外を眺めて呟いた。
久しぶりの更新となり、申し訳ございません。
ここでお知らせがあります。
本作は2月4日にBKブックス様より発売予定となります!
イラストレーターはメノウ様です!
各店舗特典も書かせて頂きました。
詳細は活動報告とTwitterの方で告知致します。
引き続きよろしくお願い致します。




