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第67話 次の街へ

 その後も馬車は問題なく進んでいく。

街を2つほど通りすぎたあたりで、日が暮れ始めた。


「よし、今日はこの街で一泊しよう」


 予定より少しだけ早いペースで進んでいる。

この調子で進んで行きたいものである。


 ロルフが手際よく宿の手配をしてくれた。

ここは旅の商人や冒険者が多く立ち寄る為、宿もそれなりに多くあるようだ。


「じゃあ、明日の朝から出発ということでよろしく。みんなゆっくり休んでくれ」

「はい、おやすみなさい」

「おやすみなさい」


 そう言うと、各自用意された部屋へと向う。

そこは、ベッドと机と椅子が置かれたシンプルかつ殺風景な部屋だが、一晩休むにはちょうどいいだろう。


 ヴィムはベッドに横になると、そっと目を閉じた。

疲労も蓄積されていたのか、すぐに意識を手放した。



 ♢



 翌朝、いつもより早い時間に目が覚める。

窓をあけると、朝の涼しい風が流れ込んでくる。

早起きも悪くないなと感じる。


「さて、今日も頑張りますか」


 ヴィムは部屋から出てこの宿に併設されている食堂で朝食を取ることにした。

階段を降りて、そのまま食堂に向かった。


「ヴィム様!」


 食堂にはすでにミサとハナの姿があった。


「おはよう。ハナたちも朝食か?」

「はい。朝ごはんは大事ですから」

「確かにな。そこ、いいか?」

「はい、どうぞ」


 ヴィムはハナの隣の席に腰を下ろした。


「今日は少なくともここまでは進みたいな」


 地図を広げながヴィムは言った。


「そうですね。そこまで行けたら明日がだいぶ楽になりますし」

「だよな。よし、行くか」


 朝食を終え、準備を整えると宿を出た。


「おはようございます。本日もよろしくお願い致します」


 宿を出た所に、ロルフが馬車を用意して待っていてくれた。


「おはようございます。こちらこそよろしく。今日はこのルートでここまでは行きたいと思っています」


 ヴィムはロルフに先ほどと同じ地図を見せて説明した。


「かしこまりました。では、少し飛ばし気味でいかせていただきます」


 そう言うと、ロルフは白手袋をはめた。


「了解。よろしく」


 ハナとミサに手を貸して馬車に乗せると、その後にヴィムも馬車に乗り込んだ。


「では、出発致します」


 御者台の方からロルフの声が飛んできた。

そこから、馬車はゆっくりと進み始めた。


 地面を踏む蹄鉄の音が規則正しく聞こえてくる。

街を出てからしばらくは舗装されている道が続いていく。


 ヴィムは索敵魔法を展開する。

この辺りはまだ魔獣や盗賊は出ないエリアではあるらしい。


 そこからしばらくは問題なく進んで行った。


「ん? これは……」


 その時、ヴィムの索敵魔法に妙な反応があった。

魔力生命体と人間の反応。


「この動きは……戦っているのか」


 動きからしたら魔力生命体の方が優勢な感じがする。


「ロルフさん、急いでください。前方300メートルで魔獣と人間が戦っています」

「承知しました」


 ロルフは馬に鞭を入れると馬車のスピードが一気に上がった。

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