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第61話 新たな仲間

ヴィムは書斎で資料に目を通していた。


「皇国と同盟をか」


 グリフィント皇国という国がレオリア王国の隣にある。

そことは友好的な関係を築いているが、正式に同盟を結んでいるわけではない。


 このタイミングで同盟を組むというのはいいタイミングなのかもしれない。


「これにも話がかかるかもしれないな。一応、チェックしておくか」


 ヴィムはその資料だけ、別の場所に置いた。

そこから、しばらく書類の山と格闘していく。

Sランク冒険者ともなればこういう地味な作業もしなくてはならない。


 やっと資料が片付いた所で書斎の扉をノックする音がした。


「旦那様、夕食の準備が整いました」

「分かった」


 ジェームズの声にヴィムは作業の手を止めて書斎を出た。

書斎を出て2階の廊下を歩いているとミサの姿があった。

相変わらずの騎士服姿である。


「部屋はどうだった?」

「素晴らしいです! すごく綺麗で広いですし、勿体ないくらいです」

「それはよかった」


 ヴィムはミサと一緒にリビングへと降りる。

食事時なら全員集まっているのでミサを紹介することができるだろう。


「夕食にはみんな集まるから紹介するね」


 そう言って、リビングへと向かった。

リビングへ入ると、そこには既にハナの姿があった。


「食事の前にちょっといいか?」


 ヴィムはハナとアーリア、ジェームズ、その他使用人に声をかけた。


「今日からこの家に住んで俺たちと行動を共にすることになるミサ・フルメンだ」

「ミサ・フルメンと申します」


 そう言うと、ミサはぺこりと頭を下げた。


「ハナ・シャロンです。ヴィム様とは一緒に冒険をさせてもらっています。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


 ハナとミサはその場で握手を交わした。

その他、使用人たちも挨拶をしていく。


「メイド長のアーリアでございます。何かお困りのことがありましたらお申し付けください」


 アーリアが粛々と一礼をした。


「まあ、挨拶はこのくらいにして飯にしようぜ」


 ヴィムはそう言うと、席に付いた。

今日も美味しそうな料理が並んでいる。


 黙々と食事を進めて行った。


 そこからは仕事の続きをする。

こんな生活をしていると、いつ寝ているのかと言われることもある。


 書斎で仕事をしていると再びノックする音がした。


「旦那様、今よろしいでしょうか?」


 ジェームズの声が扉の向こうから飛んできた。


「入ってくれ」


 ヴィムは仕事の手を止めて視線を上げた。


「王宮よりお手紙が届いております」


 ジェームズが書簡を手にしてやってきた。


「ありがとう」


 ヴィムはその書簡を受け取った。

その書簡を丁寧に開けて中身を確認する。


 そこには近いうちに王宮に来て欲しいという内容が書かれていた。


「明日にでも王宮に行くことにするよ」

「かしこまりました。そのようにお伝えさせて頂きます」


 そう言うと、ジェームズはヴィムの書斎を後にした。


「さて、俺もそろそろ寝るとしますか」


 ヴィムは書斎を後にすると、自分の寝室へと向かうのであった。

 


お読み頂きありがとうございます。

皆様のおかげでこの作品が書籍化することが決定致しました。

応援ありがとうございます。

引き続きよろしくお願い致します。

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