表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/149

第17話 新しいローブ

 屋敷を出てしばらくジェームズの後を歩いていた。


「こちらでございます。ここは私の旧友がやっている店でして、品質はいいですから」


 屋敷からは20分ほどの所にある呉服店だ。

ジェームズの後に続くようにして店内へと足を踏み入れた。


「いらっしゃいませ……ってジェームズじゃないか。久しいな」

「お久しぶり。今日はうちの旦那様の服を見繕ってもらいたい」

「ほう、主人が変わったとは聞いていたが、随分若いな」


 店主の男は俺の方に視線を移して言った。


「ヴィム・アーベルと申します」


 そう言って、軽く頭を下げた。


「知っているよ。貴方はこの国ではすでに有名人だ。私はダリルです。よろしく」

「よろしくお願いします」


 ヴィムはダリルと握手を交わした。


 Sランク冒険者に認定されると、名前が公表される。

世界にも数人しか居ないSランク冒険者の名前なんてのは一瞬のうちに広がって行くのである。


「それで、今日はどんなものをお探しで?」

「これと似たようなローブがあれば助かる。あと、シャツとパンツも何枚か欲しい」


 ヴィムは羽織っているローブを一度脱いで、ダリルに見せた。


「これは、特殊な加工がしてありますね。これはご自身で?」

「よく分かりましたね。そうです。自分で魔法を付与してあります」


 ヴィムのローブには魔法攻撃の耐性がある付与魔法をかけてあった。

これを見抜ける人物はそうは居ないと思ってたのだが。


「服屋を始めて随分と経ちましたからね。付与されているものくらいはわかるようになります。似たようなのをお出ししますので少々お待ちください」


 そう言うと、ダリルは店の奥へと向かって行った。


「これなんてどうでしょう?」


 しばらくして、ダリルは一枚のローブを持って戻ってきた。


「羽織ってみても?」

「もちろんでございます」


 ヴィムはダリルからローブを受け取り、羽織ってみた。


「うん、軽くていい感じですね」


 今着ているものと大きな差はないように感じた。


「これにします。これください」

「ありがとうございます。シャツとパンツはこちらにございますので」


 そこから、シャツとパンツも数着購入することにした。


「では、お包みしますね」


 ヴィムは代金を支払うと、服の入った紙袋を受け取った。

それなりのお値段になってしまったが、ローブには妥協できなかった。


「ありがとうございました」

「こちらこそです。今後ともご贔屓に」


 そう言うと、ヴィムはジェームズと共に店を出た。


「いい店を紹介してくれてありがとう。おかげでいいものが手に入ったよ」

「とんでもございません。お役に立てて何よりでございます」

「じゃあ、とりあえず帰ろうか」

「かしこまりました」


 ヴィムたちは一度屋敷に戻ることにするのであった。

お読みいただきありがとうございます。


【作者からのお願いです】


『面白い』『続きが気になる』という方は☆☆☆☆☆での評価やブクマへの登録をお願いします。


皆さんの応援がこの作品の力になります!!


執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ