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第十九話 旅の終わり その七

 と思った時には足元の感触が土に代わっていた。

 周りを見回すと白い石壁が目に入る。

 王城の裏手のようだ。


「ふむ。着いたね。どうだね我が弟子。久々に踏む王国の土は」

「特に感慨とかは……」


 あぁ、早く帰って来たかった王国だけど、最後の竜皇様の言葉が気になって素直に喜べない!


「我が弟子は王国に拘りはないのか。ならば我が姪と共に竜皇国で暮らすというのも」

「無事祖国の土を踏めた事、大変嬉しく思っております」


 危ない! 師匠はおちょくってるのか本気なのか分からないから怖い!


「さて、朝食を食べに行くとしよう。我が弟子よ、どこか良い店はないかな?」

「師匠、城で召し上がるのでは無いのですか」

「堅苦しい上にもう飽きた。たまには庶民の食事を楽しみたいのだ」


 すっごい贅沢発言。一昨日のようにルビナに豪華な朝食を食べさせられるかと思ったのに。ついでに私も。


「では、私の行きつけで構いませんか」

「結構。我が姪もそれで良いかね?」

「はい」


 兎にも角にも王都に戻れた。これで私の旅は一旦終わりだ。

 この後するべき事も沢山あるだろうけど、この旅以上に大変な事などそうそうあるものじゃない。


「我が弟子、その店は朝からでも酒は飲めるのかね?」

「朝から飲む気ですか師匠」

「ディアン様、お酒は朝は飲まないものなのですか?」

「以前話したように、判断力や規範意識を低下させる働きもあるので、原則仕事の前には飲まないものだ」

「そうなのですね」

「私は構わず飲むよ。大して酔う事も無いしね」

「それは師匠だけですよ……」


 破天荒な師匠と、無垢なルビナと共に過ごす王都の生活。

 ……うーん、やっぱりこれからも大変な事になる気がしてきた……。

旅はいつか終わるもの、困難はどうだったかな。


第十九話終了となります。

読了ありがとうございます。


次話第二十話が最終話「騎士よさらば」になります。

今後ともよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自分より相応しい相手って、ディアン様以上に相応しい相手はいないのに、そろそろ諦めましょう。 寝ぼけ眼のルビナちゃん可愛い。 ディアン様の側だからリラックス出来たんでしょうね。 竜皇様の…
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