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第十八話 死を越えた先の幸い その三

「ディアン様!」

 ぐえ! 抱き付かれた!

 まさか直接絞め殺すほどの怒りを買っていたのか!?

 その為に一旦は生かして、意識が戻ってから直接……!

 ……あれ? でも痛くはない?


「ディアン様、良かった! ご無事なんですね! 良かった!」

「あ、あぁ、すまない、心配をかけた」

「いえ、ご無事でいてさえくだされば、それで……!」


 え、あれ? 嬉しそう? 怒ってないの? 何で?


「ルビナ、その、怒っていたのではないのか」

「怒る? 何の事でしょうか?」

「さっき部屋を出て行ったのは、私の記憶を見て、顔も見たくない程怒っていたのかと思ったのだが」


 言うと顔を真っ赤にして私から離れるルビナ。怒りを思い出したのか!?

 いや違う? 恥ずかしがってる?


「えっと、先程はディアン様の記憶を見せて頂いて、あの、私の幸せを心から願ってくださっていて、嬉しさのあまり泣きそうになってしまって、でも泣かないでいてほしいと思って頂いていたので我慢しようと、でも、ディアン様のお顔を見ると我慢できなさそうなので、それで……」


 え、あ、あれ? そう言えば昨日の夜そんな事を思ったような、ってあの時はやたら恥ずかしい事を考えていたような!

 それ全部ルビナに筒抜けになったって事!? ぎゃあ!


「そ、それ以外にも、私の情けない怯えや、その、嘘や、誤魔化しも知ったのだろう。それに対して、その、怒りは無いのか」

「いえ、その、確かにディアン様の行動の理由が、私が思っていたのと違った事もありました。ディアン様が思っている事と違う事を言っている事があるのも知りました」


 ほらやっぱり! 


「でもそれに怒りなんてありません。むしろ嬉しく感じたり幸せに感じる事の方が多かったです」

「いや、私はルビナを騙していたのだ。我慢などせず怒ってくれて構わない」

「我慢だなんて、そんな……。本当に怒ってなどいないのです」

「何故だ……」


 騙されていて嬉しいとか幸せとか、ルビナは私への依存をこじらせておかしくなってしまっているのではないかと不安になる。

お前それ手品の前でも同じ事言えんの?


読了ありがとうございます。

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