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僕の母

作者: なち

母はいつも自由だった。

いや、自由であるように見えた。12歳の秋。母が父に対して自分の生き辛さを、大声で吐き出している姿を見るまでは。


 母は家事の合間にしょっちゅうスマホを覗き込むような人だった。仕事の連絡だと言っては、インスタやツイッターを見ていた。本当に仕事の連絡もあったのだろうが、私の知る限りほぼ娯楽のために覗いていた。

 仕事から家に帰ってくれば、いそいそと家事のルーティーンをこなし、そのルーティーンに私たちがのらなければイライラして小言を言ってきて、ルーティーンが片付くとリビングの2/3は占めるであろうソファにドテンと転がりスマホを眺める。ルーティーンの間やスマホの間は私の話や弟の話はろくに聞かず、例えば何かを質問すると「しらん。」「わからん」と返ってくることが大半だった。しかし、私にとってそんな母は嫌いではなかった。そんな母のもとに生まれて寂しさは感じていたものの、不幸だと思ったことはなかった。

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