表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

花に集う

 昼食はそのまま研究所で取るとそのままエリスの私室に案内された。

 彼女の部屋にはかなりの数の銃や短弓や隠密用のローブを始めとする仕事道具やアンティーク調な家具などがある。また奥の部屋は完全な私室であり彼女の私服やティーポットなどが見られる。

 姫さまの部屋は大体こんなものなのだろうか。それとも俺が知り合うやんごとなきご身分の女性はそう言った飾り物をするのを嫌うのだろうか?あまり宝石や黄金の類は見られない。ただ銀細工などがある事からそれなりの格式には気を使っているのだろう。

「そう言えば此処に男性を居るのは初めてね」

「へぇ〜。にしても色々あるな」

 ガンベルトや軽鎧はどれを見ても一流の職人によるものだと分かるし眼を凝らせば大体の能力も分かる。

「やっぱりエリスも女の子なんだな」

「何よソレ?」

「いや家具とか花柄やピンク色のモノが多いからな」

 それもこれも何処かで見た事のあるものだ。ひょっとしたら彼女も似たような感性の持ち主かもしれない。探し出したら会わせてみるのも面白そうだな。

「花言葉とか気にするのか?」

 俺の知る限りで見た感じは貞淑とか家族愛とか色々あるがそのどれもが家族や淑女としては正しいものが多い。

「まあね。それにしても分かるの?」

「割とね。そこまで飛んだのも無いみたいだし」

 そう言えば何だかんだ湊に付き合わされたり紅葉や希空先生に付き合わされた淑女教育の一環のお陰でそう言った知識が同学年の男子に比べるとかなり多いものである。

「新一さんは姉さま同様にそう言うのは信じるのですか?」

「それなりには。ヒトが勝手に定めたとは言えども時間が経てば種そのものにそう言ったある種の神性が宿るわけだし」

 そう言ったものは天然の素材となる。花くらいでは護符が限界だろうがそれでも強力であるのは事実だしそう言ったジンクスに救われた事もある。

「不思議な考え。でも何故か否定してない」

 ミリアちゃんが周りの花柄の諸処に触れながら呟く。…ひょっとしてこの娘は今もこうして想いを汲み取っているのだろうか?いや多分汲み取っているのだろう。時々の色取り取りに輝いてるのはその証拠であろう。

「なんだか役に立てるのが嬉しいのかな?」

「植物の気持ちなんて分からんがな。それでもいつも世話になっている以上は敬意は払ってるけど」

 一方的に利用できるものでも無いしセラピー効果は花か小動物か恋人のどれかが1番良い。そして戦場にも携行しやすいのは花である。…娼婦がなんやらとは知らん!

「うん。それが嬉しいみたい。いつも花壇の手入れとかしてるでしょ?」

「一応な」

 もっぱら研究目的でしかないがそう言った時間の掛かる趣味はわりと楽しいのでガーデニングとかは好きである。……だって強化された肉体じゃあ広辞苑すら一月で覚えきるくらいだし。ぱらっと捲っただけでも簡単に覚えられているのだよ。

 ようは時間が多すぎるのだ。なのでどちらかと言うと研究のし過ぎで倒れることの方が最近では多くなってきている。

「それは良いこと。コッチでもする?」

「いや…土地ねえだろう」

 確かにガーデニングはしたし向こうの固有種やこっちの固有種の調合とかも知っておきたいし。後は俺の持つ様々なレシピがこちらでも使えるのか知りたいしな。


 アレそもそもの目的ってなんだっけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ