鏡
ホラーのつもりです。涼しくなれたら。
私はA子ちゃんと駅のホームで待ち合わせをしていた。
浮かれる心に任せて少し早く着いてしまった。約束の時間まであと10分ある。
ここは田舎の無人駅。だから時間通りじゃないとなかなか電車は来ないし、そもそもあんまり利用者がいない。
でもA子ちゃんはこの駅から学校に通っているみたいだし、場所を指定したのは私だ。
人気がなさ過ぎて怖くなってきたとか、電車来なさすぎて無理とか我儘は言えない。
大人しく待とう。
だってたかだか10分。
***
身嗜みが崩れていないか気になってきた。
人間暇になると余計なことを気に出すものだなぁ…。
でも、時間余ってるし。
どこかに鏡とか…
あった!
なんて珍しい駅なのだろう。
ホームに鏡が置いてあるだなんて。
めちゃくちゃ便利!
さっき悪口言ってごめんしゃい!
私はちょっと髪の毛を直した。
なんだか妙にアホ毛が出て、かつ、ちょっと崩れている。
いやぁ〜危なかった〜。
そんな風に時間を潰していたら。
「あっ!A子ちゃん!」
「ごめんね〜。お待たせ!」
どこか違和感があるような、ないような。
あ、きっとちょっとお化粧してるからか!
「じゃ、いこっか。」
「うん。」
***
「B子⁈」
おかしい。B子がいない。
いや、荷物はある。
何故か真っ赤に染まって。
怖い。
B子に何かあったんじゃ…
ふと見慣れない鏡があることに気付いた。
鏡の表面はまるで私を呼んでいるかのように
波紋が…




