2度目の要請
「救援要請…七宮 つかさ…」
「まずいですね…今の私達では戦うことすらできない…」
「どうすりゃいいんだ!?このままじゃあ…」
「彼女を信じるしかありません…」
…
凛さんいい人だったなぁ~、綺麗で優しくて勉強できるなんて完璧超人じゃないですか!
私も今度勉強教えてもらお…
夏音さんは…まぁ…ちょっと怖かったけど…悪い人では、なさそうだったしまた会いに来よっと!
あっ…でも…御見舞品もあるしなぁ…
「…港で謎の爆発による火災が発生しました。発生したのは…」
爆発?火災?この間と…いや、考えすぎか!もう一度七宮さんの家に突撃してみよ!
…
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…、いきなり強くなりすぎ…でしょ…負ける…かも…」
(この間はうまくいった転けさせる作戦も通じない…どうする、見る感じあいつの弱点は手で護ってる心臓部分にありそうだけど…)
「チッ!」
(救援を送ったけど来ない…やっぱりもう…私達しか…)
「…やるしかない…私がやるしかないッ」
…
ピンポ~ン…
んぅ~、やっぱり寝てるのかなぁ?電気もついてないみたいだし…帰るかぁ…
…
…
…
寝顔をちょっと見るくらいならいいよね…
誰も…見てないよね…まだ家に入ってないけど
「お邪魔しまぁ~す…」
きっと七宮さんにバレたらスンッごく怒られるんだろうなぁ…でも、この緊張感は他では味わえない!楽しくなってきた!
…
まずは玄関前に到着!今から家に…!って
ガチャガチャ
鍵掛かってる…まぁ、当然か…私の家は2~3回戸を無理矢理動かせば鍵が開くのに…しっかりしてんなぁ~
「はぁ…、帰るか…」
ズッ
「何…?」
何か足にひかかったけど…?
…
鞄だ、スクールバックだ…誰の?まぁ、私のではないけど…ちゃんと肩にかかってるし…
…
…
…もしかして泥棒!それだったら許せない…人の家に勝手に入るなんて!
あっそうだ!中身見ればいいんだ、持ち主の名前がわかるって…あ、名前ちゃんと刺繍されてるじゃん鞄の端っこに…
…え~ッと…M.T.?
「七宮 つかさだから…N.T.?」
刺繍間違えたのかな?でも、まぁ一応中身も見とこ!
…え~ッと…七宮 つかさやっぱりそうだったね
七宮さんの鞄だ!でも、何で玄関横の花壇なんかに落ちてるんだろ?
ゴトッ
ん?なんか落ち……これって…
ブ~ッ、ブ~ッ
「えっ!?何々何々!?こ、これ?ス、スマホ?ど、ど、ど、どうしよう!」
私スマホなんか持ってないし使った事もないよ~
えっと、えっと、なんかボタン押してればついたような!
カチッ…
「あっ!ついたついた!え~ッと?」
救援要請:七宮 つかさ
「は?何言ってんの…?それはどこなの!?」
ダメだぁ!教えてくれない!
『港で謎の爆発…』
「はっ…港…この間の港…急がなきゃ!」
…
「はぁ…2度目の…要請して…どれだけ経った…?はぁ…傷の癒えも…だんだん遅くなってきた…
ちょっと無茶だったか…砲撃タイプに近接で挑むのは…」
(遅いとはいえ少しずつ回復してきた…あいつの弾幕を避けることができれば何とか倒すことはできそうだけど…あまり空中戦は得意じゃないのよね…何か囮があれば…)
「はっ!まずッ!」
キュウゥゥゥゥ、
(狙いがこっちに!)
ドッォオン!
(あ、足が…まだ治癒してない…………避けられない)
バッン!
ゴォォォォォオッ
…
「………はぁ……はぁ…はぁ、助…かった…」
(突然開いた穴に入らなきゃ死んでた…誰が…この穴を…?)
「…七宮さん」
「えっ…あなた…」
「救援しに来ました!美作 ちとせです!」
「こ、この穴はあなたがやったの…」
「えっ…あ、まぁ~そうです、実はあの弾を撃ち落とそうと思ったんですけど失敗しちゃって…まぁ、結果オーライですね!」
「はぁ~…あなたあの砲撃を撃ち落とせると思ってんの」
「いや…まぁ~思ってるけど…無理なの…?」
な、何で助けたはずなのに怒られてるんだろ…
「知らないわよ、…でも、まぁ助けてもらったから一応ありがとうね…」
「えっ…いや!こちらこそ!」
やった!感謝された!よしッ!
「何喜んでんの…まだ敵は倒せてないのよ?」
「そ、そうだった…で、今回の敵はどんなの?」
「砲撃タイプ」
「砲撃タイプって何?」
「はぁぁぁ…あれを見て、あんなの!動きは遅いけど遠距離から攻撃できるやつ!」
「へぇ~」
巨人なのに頭が砲台みたいになってる…
「まさにって感じだね…で、どうするの?」
「あなたが囮になって私が殺る」
「オッケー!って私囮ってどうすればいいの!?」
「ダンスでも踊ってなさい、そうすればあなたに狙いが向くはず」
「オッケー!って私踊れないよ!?」
「だったらつったってちょっかい出してなさい」
「あっ…それでいいんだ…」
ちょっかいって撃ってるだけでいいってことだよね?それじゃあ!
バッン!ガチャ、バッン!ガチャ、バッン!ガチャ
おぉ~頭がこっち向いた!これで囮作戦成功だね!
「いやぁ~うまくいくもんだね!後は七宮さんが倒してくれれば終わりだね!」
キュウゥゥゥゥ、
「ん?なんだ?なんか…溜めてるような…」
ドッォオン!
「あっ…まずい!まずい!まずい!まずいって!」
…
「こいつ撃ちやがった…早く仕留めないとあの子も危ない…」
(無理矢理弱点をこじ開けてあげ…)
バッン!
「えっ…」
砲台頭にスナイパーの弾丸が命中する。
ゴゴゴゴ、バシャァッン!
(あの子頭撃ち抜いた…?いや…何でもいい)
「ハァァア!」
ザンッザンッザンッ
ブシュッン…
…
フゥ…スタッ…
「七宮さんやったね!」
「えぇ…まぁね…あなた体大丈夫なの砲撃されてたけど」
「あぁ、うん!大丈夫だよ!あの砲撃撃ったら消えちゃったんだよねぇ…」
「そのスナイパー?」
「うん!そう、これで1発ね!」
(あのヘッドショットはまぐれってことね)
「本当結果オーライって感じね…」
「でしょ!」
「で、あなたはどこからそのスマホとカードケースを持ってきたの」
「あ…いや…これはぁ…」
「あと、どうやって変身の仕方を知ったの」
「あっ!そうそう変身!これフリフリしてて可愛いけどちょっと動きづらいよね?」
「その格好は動きづらくとも飛躍的に身体能力を上げてるんだから。で、話は戻ってどこで手に入れたの」
「ひ、ひ、拾ったんだよ!」
「どこで…まさか私の家の玄関前なんて言わないわよね…」
「そ、そ、そんなわけないじゃん!」
「…だったらいいけど」
ふぅ~、やかったぁ~…助かった~…
「…そういえば七宮さん、七宮さんの鞄のイニシャル間違ってるよ?M.T.になってたよ?これじゃあ私じゃん!」
「は?何言ってんの?あんた馬鹿じゃないの?
てか、そもそも何で私の鞄のイニシャルがM.T.って知ってんの?」
「あっ…」
「やっぱりあんた私の鞄あさって持ってきたのね…警察でも呼ぼうかしら?不法侵入と窃盗ってところで?」
「本当ごめんなさい!悪気があったわけじゃないんです!だから許してください!」
「…」
「お願いします!」
「…はぁ…いいわよ助けてもらったから許す」
「本当!」
「でも、1つだけもしもMとNを間違ってたとしても間違いだから!あれは欧米式だからT.N.だから!」
「あっ…はい…」
「美作 ちとせもM.T.じゃないからT.M.だから」
「あっ!私の名前!」
「えっ…」
「初めて呼んでくれた!くぅぅぅぅッよっし!」
「はぁ…それを狙っての間違いだったらあなたは天才よ…」