変わりゆく運命
ちとせ
「いゃ~やっぱり掃除は2人でやると早く終わるね!」
つかさ
「さっさと帰るわよ」
「はぁ~い!」
中学生になって初めて友達と一緒に帰る!
夢だったんだよね!
「何よそんなに嬉しそうに」
「いや、特に何でも」
あるんだなぁ~!これが!
…
「それであんたの家はこっちでいいの?」
「うん!でも、七宮さん家ここからだと遠回りじゃないの?」
「私はよるところがあるから」
「そうなんだ!どこ行くの?」
「どこでもいいでしょ」
「…うん」
ここまでずっとこんな感じだなぁ…
話を切り出してもすぐに終わっちゃうし
話しかけてくれたのだって今の家の話はだけだし
そろそろ家ついちゃうし…
…
よしっ!何か話題を!
「あの七宮さん!」
「何」
「私の家ここ」
「…」
「あぁそう、それじゃあね」
「あぁあ、ちょっと待って!」
「少しよってかない?」
「はぁ…さっき私よるところがあるって言ったよねぇ?」
「まぁ…そうだけど…」
「もう、日も沈みかけてるし暗くなると困るの」
「だから私は帰る、あなたも制服洗ったりで暇じゃないでしょ?」
「そうだね…」
「それじゃあ…また明日…」
(何?いきなり暗くなって…)
「ありがとね…心配してくれて…」
「それと先に謝っておくよ…臭くてごめんね…」
「…」
「ちょっと待ちなさい!」
「…?」
「あなた親は」
「?」
「いないよ…」
「ずっと帰ってこないの…お母さん…」
「わかったわ」
「それがどうしたの…?」
「あなた私の家に来なさい」
「いや…でもそれは迷惑…」
「私の両親は出掛けてて家にはいないわ」
「どうする?」
「でも…七宮さんに迷惑が…」
「隣で異臭放たれたり、家に招かれたりするよりかはマシよ」
「酷すぎるよ~!」
「元気出たようね」
「うん…お言葉に甘えさせてもらうよ」
「それじゃあ準備してきなさい」
「はぁ~い!」
…
「準備完了しました!」
「それじゃあ行くわよ」
「そういえばどこに行くの?」
「スーパー、夜ご飯の買い出しよ」
「へぇ~!自炊するんだ!」
「家には誰もいないし、お弁当とかだと栄養が偏るから」
そこまで考えてるなんて関心だな!
私なんか食べられれば何でもって感じだからなぁ
「…」
「何か…ある…」
「えっ?何?」
「何か食べたいものあるッ?」
「あぁ!何がいいかなぁ?」
「んぅ…」
「…」
「ないなら私が決めちゃうわよ」
「うん!任せる!七宮さんの得意なやつで!」
「任せてるようで任せてないじゃない…」
…
「それじゃあ作るから待ってて」
「私も手伝うよ!」
「いいえけっこう」
「あなたは先にお風呂でも入ってなさい」
「いいよ」
「何言ってんの?それじゃあ…」
「お風呂は七宮さんと一緒に入るから!」
「もっと何言ってんの!?」
「お泊まりの醍醐味でしょ?」
「だからって合って二日目よ!?無神経過ぎるんじゃないの!?」
「そうかなぁ?」
「そうよ!そういうところが嫌われてんのよ!」
「そう…だったんだ…ごめん…調子乗っちゃって…」
「お風呂行ってくる…お風呂場は…どこ…?」
「階段上がって右」
「はぁ…まだお風呂沸いてないからご飯の後にしなさい」
…
「さぁ、できたわよ私の得意料理オムライス」
「…ありがと」
「はぁ…わかったわよ!一緒にお風呂に入ればいいんでしょ!?」
「…本当にいいの?」
「えぇ!」
「やったぁ~!」
(この子が嫌われてる理由がわかった気がする…)
「それじゃあ食べましょ」
「うん!いただきます!」
パクッ!
「どお?おいしい?」
「うん!おいしいよ!」
「それわよかった…」
…
「ちょっ!痛い痛い!」
「これぐらいやらないと将来あなたはげるわよ」
いや!もうすでにはげそうなんだけど!
「でも、3回はやりすぎじゃないかな…?」
「臭いが落ちるまで!」
「あなたどれだけお風呂に入ってなかったの!?」
「全然落ちないんだけど」
「ごめん、よく覚えて…痛ててて!」
「これぐらいでいいでしょ」
「後は毎日お風呂に入って落とすしかない」
「毎日なんて入れないよぉ!」
…
「ふぅ…やっと一段落ついた…」
「そうだね…」
お湯がちょっとぬるい気がするけどね…
「…」
「あのさ、七宮さん…」
「何?狭いんだから余り動かないで」
「いや…2人が足伸ばせる広さを狭いとは言わないよ…」
「で、なんなの」
「ごめんね…私のわがままに付き合ってもらっちゃって…」
「こういうところが私嫌われてるの…」
(気づいてたんだ…)
「…そうかもね」
「いや…絶対そう!」
「…」
「…」
ピンポーン
「?」
「こんな時間に誰?ごめん先上がる」
「うん…大丈夫…私もう少し入ってるから」
…
(んぅ…宅配とかはありえないだろうし…まったく検討つかない…)
ピンポーン
「はぁ~い」
ガチャッ
「えっ?」
(誰もいない…)
トンッ
(何…足に何か当たった…段ボール?なんか頼んだ覚えないんだけど…ハンコも押さないで…)
(一応確認しておこ…)
「!?」
「これって!?このケースって…あの子…」