パーティを開こう
「それじゃあ!パーティ始めよう!みんな料理はできたね?」
つかさの負担を考え1人1品つくることになり、それぞれが得意なものをつくった。
「一応はみんなそろったかな?」
「よぉ~し!七宮さんお願い!」
つかさはちとせにいきなり振られて、戸惑う。
「えっ、何を」
「決まってるじゃない!乾杯の音頭だよ!七宮さん主催だしね!」
「いや、主催した思い出はないんだけど」
その後ちとせとつかさのやりとりで一向に進む事がなかったため、凛が名乗りを上げた。
「私がやりますよ!1度やってみたかったんです、パーティとかの音頭を取るのを!」
凄く楽しそうな笑みを、周りに振りまき、コップを掲げる。
「それでは!カンパーイ!」
『カンパーイッ!』
それぞれが机の上に並べられた料理を、どれから食べるか一通り見渡すが…
「なぁ、誰がどれつくったの?」
「私のはこれだよ!卵かけご飯!」
「あぁ…わかってる…ちとせぐらいしかつくらないと思った…で、他は?」
2人は自分がつくった皿の前に立つ。
「私のつくったのはこれです!シチューゥゥ!」
「あの…凛ちゃん…?ビーフシチューとかあるけどこれ…カレーじゃない…?」
「やっぱりそうですよね!どこで間違えちゃったのかなぁ?」
「ほんとだよ!どこで間違えれば白から茶色に、シチューからカレーになるんだよ!」
凛は料理が得意ではないこと、つくろうと思ったものとは別のものができてしまうのを、夏音は思い出した。
「で、つかさは…」
「私はオムライスよ」
「オムライスって…こんなんだったけ…?これ…チャーハンじゃないの…?」
「いや、オムライスよ」
「どこの世界にケチャップライスにスクランブルエッグを入れたものをオムライスと呼ぶんだよ!たしかに卵を崩せばこうなるけど、出てきたときからこうなってるんだもん!チャーハンじゃん!ケチャップチャーハンじゃん!」
つかさは文句を言う夏音にキレる。
「だったら食べなきゃいいでしょ!?文句言うくらいならあなたがつくりなさいよ!テーブルの上にあるのは3品、あなたつくってないじゃない!」
「私のは最後なの!それぐらい気づきなさいよ!」
いがみ合う2人。
「あわわわわ!ど、どうしたらいいの!?」
「ほっとくが1番ですよ?ケンカするほど仲が良いと、言いますし今日の2人をみてお互いに強い絆を結んだように見えました!」
「…そうですね!」
その後夏音がオムライスをつくり、つかさが敗北した。
「てかさぁ…今更なんだけど…全部ご飯物じゃね…」
「たしかに…あっ!私も今更なんですけど、このパーティはなぜ行われてるんですか?」
「テスト終了祝いです!」
「まぁ!みんなパーティをするほどに成績が良かったんですね!それはおめでたいことです!」
「あ…いや…そう言うわけじゃ…」
「はい?」
「私達はともかくこの子は学年最下位よ。範囲間違えてね」
いきなり部屋の空気が変わる。
「ほぉ…ちとせちゃん…?そんな成績でパーティなんて浮かれてていいのかしら…?」
「あ、あの!今回は一生懸命頑張ったんですけとけ、結果が実らなかっただけで!な、七宮さん何とか言って!」
「何とか」
「面白くないから!私の頑張りを凛さんに伝えるの!」
必死なちとせ、無情のつかさ。
「この子は私のテストをまねたのだから最下位になったの」
「言い方!それじゃあ私がカンニングしたみたいに聞き取れるじゃん!凛さんテストの勉強方法ですからね!」
「どちらにしろちとせちゃんは最下位という結果を残してる…それはカンニングしたと同じよ…だから罰を与える…」
「罰はもう、七宮さんから!」
「ちとせちゃん…デザートのケーキなし」
ちとせの口は開いたまま閉じることはなかった。
「そんなにケーキが食べたかったの?」
「ケーキって単語自体数年前ぶりに聞いたらしいよ?」
ちとせはつかさに連れられて部屋へいった。そしてつかさがリビングに戻ってくる。
「やっと3人で話せるわね」
「えっ?何のこと?」
「今後について、今日現れた双子型通常型よりも強かった…それが何を意味してるかわかる?」
「…今後もっと強いやつが出てくるって事?」
「たぶん…私も今回は苦戦させられちゃったし間違いはないと思う」
「で、私達に何をしろと?私やなっちゃんの力では、今日のがやっとだと…」
「ちとせに送られてきた手紙にこういうのがあったの」
つかさは机に1枚の紙を置く。
「巫女状態でもう一度マナカードを使うことにより、武器装備が強化されるって…だから今後の事も考えてあなたたち2人に伝えておきたかったの…」
「なるほど…わかった、次からピンチもしくは、強敵と判断した場合装備等の強化をすればいいんだな」
「頼むわ…」