変わらぬ日常
私の名前は美作 ちとせ
今日から高鳴中の2年生!
今新しいクラスとか新しい友達、新しい先生
なんかで胸を膨らませてるの!
胸っていっても現実の胸はそんな大きくないけどね!
って私何言ってんだろ…
まぁ、それでもこれからの生活は
1年生の頃とは違う生活が待ってる!
はずがなかった…
「あれ…」
教室に入った私を待ち受けていたのは…
「私の席ここだよね…?」
…
「席が…ない…」
イジメだった…
私はやっぱりこうなるんだ…
私は中学1年生の頃イジメられてた
いや…もっと前小学生の頃から…
何が気に入らなかったんだろう…?
私はいつもそう考えている。
ガラガラガラガラ
教師
「おい、みんな席に座れこれから始業式の話をするからな」
ガヤガヤ!ガヤガヤ、ガヤガヤ…
「…よし、みんな座った…ん?」
「おいお前、早く座れ」
「あ、あの…席が…ありません…」
「席がないわけねぇだろ」
「昨日ちゃんと数えたはず…」
たしかに昨日はちゃんと人数分の席があったのは
私でもわかる…
「あっ…たしかに足りない…」
「えっと…」
先生何か探してる…いつものかな…
「三山」
「三山は私です」
でた…自己紹介前に私もしくは前後の人の名前晒し
毎年の恒例…
「すまん、えっと…」
「美作」
「どうして席がない?」
「私に聞かれても…」
前島
「先生~!その子地べたに座らせてとっとと話進めよ?」
「今探しても無意味だからさ?」
「放課後にでも探させればいいじゃん!」
「そうは言ってもなぁ…地べたに座らせるのは…」
そうでしょうね、体罰に関わってくるだろうから
「あっ!ちょうどいい隣の席の奴今日休みだから そこ使え」
「えっ…あ、はい…」
「それじゃあ始業式の話するぞ」
…
始業式、担任教師発表、自己紹介が終わって昼休み。
担任教師
「お前ら昼メシ持ってきたよな?」
「今日は給食出ないからな」
男子生徒A
「え~!先に言えよ!」
「俺の昼メシどうしてくれるんだよ!」
男子生徒B
「そんなこと言って実は持ってきてるんだろ?」
「くっ!バレたか」
クラスメート達
「ハッハッッッ」
よかった、念のためにサンドイッチ入れといて…
私のお昼…
「あれ…」
ない…ちゃんと入れたはずなのにカバンの中が 空っぽ…
もしかして…
女子生徒A
「何あの子…?」
「ごみ箱あさってるんだけど…」
女子生徒B
「あの子って今朝席がなかった子じゃない…?」
女子生徒A
「もしかしてイジメ…?」
女子生徒C
「なるべく関わらないようにしよ…」
「私達も目付られるかもしれないし…」
女子生徒AB
「うん…そうだね…」
あった…私のサンドイッチ…
見たところ袋は破れてないから食べられる…
…この教室じゃ無理だけど
ガラガラ…
前島
「きったねぇ~!」
「あいつゴミ箱からパン拾ってるぜ!」
「それ食う気かよ!?」
一言目で私に言ってるんだとわかった。
だけど何も言い返せずその場を去った。
ここなら誰にもバレずに食べれる…
便所メシ…ここまでさせられるなんて…
ガチャ…
誰か入ってきた…何で?
ここは教室とは逆の北館トイレなのに…
「ち・と・せちゃん!ここに居るんでしょ!?」
「!?」
前島さん!?
「あれ?返事がないな…?」
取り巻き
「別の場所なんじゃない?」
「そうだね」
「次は三階探してみよ」
ガチャン…
「はぁ…」
よかった…行ってくれたみたい…
これでお昼が…
バシャァッ
「行くわけねぇだろ!」
「個室が1つ閉まってるんだからさぁ!」
「ハッハッハッハッハッハッッッ!」
「安心してメシ食おうとするなんてバカだな!」
持っていたサンドイッチは手から崩れ落ちる。
「どうして…」
「どうして?どうしてこんなことをするかって?」
「それはもちろん決まってんだろ!」
「楽しいからだよ!」
「逆にあんたは何でそんな質問する!?」
「そ…それは…酷いこと…だから」
「酷い!?私はあんたの事思って水をぶっかけたんだよ」
「風呂に入ってないからさ!」
「それに貧乏なんだろ!?」
「だから栄養が偏ってると思って捨ててやったんだよ!」
取り巻き
「玲子やっさし~!」
「だろ?」
「それじゃあ帰るなり何なりすきにしな!」
「ハッハッハッハッッッ!」
ガチャン!
…お風呂については本当だけど
グルルゥゥゥ~
栄養に関しては春休み中ろくに取れてない…
栄養失調…人に見せられるようなお腹周りじゃない
…
結局びしょ濡れのまま授業を受け放課後。
やっと1日が終わる…いや…
1年が始まる…か…
「はぁ~…」
ブ~ゥン
「あっ…!」
ちょうどバスが来た…こういう所でしか運が働かない…
ここが1番落ち着ける空間…
グルルゥゥゥ~
安心するとお腹が空くし…
栄養が足りてないためか…眠く…なる…
スゥ…スゥ……
「…さん、…ぉ…さん、お客さん!」
「…あっ!はい!」
「お客さんいいの?降りなくて?」
「ウチはそんなに遠いの?」
「えっ…そういうわけじゃ…」
「…ここどこですか?」
「港前のバス停だよ」
「港前!?」
「降ります!降ります!」
…
「それじゃあ気を付けるんだよ?」
「女の子の一人歩きは危険だからね?」
「は…はい…わかってます…」
「まぁ、少しすれば戻りのバスが来るからそれ乗りな」
「ありがとうございます…」
プシュ~、ブ~ゥン
バスが行ってしまった…
私の全財産を乗せて…
「これじゃあ帰れない~~!」