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赤い髪のリリス  作者: LLX
3/53

3、赤い髪の美少年

 ガツガツ、次々に男共は四つ五つとハンバーガーを胃に収めてゆく。

凄い食欲、まるでカバみたい。

アイが深い溜息をついてストローをくわえた。

チューチュー、これだけは安心して飲める。

ただただ苦いだけのウーロン茶。


「ウーちゃん、あたしの友達はお前だけよ。」


「あれ?やっぱそれも飲み過ぎれば太るンと違う?きっとブクブク浮腫むんだぜ。

ぶよぶよーってさ!」


「ホーッホッホ!これは中国四千年がちゃんと痩せるって保証してんのよ。いいの!」


吉井はまことに一言多い。

などと、四人が和気あいあい?と盛り上がっている頃、その姿を見つけて優しく微笑み、やや足早に近づいてくる姿があった。

河原が、ン?と気が付いて、思わずじっと観察。


何だ、ありゃあ・・


周りの男女、老いも若きも思わず目を取られている。

みんなあんぐりと口を開け、ただただ見とれて時間を忘れてしまっていた。

何故かというとその人物は、映画から抜け出てきたような美少年だったのだ。


年はアイ達と同じ頃?

中学にしては小柄だが、大人びた雰囲気は小学生ではおかしい。

白い肌は彫りが深く、まるで芸術のように端正な顔だ。

ウエーブのかかった燃えるような赤い髪を肩まで伸ばし、それが金ボタンが並ぶ純白のロングコートに血のように映える。

コートは前のボタンをウエストまで留めて、その合わせがヒラリと別れ、中には白い短パンからすらりと伸びた白い足がちらちらと見えて、やけに色っぽい。


「見ろよ、あれってビジュアル系パンクのボーカルあたり?」


「え?なに?なに?きゃあーっ!美少年じゃん!スマホ出しなさいよ!スマホ!」


「ねえよ、学校禁止じゃん、誰も持ってねえよ。」


「きゃーん!ステキじゃん!

あれって王子様系?あんな人が彼氏だったら、あたしもう好きなだけ貢いじゃう!」


「何貢ぐ?親に食わせて貰ってるクセによ。」


「どうせ貢ぐなら俺に貢いでよ。」


何だか男二人は面白くない。


「あれこそほんとの美少年って奴?

こっち来るよアイ、ねえ声かけてみようか?」


「ね、見て!目が赤とグレー!色違いだよ!コンタクトかな?カッコイイーッ!

もしかして外人じゃん!

河原!あんた英語の点数いいでしょ!

こっち来ませんかってなんて言うの?!」


「えっ!俺わかんねえよ!

げ、マジこっち来るぞ!誰か知り合い?」


「知らないわよっ!でもお知り合いになりたーいっ!」


「ほんと!あんないい男とお近づきになりたーい!って、ねえ!マジこっち来る!あ、あ、」


ニヤニヤでもなく、にこにこでもない、上品な微笑みを浮かべて、その少年が優雅な足取りで四人の前に来ると立ち止まった。

あれ程おしゃべりの四人も、いざ面と向かうと口をあんぐり言葉を忘れてしまう。


え、英語だっ!英語!

何か英語の挨拶くらい・・何だったっけ?!


頭が真っ白、何も思い浮かばずアイ達はその場に凍り付いてしまった。


「失礼いたします、お嬢様方。」


一礼をして、美少年がアイに話しかけてくる。


「ハ、ハロー!グッモーニン!あははは!」


「バカ!アイってば日本語だよ!

こんにちは、アイの知り合いですか?」


ヨーコは少し冷静。


「知り合い・・かな?

実はお願いがございまして・・・あ!」


びくんと美少年が振り返る。


「申し訳ございません!こちらへ!」


「ええ?!」


ガッとアイの手を握るや、グイグイ引いて出口へとかけ出した。

携帯電話になっていたので、スマホに変えました・・

良かった、ポケベルじゃ無かった・・


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