暁人の日常
この作品を手にとってくださりありがとうございます!
素人作品ですがどうぞ!
起きる、
学校に行く、
帰る、
ゲームする、
ラノベを読んだら寝る。そんな生活。
「…はぁ……」
俺 宮間暁斗は学校の帰り道をとぼとぼ歩きながらため息をつく。
高校に入学して半年。もう秋だ。
青春のせの字もない高校生活。
人見知りのせいで友達は少ないわ女子とは喋れないわ…
中学2年でハマったアニメ、ゲーム、ラノベにweb小説。そのせいで底辺高校にしか行けず、正直将来が暗い。
さらにアニメとかの魅力に気づくのが遅くてぶっちゃけ、にわかだ。よく話についていけなくなる。
さらにさらに親は大学はどこ行くんだーやら、公立にしろーだの、…底辺高校で公立入れたら伝説だわ!と叫んでやりたい。
トドメに彼女いない歴=年齢。友達によると顔面偏差値38と通ってる高校並みの低さだ。ちなみに痩せてない。デブじゃないと信じたい、ぽっちゃり一歩手前だ。
ということで下校中はいっつも気分さげぽよってわけだ。刺激が0のいつもの日常。
…でも今日は刺激ましましだった。なぜかって?俺が待ってる菓子パンをこれ以上ないほどの熱量で見つめてくる少女が俺の視線の先にいるからだ。それも結構かわいいんじゃないか?綺麗なロングの黒髪だ。前髪は綺麗に揃えられていて、こっちを(主に菓子パンをだが)見つめて歩道の隅に座っている。
気づいてないふりをしてたけど、流石にこれ以上見つめられるのは勘弁だ。
初対面と言っても年下だ。よし!頑張れ俺!とりあえず泣き出されたら勘弁だ。ゆっくり近づいて……
「あのーどうかしました?」
「あ…う……」
少女はビクッと体を震えさせる。
優しく言ったつもりだったけど…驚かせちゃったかな?
「あ、ご、ごめんなさい…えっと…驚かせるつもりはなかったんだけど……これ欲しいの?」
と言い、菓子パンを少女の前に持ってくる。すると少女は目を輝かせてコクコクと頷くので、
「じゃあはい、食べていいよ。」
怖がらせないように笑みを浮かべて菓子パンを開けて渡してあげた。………あれ?俺やばい人?
だが少女はそんな俺を気にもせず、なかなかのスピードでもきゅもきゅと食べだした。でもこうしてみると可愛い…
………っは!俺はロリコンじゃないぞ!危なかった…そっち側に引き込まれるとこだった…
と、俺が1人で葛藤してる間に少女はパンを食べ終わったようで、こちらを見ていた。
「美味かったか?」
と言うと少女はにっこりと笑みを浮かべた。
「よかったな、流石にもうあんなに食べ物見てちゃダメだぞ、変な人が来たら大変だからな。」
そう言うと少女は頷き、頭を下げてトコトコ走って行ってしまった。
不思議な子だったなあと思いながら俺も帰途についた。
家に帰り、いつも通りご飯食べて風呂に入って、ゲームしてweb小説読んで、遅くなったから寝た。
ありふれた日常の1ページ、そこに少しの色をくれた、不思議な少女を思い出しながら…
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ある暗い空間。この部屋はリビングのようだが、棚には生々しい眼球が詰め込まれた瓶や、頭蓋骨などが綺麗に並べられていた。
そしてこの不気味な部屋には、仁王立ちする大人の女性と、床に正座している少女がいた。
「もう!勝手に地上に降りちゃダメって言ってるでしょ!」
「ご、ごめんなさい…」
2人の声が響く。
「動けなくなったところを人間に見つかったら何をされるか……人間はとても危険なのに……」
「?私人間と話したよ?」
首を傾げながら少女は言う。
対して母親と思わしき人物は目を見開き…
「それは本当なの!?大丈夫だった?変なことされてない!?」
と声を荒げて少女の両肩を揺さぶる。少女は一瞬驚いたが、
「う、うん…でも優しかったよ!動けなくなっちゃった私に持ってたパンをくれたんだよ!」
「まあ…本当に……でも本当に何もされなかったの?大丈夫だった?」
まだ心配そうな目で母親は問う。
「うん!」
「はあ…その人にはいつかお礼をしなければならないわね…でも人間は基本的に欲望を身体に宿した悪魔よ!もう地上に降りちゃダメ!わかった!?」
「はぁい……」
少女はうなだれる。
その様子を見た母親は、しゃがんで少女と目線を合わせ、、
「でも貴方が無事でよかったわ!愛しのリヘル…」
そして少女を抱きしめた。少女は地上へ降りた反動か、疲労や寂しさ、動けなくなってしまった時の恐怖心などが一気に込み上げてきて、
「ごめんね…ママ!」
と言って涙を流し始めた。母親は困ったような笑みを浮かべ、優しく頭を撫で続けていた。
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