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神仏非習合  作者: 富士見永人
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 結論から言うと、多々里村(たたりむら)は全住人が必死に戦った甲斐もあって、滅亡の危機を免れた。

 弥咲(みさき)の放った〈信仰玉〉が、建設途中であったダムを根こそぎ破壊してしまったのだ。

 ダム建設業者や警官隊たちは、怪我人こそ出たものの、法子(のりこ)が全法力を使って〈信仰玉〉の軌道を逸らして直撃を避けたため、死者は出なかった。法力の尽きた法子は即座に白旗を上げ降伏し、警官や業者は即座に逃げ出し、激戦を制したのは弥咲および多々里村の住民たちであった。

 スマートフォンやインターネットが普及した現代において、この一連の騒動をもみ消すことは完全に不可能であり、警官や業者が撮影した動画がSNSや動画サイトにアップされ、多々里村ダム戦争として世間の注目を集めた。炎の翼を生やして空を舞う弥咲と〈凶火神(マガツホノカミ)〉の能力はよくできたCGとされ、ダムを破壊した弥咲の〈信仰玉〉は、隕石衝突説や多々里村死守同盟によるテロ説、そして祟り神の祟り説などさまざまな憶測を呼んだが、決定的な証拠はなく、多々里村にまつわる伝説として、しばらく世間の人々の話題を独占した。そこで八重葉(やえば)ダム計画の問題点が次々と指摘され、世論の非難を浴びてダム計画は中止に追いこまれ、多々里村は九死に一生を得ることとなったのだ。

 また、動画サイトにアップされた動画は有志によって翻訳され、全世界に公開されて海外からの観光客が殺到し、村は予期せぬ繁栄を謳歌(おうか)するようになった。


 数年後、多々里村は伝説の不死鳥(フェニックス)が棲まう村として、世界遺産に登録された。

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