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プロローグ:ある日の廊下にてありきたりな雑談を


 「次の授業はなにがいるんだっけ?」

「魔法陣作成だから羊皮紙と、鉱石ペンじゃない?…あれ、教科書どこいったー?」

「マジか、俺鉱石ペン用意してねえ」

「普通のペンでも星屑インクがあればなんとかなるって先生が言ってましたよ。あとリジー、この授業に教科書はありません。ワグナー先生の口頭説明のみなので死ぬ気でメモとらないと試験が絶望的です」

「あ、僕ちょうど星屑インクあるよ。鉱石ペンも新調したばっかりだしこれあげるよ、ウィル」

「お、たすかるぜコノハ!今度飯でもおごるわ」

「コノハ、君は甘すぎます。忘れ物をしたなら正直に申告するか頑張って自分で用意するべきです」

「ラニは真面目ねえ。そんなこといってるといつか自分が忘れ物したときに頼れなくなるわよ?」

ワイワイと語りながら歩くローブを纏った4人の少年少女たち。彼らはみな、魔法使いの卵である。

「にしても、本当に校舎広いよなあ。教室移動するのに徒歩10分以上とかやってらんねえぜ」

そういってため息を吐くのは鋭い三白眼が特徴的な少年、名前をウィルという。

「それでも今日は近い方なんだからいいじゃない。前なんか急に教室変更になって、みんな全力ダッシュだったんだから!」

涼しげな青い髪を高く結い上げている少女、リジーはつい二日目のその出来事を思い出しては苦虫を噛んだように眉間にしわを寄せる。

「リジー、そんなことをいいますが教室変更の件はお知らせ文鳥が前日に寮まで来ていたはずですよ。聞いていなかったんですか?」

小さな顔に不釣り合いな大きさの眼鏡をかけた少女がいぶかしげにリジーに目をやった。眼鏡の少女、ラニの言葉にうっ、と言葉につまるリジー。

「ふふ、リジー、また飛行競技部に喧嘩売りに行ったんでしょ?」

そう微笑むのは男なのか女なのかよく分からない見た目と、これまたどちらともつかないハスキーな声が特徴的なコノハである。

「け、喧嘩じゃないわよ!ただちょっと練習に混ぜてもらったら思いのほか熱くなっちゃって、気付いたら門限ギリギリだったのよ…」

「授業終わってから門限ギリギリまで飛行競技やってりゃ、そりゃお知らせ文鳥にも気づかねえわな!わはは!」

「ウィル!笑ってんじゃないわよ!!!」

「リジーの体力には驚かされます。飛行競技ってかなりマナの消費が激しいと聞きますよ…」

「僕も一回やってみたけど、あれを門限ギリギリまでは流石に厳しいかな」

「人を体力お化けみたいに言わないで!」

リジーは顔を真っ赤にしてプルプルと怒りに体を震わせていた。彼女が癇癪をおこすととてもめんどくさいということを知っている彼らは慌てて彼女のフォローに入る。

「僕はすごいと思うよ!だってマナがたくさんあることは魔法使いにとっていいことじゃない!」

「そうです、飛行競技は誰でもできるスポーツではありません。私はリジーを尊敬しています」

「そうだぜ?1年なのに4年生といい勝負するなんて才能と努力がなきゃ絶対無理なんだから自信持てよ!」

怒りに震えていた彼女は徐々に落ち着きを取り戻し、疑わしげな視線を友人たちに向ける。

「…それ、本当に心から思ってるの?」

コクコクコク。

「じゃあ、許してあげる。……ウィル以外」

「うぉい、なんでだよ」

「イグドラシルAランチ奢ってくれるなら許す」

「お前、あれだけで俺の昼飯何日分になると思ってんだ?!」

「…このあいだ、実技授業でマンドレイクの解体失敗したの誰だっけ?」

「おまえ痛いところを…っ」

蚊帳の外の二人が思い出したように言う。

「そういえば二人は同じチームだったね!」

「すでに掘り起こしたマンドレイクが再び泣き叫ぶとかありえなさすぎてあのチームだけ補習が入ったんですっけ?」

「…イグドラシルBランチで」

「だめ、Aランチ」

「ぐぬぬぬぬ」

2人がにらみ合いを始めた。余談だがAランチとBランチは値段が倍くらい違う。それはBランチが安いとかではなくAランチが高いのだということをここで述べておく。

 その時、外から厳かな鐘の音が響いてきた。

ゴ―ン、ゴ―ン、ゴ―ン…

その音にみるみる青ざめていく4人。

「「「「授業に遅れる!!!」」」」

鐘三つはいわゆる予鈴で、次にもう一度なると授業が始まる。そして運の悪いことに次の授業担当のワグナー教諭は、大の遅刻嫌いで有名だった。

「い、急ごう!あの先生一秒でも遅刻したら欠席になっちゃう!!」

「試験前にそれはよろしくありません…っ!」

「とにかく走るわよ!ほら早く早く!」

「俺次遅刻したら単位がヤベー!!!」

ばたばたと慌てて走り去っていく彼ら。そんな彼らが学生として青春を謳歌する大魔導学校イグドラシル。多くの魔法使いとその卵たちが住む大きな孤島。あらゆる国から干渉されず、ひたすらに魔術の研鑽にのみ目的を置いたの場所にて、彼らは悩み、迷い、成長していく。



これは、そんな彼らの日常を描くお話だ。

主人公の影が薄いですがゆるっとふわっと書いていきたく思います。

とくに深く考えずに書いていくので矛盾とかたぶんいっぱい出てくる。

とりあえず頑張ります!

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