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月曜日、早速佐藤は、辰子山での出来事を武勇伝の如くクラスで話し始める。大げさに話す彼の隣で、そんな大それた話ではないと、修正を入れてやるのが僕の役目になった。


一通り盛り上がった後、始業のチャイムが鳴り、それぞれが自分の席に着き始めた頃に、佐藤が僕に話しかけてきた。


「でさ、俺、この土日でちょっと調べたんだ。」


「え、何を?」


「水神様について。」


この前のちょっとした肝試しで、僕らの知的好奇心は十分に満たされたものだと思っていたが、佐藤にとってはまだ始まりに過ぎないものだったらしい。


「情報源はネットだけど、水神様が動いたのを見た、という話は何件かあった。」


「ふうん、それで?」


「そしてなんと、その数件の目撃情報は、どれも雨の日の夜だったらしい。」


「その目撃者達は、わざわざ雨の日の夜にあそこまで行ったの?」


「そういうことだ。」


「信憑性に欠けるなぁ。」


「という訳で、次回は雨の日だな。」


軽く僕の肩を叩いて、彼は自分の席に戻って行く。


探せば他にもその類のスポットはありそうだが、佐藤は辰子山にこだわった。一体何が彼をそこまで突き動かしているのか、不思議であった。


先程の佐藤の話を聞いて、特に目を輝かせていたのは、彼のファンであろう数名の女子達。もし次回の探索があるとすれば、彼女達も付いてくるかもしれない。その可能性を思いついた時、些か面倒な気分になった。



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