好奇心
好奇心...子供は好奇心に溢れている。
アレをしたい、これをしたい...色々なことに興味を持つのは大変良いことだろう。
でもね...でもね?
お兄さんの顎を執拗に殴ってくるのはいけないと思うんだ。
なぁ甥っ子よ...お兄さんの痛がる顔ってそんなに面白いかい?
君は背が小さいから必然的にアッパーになるんだよ?
そんなに連続でやられたらお兄さん喋れないよ?このままK.O.されちゃうよ?
甥っ子の純粋無垢な笑顔には何度も癒されて来た。
しかし今、この子の笑顔はまるで悪魔のそれである。
目の周りが黒くなり、口角があり得ないほどつり上がっている。
そして額には「666」の文字...
あれ、もしかしてコイツ悪魔の子じゃね?
もしかして俺、本物の悪魔にアッパー食らってたんじゃね?
しばらく甥っ子は俺の顎を殴り続けていたが、しばらくすると疲れたのか眠り始めた。
ようやく開放された俺は、とりあえず塩を撒いてみた。
...効果は無し、まぁそうだろう。
そこで俺は、教会生まれの友人Kに連絡を取った。
「なぁ、K...」
「うわぁぁぁぁぁああああ!!!!」
Kが電話越しに発狂し始めた。
「ど、どうしたK!?」
「ツー...ツー...」
すでに電話は切れていた。
もしかしてKに何かあったのかもしれない。
俺は警察に連絡をした。
だが、既に遅かった...
俺はもっと冷静に周りを見ればよかった。
甥っ子から目を離さなければ良かった。
甥っ子の周りには炎が円を描いて燃え盛っている。
そして外からは悲鳴が。
何かの羽ばたく音が我が家に近づいてきた。
ガシャーン!
屋根を突き破り姿を現したのは人間に良く似ている『異形の化け物』達。
神話などで聞いたことはあるが、実際に見たことは無いし信じてもいなかった。
だが一目で分かる。
こいつらは『悪魔』だ。
自分の第六感が異常なまでに警戒している。
『悪魔』達が甥っ子を取り囲んだところで俺は腰を抜かしてしまった。
このまま死ぬのだろうか...そう考えた瞬間、
「破ぁぁぁぁ!!」
誰かの声が部屋中に響き渡った。
その声の主は紛れもない、教会生まれのKである。
彼が十字架を掲げ叫んだ瞬間、悪魔達はスゥ...と消えて行き辺りは静かになった。
「君の甥っ子は悪魔に乗り移られていた。だが安心してくれ、もう退魔の術を施したから安全だ」
Kは爽やかな笑顔で甥っ子を抱き抱えながら十字架を見せた。
...やっぱり教会生まれってすごい。
(完)