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塩昆布トルネード  作者: コッペパン爆弾
5/6

最弱は無敵の証

『K.O.!!』


複数のゲーム筐体が並ぶ薄暗い建物に突如として響き渡る終了の合図。

...ここはゲーセンの格ゲーコーナーである。

近所から集まって来た格ゲーの猛者たちが今日も己の技術を磨くため、初心者を無惨に狩り尽くすため、ただ刺激を求めるため、日夜争いをしている。

クレーンゲームコーナーとは違い、独特の近寄りがたい雰囲気を醸し出す空間に、一人の男が訪れた。

「だれか、俺と勝負してくれ!」

男がそう叫んだ瞬間、数人の強面の男性たちがこちらを見た。

「おいテメェ...ここは初心者の遊び場じゃあねぇんだよ?」

大柄な男が彼を威嚇した。

「まずは、あんたが最初か...?」

_____________________________

「よし、対戦を始めようぜ!?」

ここのゲームセンターに初めて来た彼が相手にしているのは、店舗ランキング三位、「重撃の猟犬-ヘビィ☆ハウンド」かれの露骨な掴みハメからの必殺技コンボには逃れる隙がない。ぶっちゃけそれ以外に戦闘方法を持たない素人でもある。

ハウンドは対戦をするために小銭をいれた。

『round1!ファイッ!』

.........『K.O.!!』

ハウンドには何が起きたのか全く分からなかった。

気づけば試合が終了しているのだ。

「何だったんだ...今の...」

ハウンドは戦意を喪失しその場に崩れ落ちた。

「...お前もダメか...」

男は冷酷な目でハウンドを見下ろす。

「次は俺がいこう...!」

そう名乗り出たのは店舗ランキング一位「逆襲の電気ストーブ」

彼はいくつかの格ゲーの大会で優勝した記録を持つ。

「...一位か...相手にならんだろうな...」

男は悲しげに呟いた。

ストーブは無慈悲にも筐体に連続で小銭を投入した!

チャリリリリーン♪

まるで音楽のように流れる連投コインの音はストーブの心を落ち着かせる。

(ハウンドとの戦闘...良く見てなかった...)

ストーブは内心焦りながらも心のモチベーションを上げて行く。

対戦のカウントダウンがはじまる。

『3...2...1...』

その場にいる全員が固唾を飲んで見守った。

『round1!ファイッ!!』

.........『K.O.!!』

彼は一瞬何が起きたのか分からなかった。

彼はストーブを倒したのではない...倒されていたのだ。

一瞬のうちに勝負がきまる。

決まった時には負けているのだ...彼が。

ストーブには今の状況が飲み込めない、弱すぎる。

しかも並大抵の弱さなんかじゃない...まるで『無敵』。

戦おうにもレベルが違いすぎる。なにこれ?

ストーブもまた、その場に崩れ落ちた。

ここまで勝負にならなかったのははじめだ。

ストーブのプライドはズタボロである。

「やっぱりダメだな...俺は、俺より弱いやつに会いに行く...お前らは強すぎる...」

彼はそう残し薄暗いゲームセンターを後にした。


「「...なんでアイツはわざわざ強い奴と戦ったんだ...」」

もう戦う気力のないストーブとハウンドの言葉が室内にこだました...


(完)

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