世界の中心
世界の中心とはどこか...なんて疑問を遠い昔に持った事がある。
そもそも世界とはなんなのか?地球のことか?人間社会のことか?
対象が何かで答えが変わってしまう。
...まぁ、ぶっちゃけそんなことはどうでもいいんですがね。
俺はなんとなく、あくまでなんとなく思い付いたことをやる人間だ。
だから世界の中心...いや、地球の中心を見に行こうと思う。
俺がなんとなく庭の土を掘り返してから、かなりの時間がたっただろうか?
周りは土だらけで上を見上げても何も見えない。
恐らく日が暮れたのだろう。
おでこに装着されてる懐中電灯はうっすらと俺の手元を照らす。
...この懐中電灯、単1電池を6本も使用する大型の為、頭に付けてると重い。めちゃくちゃ重い。
一体何m掘り進んだのか、周りが見えない分なにも分からない。
しかし穴の中にいるのは不思議と心地よいものだ。
この閉塞感など癖になる。
しばらく掘ると、急に感触が変わった。
土の質が変わったのだろうk...!?
ガラガラガラ!ガッシャーン!...パラパラ...
...びっくりした。
何かと思ったら急に足下の土が無くなっただけか。
とりあえず周りを見渡すと懐中電灯でうっすらと人影の様な物が見える。
なんかヤバイかもしれない。
見た感じ地球人、いや地上人には見えない。
まさか、地底人か?
「∧↑∽≫⊆∠⌒≒∩↑♯∪∽!!!」
地底人が何か叫んだ。
ぞろぞろと物凄い数の地底人が出てきた。
...やばい。
「ゐ¶Β∬♯∬ヮ¶ゑ?」
「≦≠*○′£*♀@≠*≠℃%%○」
「ゐ∬Κ∬♭ΗΑヴΙÅΚヶΒヴ♭≡ヮ!!」
地底人が何かを話し合っているらしい。
生け贄にでもされちゃうのかしら?
しばらくすると、地底人の群れをかき分け杖をついたしわくちゃな地底人が現れた。
「〇|〇|?」
何をいっているのかよく分からないので適当に頷いた。
すると老地底人は懐から金色に輝く紐状の何かを俺にわたした。
「〇|〇|!!」
突然叫びだした老地底人に他の地底人が湧いた。
金色の紐状の何かを渡された俺はその後、地底人のエレベーターへ案内され地上に帰還できた。
そして先ほどもらった紐状の何かをじっくり観察してみた。
...!!
これは、糸こ...!?
(完)