第十一回 初めての授業
出会い頭にちょっとかっこいいけどムカつく男子にぶつかり、そしてぶつかったのは全部私のせいになった教室の戸orz
始めが肝心とは言うけど、こうなったらもう「終わり良ければ全て良し」の方向で行こっとっ、うんっ。
私は素早く頭を切り替えると、席に着いた。
…入った時から気付いていたけど、この教室はあの“ぶつかってきた男子”+律佳ちゃん以外は普通の人たちみたいだ。良かったよ〜…。
しかし喜ぶのは誠早すぎた。
「よろしくね〜、美奈子ちゃん♪」
律佳ちゃんが私の席の隣でした。
これは最早、お決まりなんですか?orz
けどまあ終わり良ければ全て良しなんだ、大丈夫だよ、私。
チャイムが間もなく鳴り、先生が入ってき…えぇ〜〜!!?
私は内心絶叫した。だって!その戸から入ってきたのは…!
「おはようみんな。これからホームルームを始めるぞ」
幼稚園の女の子じゃないッスかー!!?;
身長は目測一mくらい。長い髪を右と左で結って、それがほうきに見えないこともない。とと、とにかくあれは“ただの女の子”ですよ!!;
カラカラ。がたんっ。
「んしょ」
ほらぁ!教卓に頭も届かないから椅子の上に登ったじゃん!!;
「みんなもう気付いていると思うんじゃが、今日新しいコが、このクラスの一員となった」
…って身長のわりにしゃべり方はおばさん臭いし!;
と、先生は私をビシッと指した。
「そこの金髪。お前じゃよ。立ちなさい」
う、うえっ!?しゃ、しゃーねえ!やったらあ!(滝汗)
「は、はいぃ!;」
私はガチガチな動きで席を立った。
一応体は動くみたい^^;
「自己紹介頼む」
「え、はい。い、泉源 美奈子です!えと、みんなと早く仲良くなって、この学校に馴染みたいですっ;よ、よろしくお願いしまっすっ(汗汗)」
必要以上に力んで言ってしまったが、みんなからの暖かい拍手が。
「よしよし。真面目そうなヤツじゃの。けど何か…気が小さそうなヤツじゃな」
あんたにゃ言われたくないわっ(汗)
「わしの名前は伯仁。断っておくが日本人じゃぞ」
先生、にわかには納得出来ませんっ;!
「んでは早速HRを始めるぞ〜。どっこいしょ」
健気に椅子からおりて、プリントを配り始める伯仁先生。…今更気付いたけど、何でみんな冷静なんだろう;こんなちっちゃな女の子が先生なのに…
いや、先生のこと、勿論まだ納得したわけじゃないよ!?ただ空気に飲まれたというか、酒は飲んでも飲まれるなって言うか…。いや、まだ私二十歳なってないからムリだ…orz
「おーおー。最近は不埒なもんが蔓延るようになったもんじゃなー。女子高生誘拐殺人とかなー…」
プリントの紙面には、そのようなことが記述されている。うーん。嫌な世の中になったもんです。
「ま、昔に比べりゃこんなもん大したことないんじゃがの〜」
て先生、なんてこと言うんですかっ!;
「でーも、何で私みたいな可愛い女の子が狙われないんだろ?」
と、律佳ちゃんが頬杖をしながら言った。
「いや、自分で言わないでおこうよ律佳ちゃん;」
さすがにそれには私も突っ込まずにはいられなかった;その次に、前の方の席の耕輔君が、
「そうだぞ律佳。大体自分で言うな」
と正論を。
「じゃあ律佳ちゃん、かわいいって言って♪」
「え;」
「ほらほら〜♪私の気分がいい内に〜w」
ひやああっ;こ、怖いよ律佳ちゃんっ;
「か、可愛いよ?うん」
「うんうんっwだよねぇ^^」
それらを見ていた先生、ジト目で律佳ちゃんを見遣りながら、
「てゆーか、お主を狙った相手が死ぬわ」
瞬間、教室にどっと笑いが起こった。
「ちげーねー!」「私も思ったー!」「無理あるもんね〜!」
その何十人もの生徒達の笑い声の中、律佳ちゃんを見ると、彼女は、うつむき、何やら拳を握って、ゴゴゴゴと震えている…。
…わ、わー。先生なんてことおー;律佳ちゃんを怒らせるなんてー;
「先生…先生と言えど、言っていいことと悪いことがあるよ〜…?」
ゆらりとガニ股で立ち上がる律佳ちゃん。や、やべーよぉ。マジで怒ってるよぉ;
何やら先生も先生で拳を掌で握り締め、
「くく。やれるのかぁ?律佳。この世界の米粒と言われたわしを!」
…スゴイようなスゴくないような;
そこへ耕輔君が立ち上がって、叫んだ!
「よ、止せ律佳!」
「止めるな!耕輔!」
と、先生に一瞬で駆ける律佳!先生はと言うと、既に上着を脱ぎ捨て、戦闘態勢に入り、
「来い!オトナの女の戦い方を見せてやるわ!」
と吠えた!
いや、先生!醜いの意味が違いますっ!;
…え!?ここで一旦切るの?!
つ、続くーーーっ!;