4.オーブ授与・水魔法
「閲覧ありがとうございます。麻美アルです。
皆様の『アクセス』という貴重なデータが、僕がこの世界で生き抜くための大きなエネルギーになっています。 ……あ、女神様。あんまり後ろから抱きつかないでください、文字が書けません……!」
皆様の応援という名の魔力が集まれば、アルくんの美貌はさらに磨きがかかるはず。
七つのオーブの中でも、一際美しく澄んだ、深い青色に輝く2番目の球体。
虚無の空間に漂う二番目のオーブ。
それは深海の静寂と、晴れ渡った空の青を溶かし込んだような、一際澄んだ輝きを放っていました。 女神アステラは、そのオーブを長い指先で弄びながら、アルの背後に音もなく回り込みました。
アルの首筋に鼻先が触れそうなほど顔を近づけ、甘いバニラの香りを漂わせながら囁きました。
「さて、アル君。理系なあなたにこそ、この魔法の『本当の面白さ』が分かるはずよ。二番目のギフトは、『水魔法』
……でも、ただバケツをひっくり返したように水を出すだけの、退屈な魔法だと思わないでね?」
アルはその青い光を見つめ、少し首を傾げました。
「水魔法……。異世界モノだと基本の属性ですよね。火魔法の方が攻撃力が高そうだけど、資源競争が激しい世界なら、飲み水の確保には困らなそうです」
「ふふ、それだけじゃないわ。この魔法の真髄はね、『水の三態変化を、魔力によって自在に、かつ一瞬で制御できること』にあるのよ」
「……三態変化を、自在に?」
アルの脳裏に、理科の教科書で見た分子構造の図が浮かび上がります。
「そう! あなたの意思一つで、水分を『気体(水蒸気)』『液体(水)』『固体(氷)』へと、瞬時に変化させることができるわ。
これがどれほど恐ろしいか、科学を愛するあなたならピンとくるでしょう?」
女神アステラは、空中になびく銀髪を指でくるりと巻きました。
「うふふ、その通りよ。例えば、この『気体』の状態。どう使うか考えてみて?」
女神アステラはアルの細い肩に腕を回し、耳元で熱い吐息を漏らしました。アルは耳を真っ赤にしながらも、必死に思考を繋ぎます。
「……防御なら、空気中の水分を急激に気化させて『濃霧』を作る。光の乱反射を利用すれば、視覚的な遮断ができるはずだ」
「正解! じゃあ、攻撃は?」
「……狭い空間で一瞬にして水を沸騰させて、高圧の『過熱水蒸気』に変える。水蒸気爆発……火魔法以上の破壊力を持つ熱エネルギーの解放だ」
(そこはウォーターボールじゃないの……。なぜに加熱水蒸気。化学式?)
「あら、怖いわね。でも、そんな冷徹に『爆発』を計算するアルくん、最高にクールで……ゾクゾクしちゃうわ」
女神アステラはうっとりと目を細め、アルの銀髪を指でくるくると巻き取りました。
「次は『液体』。これはあなたの得意分野じゃないかしら?」
女神アステラはアルの胸元に指先を這わせ、心臓の鼓動を確かめるように押し当てました。アルの鼓動が跳ねるのを感じ、彼女の唇に愉悦の笑みが浮かびます。
「液体……。圧力を一点に集中させれば、鉄さえ断つ『ウォータージェット(水刃)』になる。
水圧を維持したまま超極細で射出できれば、どんな鎧も紙同然だ」
「うふふ、その鋭い刃で、私を……なんて、冗談よ。でも、生活にも役立つのよ?」
「……お風呂、ですね。比熱を計算して、分子振動を魔力で維持すれば、常に一定の『至高の適温』を保てる。それに、飲料水も……」
(なぜに、斜め上を行く解答になるの。その分子振動??)
女神アステラは、アルの真っ白な胸元に青いオーブをそっと押し当てました。
アルは空中に水球を作り出すと、【万能鑑定】で不純物を分子レベルで除去。
(女神様、さっそくいただいたオーブの能力使ってみたよ)
「ミネラル分を黄金比で配合した、『至高の天然水』です。僕が作れば、市販のどんな高級水よりも甘く、喉越しがいいはずです」
「まぁ! アルくんが作ったお水なら、私、神殿の聖水より大切に飲むわ。……あ、お風呂入る時、私の背中、流してくれるかしら?一緒に入って!!」
「そ、それは……! 転移してから考えますっ!」
(鼻血が……!止まらない……)
「最後は『固体』。冷たい氷の力ね」
アステラはアルを正面から抱きしめるようにして、その瞳をじっと見つめました。
豊かなバストの感触がアルに押し付けられ、彼の思考回路がショートしそうになります。
「……固体、氷か。一番単純なのは、敵の足元を凍らせて『極薄の氷層』を作ること。摩擦係数を限りなくゼロに近づければ、どんな強敵もスリップして無力化できる」
(かき氷もいいかも。あ。シロップって異世界にあるのかな?)
「あら、滑って転んだ敵を、上から踏み潰すのかしら? サディスティックなアルくんも素敵だわ……」
「……違いますよ。あとは、対象物を一瞬で凍結させての『完全拘束』。それに、『冷凍保存』もできる。冷凍保存して旅の間のバーベキューにもできる」
アステラはアルの頬を両手で包み込み、蕩けるような笑顔を向けました。
「うふふ、完璧よ。……でもね、アルくん。私のこの熱い想いだけは、どんなに凍らせても止めることはできないわ。……さあ、二番目のオーブをその体に馴染ませて?」
◇◇◇◇◇◇◇
【女神アステラの「こっそり」日記】
アルくんへのギフト授与(水魔法編)
お風呂の説明をした時の、あの困ったような、でもちょっとだけ想像してしまったような「むっつり顔」!
理系男子の妄想力、侮れないわね。
「至高の天然水」を作った時の彼のドヤ顔も最高だったわ。
私が「背中を流して」って言った瞬間、心拍数が一気に跳ね上がったのも全部お見通しよ。 あんなに純粋で、かつ最強の力を使いこなす美少年……。
次はどんな魔法を授けようかしら。
「最後まで読んでくれてありがとう! 今日のアルくんの活躍、どうだった? 彼ったら、私の熱い視線にたじたじになって、もうHPが削れるほど可愛かったわ……!
皆様からの感想も大募集中です!
アルくんの『照れ顔ステータス』を更新するために、ぜひ熱いコメントをアルくんにちょうだい!」
皆様、応援よろしくお願いします!




