2/3
身の毛もよだつ女性1
コツン。コツン……。
ヒールの音がこだまする。
彼女はある部屋にむかっていた。
廊下はすすむにつれて、どんどん肌寒くなっていく。
それでも毛皮のコートを着た彼女は、歩く速度を緩めない。
寒さを全く感じていないようだ。
10分ほど歩いただろうか?
ようやく彼女は目的の部屋の前につくことができた。
どっしりとした木の扉がそこにはあった。
しかし古びた木の扉は彼女が手をかざすだけで消えてしまった。
暗い暗い部屋に光がさしこむ。
そこには、小麦色の肌をした150cmほどの背丈の
男の子が倒れていた。
光に照らされた顔は、やんちゃっぽいが、どこか賢さがあった。
「この子ね?かわいらしいわ……。」
彼女はらくらくその子を持ち上げた。
目にかかる黒髪はとてもきれいだった。
彼女はその子の顔を優しく撫でて、また元に戻した。
この子、いえ彼が……
これからの運命を担うんだからね。
彼女は心の中でつぶやき、その子の顔をもう一度みてから
部屋を後にした。




