ロジからの依頼
………………ねぇ、大丈夫?………………
…………死んでないよね?……………………
……………寝てるだけみたいだよマナがあるもん………
ラオの周りを解き放たれた精霊達が囲む
ラオ「んっ、ここは。」
暫くして目を覚ましたラオは周りを飛び回る精霊をはっきりと見て安堵する
ラオ「どうやら助かったみたいだな、お前らだろ俺を呼んだのは」
…………ありがとう人の子さん!…
………助かったわ、普通の人には私達の声は届かないから……………
……あなた愛し子なのね!…………
…………精霊樹も助けてくれてありがとう………
次々、話す精霊に苦笑いを浮かべながらゆっくりと息をつく
ラオ「それで、どうしてこんな事になってたんだ?それに俺はどのくらい寝てた?」
………寝てたのは4時間くらいよ!………
…………私達はこの精霊樹を守る精霊なんだけどね、………
と精霊達は何が起きたのかをラオに説明しだした
ラオ「なるほどな3日前に黒いローブに赤い仮面をつけた男とイサル族の大きな奴が現れてイサル族の目が赤黒く染まったら黒く禍々しい剣を精霊樹突き刺し精霊ごと封印した訳か」
……………そうなの、それで私達は閉じ込められて必死に声の届く人を探してたのよ………
ラオは暫く精霊達と話しこれはギルドに報告すべきと思い都市にゆっくり戻って行った
………………………翌朝………………………
ラオはニアに用事がありギルドに行く事を伝え足速に向かった
ラオ「マリアさん、おはようございます、ロジさんは居ますか?ちょっと報告があらります」
マリア「ラオ君おはよう、マスター?それなら執務室に居るわよ今案内するわね。」
マリアはラオの真剣な表情に何かを察したのかすぐに案内する
ロジ「おはようございますーあらー?どーしたのー?朝早いねぇー」
執務室に入るとロジはまだ眠いのかコーヒーを啜りながら書類を眺めていた
ラオ「…ロジさん、森の異変について話があってきました。」
ラオがそう告げると一瞬真剣な表情となりすぐに穏やかに微笑む
ロジ「……おやおや、それは大変だなぁ、話を聞かせてくれるかい?…サイレント…」
ロジはソファーにラオを促し座らせるとコーヒーを出してやり部屋に遮音の魔法をかけた
ラオ「どこから話したらいいか、実は俺精霊と話が出来るんです、それで森の精霊の助けを呼ぶ声が聴こえて行ってみたら精霊樹が瘴気で封印されてました。」
ラオが事の経緯を説明し、消え残っていたあの剣の破片と持ち手の所を出して見せたそれにはまだ禍々しく瘴気が纏わり付いていて今にも吹き出しそうな所をラオの力で押し込めている状態だった
ロジ「あらあら、これはこれは、ちょっと私は触れないやつだねーここ最近の魔物の凶暴化と蛮族の動きに関係がありそうだねぇー」
ラオの話をすんなり信じたロジはまじまじと瘴気の塊を見つめ話す
ラオ「一応1つは残しますがもう1つは……っ、…」
ラオはロジが、信じた事に安堵し自分の隠した力を見せる為その場で、浄化して見せた
ロジ「なるほどーこれは白魔道士の力かな?でも君はガンブレーカーだったよね?」
ラオ「この力は光の加護の力です、俺は蛮神のテンパードにもならない強い加護で護られてます。」
ロジ「伝承にあったねーラオ君は光の使徒だったかぁ、、」
ロジは納得したようにそして悲しげな表情になる
ラオ「そんな顔しないでください、俺は運命をちゃんと受け入れて立ち向かいます、そして先代の加護持ちと同じような最後だとしても俺は必ずこの星を救いますから。」
ロジ「こんな歳も行かない若い子にアイテリン様は何と無慈悲な、、、私は全面的にラオ君を応援しますよぉー」
己の最後までも見据え決意した少年にロジは何も言う事は出来ないとわかったのか応援する意志を見せこれからどう対策していくかを数時間話し合った
ロジ「これから動きやすい様に君たちPTには急いでランクを上げて貰う必要が出てきてしまったね。」
ラオ「元からランク上げは早くしたいと思ってるので大丈夫です。」
ロジ「ありがとうございますねー、それじゃあ君たちには昨日の評価もあるから私からの指名依頼を数件受けてもらいましょう。その間に私は他の精霊樹の状態を速やかに確認しますよー。」
ラオ「助かります。よろしくお願いします。」
2人の相談は終わりロジは魔法を解除するとお互いのやるべき事に向けて動き出した