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【第90話】ナオリム王

「ふぅ~。こんなものかな?」


クルミの前には人さらいが大勢倒れていた。村人は、唖然としていた。


「大丈夫っていったでしょ?。」

クルミは可愛らしく言ったのだが、怯えられてしまったのだった。


「ご無礼を・・・・」

レネットの母親ハールは謝ってきた。


「気にしなくていいよ。それよりこの人たちどうする?」


村人達は話し合っているようで、その頃にはフリードやメリット、久遠も戻ってきた。


「やっぱり大丈夫だったでしょ?。」

「あぁ。」


メリットと久遠も気づいてたようだった。


「それでこの後はいかがしましょうか?親衛隊を、呼び寄せますか?」

フリードが声をかけてきた。


フリードは、この後の流れも予想できているようだ。


「そうだね。お願いしようかな。」


村人達がやってきて、自分達では判断できないので都市まで人さらい達を連れて行ってほしいとのことだった。


それから予想通り、周辺の村も助けてほしいからとの要望や噂を聞いて忙しく働くことになったのだった。




それからしばらくして、親衛隊も合流。周辺の村々を護衛、魔物の討伐など取り組んだ。


人さらいは数回で諦めたようだった。

そして、ギルドの依頼もこなしていった。


そんなこんなで忙しくしていたある日、ナオルグ国の王から王都への招待の使者がやってきたのだった。


「ナオルグ王ってどんな人なの?。」


「あまり、高齢で表に出ることも少なくなり寝たきりのことが多いそうですけどね。ナオリム王という方です。亀の亜人とだけしかわかりません。」


フリードの答えにクルミは思うところがあった。正しくは竜と亀の亜人ではないかと。前世で出会って共にナオルグを立ち上げた。1人の青年を思い浮かべていた。


「すぐにでも会いに行こう。」


「わかりました・・・・」


「メリット留守をお願い。ルティーもよろしくね。」


「にゃ~」ルティーがメリットの膝の上に跳び乗る。メリットはなでながらうなづいた。


「フリードとローマン着いてきて。」


親衛隊と一緒に、ローマンもこっちにきていたのだった。カリディアでは特にすることも無くなっていったとのことだった。


そして3人で王都へと向かった。

道中は、快適に過ごせた。馬車も高級な物を用意してあり食事、ホテルも気を遣ってくれているのを感じた。


そして王都へと到着したのだが城に入るのも国賓扱いで城の中には招き入れられたのだった。


「この様な対応、クルミ様は王と関係があるのでしょうか?」

ローマンが我慢できずに聞いてきた。

フリードも興味津々だった。


「王様に会ったらわかるかもね。」


そろそろこの2人にでもと考えていた。


ちなみにジークには、前世のことを話している。気にしないとのことで嬉しかった。


「今のクルミさんしか知らないので、前世のことを言われてもよくわかりません。」


「ありがとう。」


「それに今の姿をでは想像もつかなくて・・・」

顔がお互い赤くなった。いい雰囲気だったのだが、フリードの邪魔によりそれ以上は進まなかった。その後当分期限が悪くなったのは覚えている。


城で迎えてくれたのはこの国の宰相だった。人間と変わらない姿だったが老人だった。


「クルミ様。わざわざ出向いてくださり誠に申し訳ございません。王が少し体調を崩しており、回復するのが遅れてしまいご挨拶も遅れてしまいました。」


話を聞くと、Sランクに推薦をしてすぐに会いたかったとのことだったが、それから体調を崩してしまい、意識がなかったとのこと。もうすでに寿命を大幅にこえており、生きているのが奇跡だったそうだ。


「王は、もう目も見えず余命幾ばくもない状況です。」


王の部屋に入った。ローマン、フリードはためらっていたが、クルミが一緒行くのを頼んだのだった。


宰相のみついてきた。


「ナオリム王。クルミ様をお連れいたしました。」


ベットに横たわる王へと近づくクルミ。


「ナオリム、また会えたね。」

年老いた王へクルミは優しく声をかけた。


王は、見えない目を開けて涙した。


「クルミ様。この感覚は本当にクルミ様ですね。もう思い残すことはありません。」


宰相の手を借りて起き上がろうとする。


「無理しないでいいよ。」


「いえ。失礼にあたります。」

体を起こすのが精一杯だった。


クルミはベットに座り込む。本来なら失礼にあたる行為だけれど、ここには止める者もいない。


ナオリム王をクルミは、優しく抱きしめてその頭を膝にのせた。


「子供の頃を思い出します。あの時はたくましい腕でしたね。」


「そうだね。」

ナオルグがまだ建国する前、孤児の亜人や人間の子供、床でみんなで寝ることが多かった。大きな身体のクルミに引っ付いて子供たちはねていた。


「今のナオルグが再び危機にひんしております。どうかクルミ様の手で、助けてください。」


手を握り嘆願する。ナオリム王。


「この国を貴方様にお返しいたします。」


宰相が横で跪く。


「悪いようにはしないから安心して。」


そう言われるとナオリム王はまた眠りについた。


その頭を撫でるクルミ。

フリードとローマンは唖然としていた。

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