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【第68話】紅蓮の炎の

クルミは、池の中で祈りを捧げていた。無事を祈るという意味もあるが、精霊力をあげていたのだった。


当然、メリットが見張りをしている。

敵という親衛隊から姿を見せないために。

青い薄いワンピースのような服1枚しか着ていないからだ。前回もクルミが祈りをしていた時と同じ衣装だ。


カーグシン竜王は、魔力を回復してクルミのお願いにより富士の国へと飛んでいった。ここでの守りの強化の為にもクルミは力を溜める必要があったのだった。


メリットはうっとりしながらクルミの姿を見ていた。

「幻想的・・・」

このような時に不謹慎だと思いつつも仕方ないくらいに綺麗だった。


しばらくして、クルミに変化が現れる。水面に炎が上がったのだった。


メリットはクルミのもとに走った。

「クルミさん大丈夫?!」


「大丈夫だよ。落ち着いて。」


クルミは草薙を抜いた。

「行ってくれるの? ありがとう。お願いね。」


クルミは草薙を空に掲げた。

草薙は静かに空に消えていった。


「どういうこと??」

「草薙が助けに行ってくれるみたい。私も誰のとこに行ったのかはわからないけど・・・」

「草薙って剣ですよね?」

メリットは混乱していた。


クルミには思い当たる候補が2人いた。

アリスはでも水だよね。そしたら・・・



草薙が選んだのは久遠だった。


久遠は、剣を振るう。風圧と炎が混ざり敵を吹き飛ばす。


「今は力を貸してもらうぞ。」

増援の追撃部隊も加わり、3000人近くになっていた。その中にはジャイブ大臣もいた。


「敵にあのような者がいるとは聞いてないぞ。トルゴラムの兵達はどこに行った?」

「1度体制を立て直すとのことで、撤退しました。」

「何を! まぁ敵は1人だ。300人もあればよかろうて、残りは知世を追え!」


指示に従い、兵達が行動を始めた。


「横に広がったか、突破するには都合がいいな。」


久遠は1点突破を目指す。アリス達も気にはなるがそれよりまずは鈴多、文度

のことが心配だった。文度は傷もひどい、支援部隊員からイサカリ商店の薬をもらったのでこれを届けなくてはいけない。


突破するにも敵は多数だが、次々に倒していく。大技は体力、魔力を消費するので剣の力をだけで切り抜けて行った。


背中の陽向を守りながら、相手の攻撃を受けずに交わしていく、以前戦った時のクルミの動きを真似るように。


疾風勁草流を動きを習得するまでに至ったのだった。スキルではなく自分の力で、本当の天才だった。


「このままでは、突破されます!」


「どういうことだ、しんがりではないのか。さらに人をまわせ!」


久遠も疲労は極限まできていた。

その時弓矢が顔すれすれをかすめた。


覆面が飛ばされる。


「あいつは!!久遠か!!」

ジャイブ大臣は久遠に気づいた。


そして久遠も大臣に気づいたのだった。


「大臣か世話になったな。」

冷たくつぶやいた久遠。


草薙に力を込める。

【紅蓮連弩】数千の炎の矢がジャイブ大臣に降り注ぐ。


ジャイブ大臣は、息もできぬ暑さの中で絶命したのだった。


指揮官が倒された、混乱で無事にこの場を切り抜ける事ができたのだった。


さらにアリス達への追跡も停止することにもつながるのであった。



久遠は息も絶え絶えで、ボロボロの状態だったが、背中には傷も一つなかった。


そして鈴多のもとに戻った。

「久遠!!」

「戻ってきた。文度は?」


「何とか生きてるよ、何で戻った?」


「よっ!! 陽向がこれを塗るの!」

鈴多にハイタッチをする。


文度にイサカリ商店の傷薬を陽向が塗っていく。文度の顔色もよくなり危機を脱した。


「にいにとバァにも塗るの!!」

陽向は走り出す。後を追う鈴多と久遠。


陽向は一生懸命薬を塗っている。

しかし動くことはなかった。


まだ人の死を理解できない陽向だが、

どうにか出来ないか必死だったのだった。鈴多も泣き出していた。


久遠はその姿を見てるだけしか出来なかった。


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