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【第62話】父と子

まだ、避難民の攻撃が開始される前。


「アリス知世様は、与一将軍の屋敷に今日は泊まり警護をします!」

喜介がドレドラスにそう告げた。


「アリスは、支援部隊の兵舎で警護しながら預かるに決まっている!」

ドレドラスが反論するが、これには他の支援部隊員が驚いている。


「体調、兵舎と言っても宿を間借りしてるだけですので、こちらの屋敷の方がいいかと思いますよ。」


「お前ら裏切ったな!」


「ドレドラスも一緒に泊まろうよ。」

アリスが提案して何とか、与一将軍の屋敷に留まることに決まった。


明日は、式典も含めた話し合いが行われる。何かあるならこの日だと考えていた。


ドレドラス達はテントを作り始めた。


食事も終わり、警戒しながらも普段通りに過ごしていた。



与太郎は、その日いつも通りに夜、剣の修行をしていた。


ふっ! はっ!!

剣を振り回す。


「また一人で修行?」

アリスが声をかけてきた。その横には屋敷に戻ってきた与一将軍も一緒だった。


「あぁ アリス・・・様はどうしてここに?」

与一将軍の目が呼び捨てをするなと言っているようだった。


「アリスでいいよ!」

アリスが指摘する。


「いけません知世様。普段からしっかりしないと練習になりません!」


与一将軍がたしなめる。


「うぅ~ 少し体を動かしたくなってきた!!相手お願いしていい?」


落ちてた木剣を拾う。


「あぁ。いいぜ!」


対峙する2人。与一将軍もこれは止める気はないようだ。


はぁーー! 打ち合う2人。

お互い、魔力気の使い方には慣れてきていたが勝者は与太郎だった。


「少しは強くなったな。まだ経験の差でおれが勝てたな。」


「くぅー」

悔しがるアリス。その様子を見ていた与一将軍がアリスに近づき、木剣を奪う。アリスはその動きに気づかなかった。


「久しぶりに相手してやろう!」


「剣の腕でも党首と認めさせてやるぜ!」


アリスのように打ち合うが、力の威力が別物だった。


魔力気を扱えない与一将軍だったが、

与太郎を圧倒していた。


【疾風勁草流 神速二連】

見様見真似のクルミの技を繰り出す。

まだ二連撃しかできない。


それを耐える与一将軍。しかし木剣は耐えれなかった。


「中々強くなったな与太郎。」

「木剣のやつに言われてもな。」


与太郎は初めて父親に一撃を加えることが出来たのだった。


「少し冷やしてきます。与太郎、警護を頼む。」


与一将軍は、冷やしに行った。


「父親に勝った感想はどう?」

アリスが聞いてくる。


「あんなのは勝ったことにもならねぇ。真剣だったら耐えていただろうな。」


「そうだね。」

アリスは、どこか上の空だった。


「まだ、立場を受け止められないか

?」


「うん。」


「お前の母親に借りがある。一人前になるまで守ってやるよ。」

与太郎は、アリスに話しかけた。


「ありがとう。なんかドレドラスみたいだったよ。」


「褒めてるのかわからんな。」


また10代前半。いろいろと分からないことも多く、助けてあげないといけないなと与太郎は思った。




その頃、イサカリ商店の富士の国支店では非常事態になっていた。


クルミについて行った親衛隊の中に妖精交信ができるものを同行させていた。


「避難民の街が襲われた?どの国だ?」

ローマンがフリードに聞いてきた。


「トルゴラムだそうだ。クルミ様達が急ぎ向かっているとのことで連絡は終わっている。」


「あちらもそれどころではないだろうがな。」


妖精交信は、魔力は妖精が補助してくれるのだが維持には集中が必要となる。移動しながらだとローマンやフリードでも難しいときがある。


クルミはそれどころではなく焦って一人で先攻していったとのこと。


「これジャイブ大臣と繋がりがあるだろうな。」


「ないわけがないな」

ローマンも同意した。


「問題は式典をどうするかだな。アリスの体調不良で延期ってのが理想的だろうな。」

フリードは、ローマンの提案に思案する。その場合はどう攻めてくるかそれが心配だった。


とりあえず、2人は屋敷に向かうことにした。

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