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【第51話】クルミ対久遠

与太郎は、鈴多を喜介にまかせて、ローマンと今後について、話し合いを行った。


「こんな時はフリードの方が役に立つのになぁ」

とローマンは、ぼやいた。


「まぁ、その妖精で交信できるならそれで大丈夫だ。」

与太郎は、なぜか少し余裕が出てきた。相手には久遠という富士の国の至宝とまで呼ばれる怪物がついているがこちらにもクルミがいる。自分にはそこの見えないクルミの方が驚異だと思っていた。


『話は、聞いたわ。その久遠はわたしが対峙するとして、与一将軍の仲間の位置も分かったから大丈夫だよ。』

クルミが交信してきた。


『戦力を分散させるのはあまり良くないですが、人質がいれば仕方ないことですかね。』

フリードも人質救出に手を貸してくれるらしい。与太郎はホッとした。


『しかし、その後の見返りはお願いしますね。』


『分かってるよ。』

このフリードは、油断できないやつだなと与太郎は思った。


『それでは、まず救出チームはわたしと親衛隊で受け持つわね。』


『なら、交渉は与太郎達でお願いね。ドレドラスもそっちにでしょうから、竜神王国の支援部隊も力を貸してくれると思うよ。』


ドレドラスは、アリスの警護に今もついている。


『こっちは、既に動き始めているから何かあったら連絡してね。』


交信が終了した。与太郎は、クルミの明るい声に救われた気持ちだった。何か普段通り気負いもないクルミなら何とかしてくれると思った。心からクルミを怒らせないようにしようと誓ったのだった。


クルミ達は、交信を終えてすぐに監禁されている場所へと向かった。まずは、与太郎の母親を助けに向かうことにした。


与太郎の母親は、名前はレイミスと言うらしい。富士の国ではない国の出身で、茶色の髪、浅黒い肌をしているとのこと。


国の犯罪者の収容所に入れられているとのこと。これも考えていれてるのなら賢いやり方だとクルミは思った。与一将軍の仲間だけを隔離すると全員助ければいいので楽なのだけれど、犯罪者収容所だと他にも犯罪者がいることになる。この区別が大変だったのだ。


しかも魔法妨害の装置も当然設置されている。


「大変だね。」

「そうですね。これでは誰を救助するのか区別が難しい。」


フリードも同じ考えだったようだ。


とりあえず、魔法は使えないが精霊はどうなのか試すことにした。


妖精は、フリードの妖精フィーが苦しそうなのを見てダメだと思ったからだ。


【精霊召喚】

風の精霊を呼び出した。


「クルミ様お久しぶりですね。」

風の精霊、ルードが話しかけてきた。男みたいな名前だか、外見は女。精霊なので区別があるのか分からないけれど。


「ここでも、行動できる?」


「魔法の阻害されているようですが、この程度何ともありません。」


「よかった。少し人を探すのを手伝ってくれない?」


「分かりました。」

外見を伝えるとスッと消えた。


「精霊は大丈夫みたいだったね。」


隣のフリードが驚いている。


「精霊を呼び出したものなど聞いたことがありませんがね。」


「そうなの?妖精より召喚の時の魔力が使うけど、妖精よりも強いよ。気に入られたらフリードにもできるよ。」


「ほんとですか??」

それからフリードからの質問責めに合うことになった。


ようやく、ルードが戻ってきた。

「クルミの言ってた人達見つけたよ。あとクルミの剣を持ってた人もいたよ。」


「えっ!!」


久遠という富士の国最強もここにいるとのこと?これはチャンスかもとクルミは思った。


「クルミ様、嬉しそうですね。はぁ〰️ 分かりました。与太郎殿の母親の救出は私たちにおまかせください。しかしくれぐれもお気をつけて!」


「ありがとう!ちょっと言ってくるね。」


クルミは、洋服屋さんに行くような雰囲気で向かって行った。


フリードはその後ろ姿を見つめていた。


「全く、凄い人ですね。」

「でもフリード様危険ではないでしょうか?」親衛隊の1人が声をかけてきた。


「そうですね。せめて魔法が使えれば・・・ まずは、魔法妨害の装置を何とかしに行きましょう。」


親衛隊も街の調査をしていた5名も集合して、10名いる。この10名はフリードも信頼している精鋭達だった。信頼している理由は、武術大会に参加してクルミへの信頼度が高いとのこと。クルミのためなら全てを差し出す覚悟があるもの達だった。


「まずは、魔法妨害の装置を、破壊しに行きます。全てはクルミ様の勇姿を見るためです!!」


「はっ!!」

動機は不純だが行動を、開始した。


その頃クルミは、久遠のもとにたどり着いていた。


「こんにちはー!」

クルミは、久遠の前に立った。


「聖女とはお前か?」

久遠が聞いてきた。


「まぁ、嫌々だけどね。イサカリ クルミって言います。よろしくね。」


「イサカリ・・・そうか。」


「いい剣だね。それちょうだい。ダメかな?」

可愛く聞いてみた。久しぶりの相棒を見て気持ちが高まっていたのだった。


「勝てれば、好きにするがいい。」


いきなり、斬りかけてきた。

それを受け止めるクルミ。


「そのなりで、その力か。期待以上だな。」


「あなたは、期待外れかもね。」


少しイラついて剣を強引に振るった。それを交わすクルミ。


両者、魔力気を高めていった。

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