【第32話】故郷
今回クルミの武器を探すために竜神王国へと一緒に来たのは、メリット、シャオ、フリードだった。
まずは、竜王に会いに行く予定だ。カーグなら何かいい武器を知っているかもしれない、あわよくば持っているかもと考えていた。
竜神王国へ馬車での移動。
今回は、急ぐ旅ではないので街や村によって楽しみながらむかったのだった。
「ようやく着いたね。」
イサカリ商会の本社に着いた。
そこには、親衛隊も少し戻って来ているものもいたので熱烈歓迎だった。
「クルミお姉ちゃんお帰り!」
アリスが出迎えてくれた。
クルミの妹的な存在なので、親衛隊はアリスにも優しかった。
「カーグは城かな?」
アリスに聞いてみた。
「ここにいるよ。まだ修行の途中だから住み込みだよ。」
他の親衛隊も気づかないふりをしているとのことだった。
戦争でバレてしまっており、仕方なかった。
ちょうどよかった。
「クルミ殿、久しぶりじゃな。」
「カーグも元気そうで!」
親衛隊が何とも言えない、誇らしげな顔をしている。
クルミ様は、竜王すら呼び捨てにして友達みたいにしてることに感心しているみたいだ。
「それで、カーグに聞きたいことがあって....」
武器を探していることを伝えた。
「武器ですかの?クルミ殿にぴったりの武器がありますよ」
「神剣 草薙ですじゃ。」
「えっ!」
クルミがかつて使用していた剣だった。
ここからは、念話で話した。
『あれってまだあるの?』
『クルミ殿が亡くなられた時に一緒に遺言通り、富士の山の火口に投げ入れたのですが、溶けることなくそのままにされておりますのじゃ』
そっかぁ。あそこに戻らなくては行けないんだね。
クルミの故郷である。
昔を思い出すのであまり、行きたくないのだけれど。剣は欲しいところだった。
「取りに行ってみるかな。」
「今まで誰も触れることができなかったようで、クルミ殿だったらもしかして手にすることができるかもしれませんの。」
自分の剣だから当然じゃんと思ったクルミだったが、草薙が残っているのは助かったと思った。
悪用をおそれて、遺言で壊すように指示をしていたからだった。
そしたら富士の国へ、行くことに決めた。
その前に、少し久しぶりの王都で休憩をすることにした。
「アリスも行きたい!!」
駄々をこねてたので連れて行くことにした。
竜王もついて行こうとしたが、城からの迎えが来て渋々帰っていった。
3日後に出発することにした。
その間、旅の準備。商会の仕事とあまり、休む暇がなかったのだった。
久しぶりにドレドラスにもあった。何と部隊長に出世していた。
これもアリスのお陰だった。
照会の薬を通常より安く仕入れてきた功績で補給部隊長になったのだった。
「この国のために、民のために薬を安く騎士団に購入させて欲しいとお願いしてきたのだった。」
最初は適正価格でしか売らないように話をしていたのだが、騎士団が使用するとより広く人のためになる。と力説された。
そして、最後にアリスから
「アリスからもお願い!!」
と言われてしまい。アリスにも甘い親衛隊の1部のもの達もフリードにつめよったのだった。
フリードもいい宣伝になるかもしれないと販売することにしたのだった。
それが予想以上の効果だった。
騎士団が使用している薬と信用が高まったのだった。
今回は、フリードも商会の仕事、貴族の仕事が大変で行くことが出来ないようで残念だった。
シャオもセオドに頼まれた仕事があるとのことで行けなかった。
今回は、クルミ、メリット、アリスの3人で行くことになった。
ドレドラスが大反対だった。
「女3人での旅など危険だろうが!!少なくとも護衛が30人は必要だ!」と、過保護すぎる発言で譲らなかった。
仕方なく、途中まで親衛隊の護衛をつけることにしてドレドラスを騙すことにした。
それにしても女だけでの旅など楽しみでそわそわしていた。
アリスも嬉しそうだった。
まずは、馬車を用意してもらって快適に移動できるように準備をした。
ジークにも妖精交信で、話をした。心配していた。
ジークの方は、今は何も問題がなく。精霊とも仲良くなっていってるとのことだった。
そして、数週間の女性3人旅が始まるのだった。




