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【第23話】親衛隊集結

クルミは、港町に行っていたのを後悔した。王国まで3日、その後のラルセット公国までは4日。


いつ戦いが起こるのかわからない。間に合わなければ意味がなかった。


カーグシン竜王の手紙を受け取り、またクルミの【検索】魔法によって集まった情報を整理する。


やはりあいつらが関わっている可能性が高い。


「それで、クルミさん。これって??」


メリットが話しかけてくる


「少し手助けお願いね」


クルミが答える。


風の精霊にお願いして、空を飛んでいる。浮遊魔法に、風を当てて飛ばしている。単純な魔法ではある。


魔力の消費が地味に続くのであまりやりたくはないが、今回は仕方がない、自分1人ならいいのだが4人にかけている。


クルミ、シャオ、メリット、セオドだ。1人で戻った方が早いのだけれど、戦争となると数が必要だ。


仕方ないので連れていく。


しかし、これで1日で、王国まで行けるはずだ。


「いろいろと驚きが多いのですが、ジーク様やアリスを教えていた方が竜王様だったとは」


シャオが驚いている。

セオドも同じようだ。それに、セオドも騎士団長だから、早く戻りたい気持ちは強いようだ。


「詳しい話しは、あとで竜王に聞いて。今はこれからの対応を話しましょう!」


何で、知っているのか問われると思い全てカーグに任せることにしたクルミだった。


「そうですな」


思うところはあるようだが納得してくれたみたいだ。


「それで、これからどうするの?」


メリットが聞いてくる。ちゃんと補助の魔法をかけて、しかもまわりに防壁を張ってくれている。

そのおかげで、話しもできるようになった。


「わたしの考えを話すね」


クルミがこれからの流れを予想し、それに対する対応を説明する。


「おそらくジークは、自分からラルセット公国に戻ると言うと思うの。」


ジークは純粋で優しい、王としては甘いかも知れないが、クルミはそれでいいと思っていた。


「でも、竜王がそれを止めると思う。そして、戦争は避けられない状況になる.....」


メリットが聞いてくる

「竜王が、ジークを引き渡す可能性はないの?」


「それはおそらくないでしょう」

セオドが答える。竜王の性格を理解しているかと思う。


「そんなことしてたら、ゆるさないけど、多分相手もジークを守る行動は予想通りだと思う。」


「何やら別の敵の存在を感じますね」

シャオが聞いてきた。


察しがよくて助かる。


「そう、おそらく悪魔が関与している。水の精霊が教えてくれたの、だから急がないと悪魔の目的は人の魂だから」


「悪魔とは、古き伝説でしか表れたことがない存在。これは不味いですね」セオドが答える


「セオドは、竜王や他の人に知らせて、わたしは先に向かうから」


クルミの顔色が悪い。

メリットが気づいて声をかけた。


「どうしたの??」


「ジークが1人で王国を出たみたい.....」


ジークには、ブレスレットを渡している。それで、位置が分かったのだった。


おそらく、責任を感じているんだと思う。


クルミにはジークの気持ちがよく分かった。前世でも優しい人ほど早く死ぬ。世の中は残酷なのだ。


そうはさせないと、今できる最善の手を考えた。


ほどなくして、王国に着いた。


「セオドあとはお願い!」


「承知した、後程伝令を送ります。」


クルミは急いだ。ジークのブレスレットでの位置がわからないくらいに離れているのだ。


商会の本部へ急ぐ、これからの対策には人手がいる。


まずは、ジークへの探索

そして、敵への攻撃の対処。これは王国兵士が対応するだろうけど、複数同時での攻撃に対処できるかはわからない。


1点で大群を攻撃するなど、現実的ではない。実際は複数箇所を同時で攻撃してくると思う。


戦場での経験値で、相手の先をよむことに優れていた。


それに王国兵士では、クルミの指示にしたがって動いてはくれない。


だから、クルミの指示に従う人達が必要だった。


本部にいるのは30人くらいだよね。これだと魔力を大幅に消費した今の状況では、少し厳しいけど....


ドン!


勢いよく扉を開けて入って行く


「お帰りなさいクルミ様」

受付が挨拶をする。


「お願い、できるだけ人を集めて!」


「クルミ様まずは、落ち着かれてください!」


ローマンが声をかける。


「大丈夫だから、急いで人を!」


フリードが表れた

「既に人は集めていますので、ご安心を」


「何人?!」


「現在、100名待機させております。」


クルミは驚いた、想像以上だった。


「それじゃあ、ジークの探索に...」


「それはすでに30名ほど馬で向かわせています。」フリードが答えた。


「ありがとう....」


少し涙目になってしまった。

転生して、感情が豊かになっているのかもしれない。普通の女の子のように


「でも、どうして?」


言葉につまるクルミの変わりにメリットが質問した。クルミも知りたかった。


「わたしも貴族のはしくれで、大臣などに話を聞きまして、ある程度は会議の内容を知っております。

もちろん薬の大口契約も取ってきております。」フリードが答えた。


「チッ」ローマンが不機嫌になった。


「ジーク様もクルミ様にこれほどの心配をかけるとは許せませんがね!

竜王様の思いも知らずに。だから死なれる前に文句を言いたかったもので。」フリードが怒っている。しかし、その気持ちが嬉しかった。


「ローマンもラルセット公国に手紙を送って、ギルドの仲間にジーク様の確保をお願いしてくれていますよ。モーリアスという方にも連絡しているみたいですよ。」


モーリアスなら、ジークの召し使いだったのでジークも頼るはず。


「ローマンありがとう」

ローマンが照れている。


「あとは、食料、馬などの物資を先行させております。それに50名ほど戦闘には不向きですが支援目的でと考えております。」


これには驚いた。フリードは戦いを理解していた。戦うためには後方支援は必要不可欠だ。

ほんとに何でこんな商会にいるのかなと思ってしまった。


「まずは、少し休んで欲しいのですが集まった親衛隊に一声を」


ローマンからお願いされた。


それはそうだと思った。わたしと戦うことは死ぬ可能性もあるからだ。


隣の部屋に移動した。


大広間には、武装した親衛隊が揃っていた。


「この戦いを止めたいから力を貸して!お願い...」


少し感情的になっており、それしか言えなかった。


しかし、それだけでよかった。


「おーー!」

「この命はクルミ様のために!」

「これで役にたてる!」

「今度食事でも!」


最後の男は、フリードに魔法で拘束された。


クルミは安心した。

メリットに「少し休むね」

と言ってその場で寝てしまったのだった。

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