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【第15話】資金稼ぎ

どうしてこうなったのだろう?

クルミは考えた。


何とお金がないのだ。

それもそのはず、ジークの護衛任務は前金にしてもらい。散財してしまったのだ。


アリスと、一緒に美味しいもの食べたり服やアクセサリーを買いまくってしまった。


「あ~ぁ どうしよう」


ほんとは武器を買いに行っただけなのに、結局武器は買えず他のものを買ってしまった。


優勝賞金として、半分の50万ゴールドもらったのに使い果たしてしまった。


前世の衝動だと思う。


「こうなったら、ドレドラスにアリスの修行代としてお金をいただくかなぁ」


なら修行をちゃんとしないといけないね!


服を着替えて、出かける準備を急ぐ。ジークもいるので変な格好はできないよね。

かわいいイメージを崩したくなかった。



2人は、素振りをしていた。

そこにお金を払い剣術を教えている、カーグシン竜王がいる。



知らないクルミは、近くに行って変な気配に気がついた。


「あれは!」


飛び出していき、カーグシン竜王に剣を振るう。


サッとカーグシン竜王は後ろに飛び避ける。更なるクルミの連続攻撃を刀を出して受け止めた。


「わしに剣を抜かせるとは、ただ者ではないな?」


「あなたこそ、ジークとアリスに何をするの? 返答次第では.....」


「誤解です!クルミさん。その方は剣を教えてくれるとのことで教えてくださっている方です。カーグさんと言います。」


「しかもお金をくれるんだよ!」

アリスが嬉しそうに話してくる。



「どういうこと?」

お金をくれる?てかカーグって....


いろいろと面倒になってきているようだ。


ジークが事情を説明してくれた。

クルミに内緒でこっそり強くなったところを見せたかったらしい。


それは、嬉しいと思うが一緒に修行する方が嬉しいとクルミは思った。


「話しは刀で語りましょう。この体では厳しいようじゃ」


辺りの空気が震える。


「ふっ」本来の龍人の姿に戻った。竜の皮膚、角、威圧感が凄かった。


アリスとジークは、その威圧にへたりこんでしまった。


カーグシン竜王はスキル【竜眼】

を発動した。

その者のことを見抜くスキルである。


カーグシン竜王は、歓喜した。

またクルミ殿に出会えるとは!

遠い昔に一緒に旅をしたり、建国を手伝ってくれたりと懐かしい思い出がよみがえる。


転生者か.....


実は転生者はまれに現れる。異世界からの転生者が多いが過去からの転生。


よほど本人の無念なことがあったのだろう。


ただ、美少女となって女の子らしいことをしたかったとは思うはずもなかった。



カーグシン竜王は刀を鞘にしまった。

そして、正座して刀を横に置いた。


「居合いですね」


昔から得意だったよね。

クルミに気負いはない。


『いざ!』


声を発すると同時にクルミが消えた。カーグシン竜王は片ひざを立てると同時に剣を抜こうとしたが

、抜けなかった。


クルミが、刀のつかの先しとどめと言われるところに手を充てて、刀が出ないようにしたのだった。


「勝負は、終わりですかね?」

問いかけるクルミに、カーグシン竜王は頷いた。


まだとどかぬか。わしもまだまだだな。


この様子を見ていた、ジークとアリスは、意味が分からない表情をしていた。


それもそのはず、カーグシン竜王の背後から見ておりクルミはかぶってしまって何も見えていなかったのだ。


カーグシン竜王が座ったので話し合いをしたようにしか見えていなかった。


「はやかったですね!」

ジークがクルミに話しかける。


「まぁこんなもんですよ」

クルミは自分の速度が早かったのを褒められ得意顔になるが、ジークは話し合いが早かったと言いたかったのだ。


「彼から教わるのも言いかもしれないね!」


「そうですかぁ~」

少し落ち込むジーク、あれ何で?


「分かりました!カーグさんから教わってクルミさんを守れるような強い男になります!」


「アリスも教わって、お金もらって、ご飯ご馳走するよ!」


えっ なんか私がいらない感じになってる気がする。


「そうですじゃ、クルミ殿も何かと忙しいので私が教えます。そして、強くなって驚かしてあげましょう!!」


カーグシン竜王が、してやったりの顔をしている。


人心掌握、統治者としての経験は圧倒的に負けている。


2人を誘導するのもたやすかった。


「ウッッ それじゃあ頑張ってね!」

勝負で買って、結果に負けてしまったのだった。



落ち込みながら、街の中を歩くクルミ。街の声かけすら今日は、反応できていない。


築いたらギルドにいた、というかこの方法しかなかった。

お金を稼ぐなら、やっぱりね!

仕方ない頑張るか。


気持ちを切り替えたクルミに後ろから声がかかる。


「クルミさん、お待たせいたしました!」


最初の街でお世話になった、ローマンだった。財布のローマンが神様に見えたクルミだった。




食事をおごってもらいながら、お金を稼ぎたいことを正直に伝えた。

「1人での討伐依頼は少なくなってきています。今は騎士団が魔物の討伐も行ってますからね。」


「じゃあどうすれば?」


「ただ、クルミさんの実力でしたら、大規模な討伐依頼も可能かと思いますよ。しかしそれなりの人員も必要かとおもいます。」


「戦いはある程度大丈夫だよ。」


「いえいえ、後方支援や情報収集、食料調達などの雑務をこなす人達です。」


「それじゃあ無理だよ....」


「大丈夫です! 事前に調査を行ったところ、部隊に入りたいと言うものが大勢おりました。」


「何人くらい?」


「今は30人くらいにしております。まだまだ参加者がいましたが初めはこれくらいかと思いまして絞りました。」


すごっと思ったが、何と武術大会で負けた人達だった。


自分達は親衛隊なのだと、参加を希望してきたらしい。


もうひとつ気になることがある。

給料とか払えないよ。


「それは、しばらくは無給で言いかもと思います。」

そんな前世みたいなことはヤバいと思っていたが、どうも違うらしい。


もともと武術大会の参加者は、貴族の次男、三男などが、騎士団に入隊して家の格をあげよう、王族に取り入ろうだとかそういう理由が多く、実家の仕送りもあるのでお金には困ってないものが多いとのこと。


いいなぁと思いながら、悩み混む。これは前世と同じ感じになっていってるのではないかと。


でも背に腹は変えられないととりあえずやってみることにした。


それにしてもローマンの手回しは凄いと思ったのだった。

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