【第106話】逃走準備
新しい精霊を使役することになりまず最初にしたことは名前をつけることだった。そうすることで召喚もしやすくなるからだ。
「クルミちゃんは黒猫の名前は何にするの?」
「・・・・クロ。」
「そのままだね。」
名前が思いつかなかった。イメージでつけてしまった。まぁいろいろあって疲れてたからしょうがない。
アリスと水の上位精霊のルティをなだめてなんとか落ち着いたところだった。改めてルティの考えを聞いてみると、クルミは強すぎて面白くないとのこと、出番もなく更に500年も待たされたのも原因のようだった。
「私はじゃあシロだね。」
「にゃーん!」
白猫が返事をした。それでいいみたいだった。能力的には白猫が高い気がする。
「とりあえずこのあとどうしますか?」
「そうだね。どうしようか。」
「ついて行く。クルミお姉ちゃんに・・・・。」
アリスは少し控えめだけど譲れない思いがあるようだった。
「問題は、この国をどうするかだよね?。」
メリットの言うとおりだった。考えこむクルミ。
アリスには精霊の使い方を教えたい、血の繋がりを感じるのでクルミはなおさらだった。またきちんとカーグシン竜王に少し教えてもらったようだったが実践的な訓練で形などの基本的な訓練はまだあまり教えていなかった。
『疾風勁草流』をそろそろ教えてもいいかもね。そのことがこの国のためにもなるし、流石にすぐに攻撃を受けることはないかな。
「よし!逃げちゃお!!」
「えっ!」
「そうなるかぁ。」
アリスは驚き、メリットはうすうす感じてはいたような反応。
「与太郎もいるから大丈夫だよ。そもそも本来は与太郎が統治すべきだとも思うんだよね。」
「・・・・」
黙り込むアリス。
「それで今回は3人で行くの?」
メリットの質問にクルミは考えた。
陽向は連れて行きたい、悪魔のとこもあるし、そしたら久遠もついてくるよね。あとはマルキースはどうするかな? ついてくるだろうけど。6人かな少し多い気もするけど、悪くはないか。
「メリット、久遠とマルキースに伝えてきてくれない?」
「わかったけど、マルキースって誰?」
そういえば、説明してなかったかな。
クルミはメリットに集合場所とマルキースについて伝えた。
魔法銃や弓への対策をアリスに教えたいからね。今回はその対策で苦戦したみたいだからね。
「さて、アリス。準備ができたらここまできてね。先にちょっとよるところがあるから。」
「はい・・・・」
アリスはまだ悩んでいるようだった。アリスの悩みも解決しなくてはいけないと考えてある人物のところへ向かったのだった。




