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エピローグ

 GHQが日本に対して様々な支援をしたことは確かです。大東亜各地からの復員や食糧支援などです。しかし、これも日本を弱体化する範囲内でのことでしかありませんでした。自決した東條英機を蘇生させ、プロパガンダに利用し、しかるのちに処刑したように、日本国民が死に絶えない程度に支援して、生かして、利用するつもりだったのでしょう。事実、二十一世紀の日本は、まさにアメリカの属国として搾取されています。


 連合国による占領政策の特徴は、なんといっても徹底的な検閲とプロパガンダによる洗脳にあったといえるでしょう。その巧妙かつ精巧な洗脳行政の実施ぶりには感嘆するほかありません。そして、この徹底した洗脳行政を担ったのはアメリカです。それにしても、なぜ、アメリカ人はかくまでに洗脳行政に熟達していたのでしょうか。アメリカからはるかに遠い日本において迅速かつ徹底的な洗脳行政を実施し得た要因は何だったのでしょう。

 それは、アメリカ合衆国政府そのものが、その成立初頭から洗脳行政を必要とし、また、洗脳こそが多民族国家たるアメリカを国家たらしめる最重要因子だったからという事実に理由がありそうです。

 いうまでもなくアメリカ合衆国を建国したのは有力な奴隷商人たちでした。ここにおいて建国事情を隠蔽するためにアメリカ国民を洗脳する必要が生じました。

「自由と民主」

 この言葉によって奴隷商人がアメリカ国家の起源だった事実を隠蔽し、秘匿し、誤魔化してアメリカ国民を洗脳する必要がありました。

 アメリカ合衆国は移民国家ですから種々雑多な人種がまじりあい、多様な国々から帰化した人々が混住しています。そして、様々な宗教信仰が混在しています。そんなアメリカ国民をどうやってまとめていくのでしょうか。アメリカには歴史も伝統もないのです。結局、洗脳するほかはありません。アメリカ合衆国は洗脳によってこそ国家たり得るのです。

 そうであってみれば、アメリカ政府が洗脳政策に熟達するのは当然のことです。なにしろ国家の命脈が洗脳政策の成否にかかっているのです。

 だからこそ、「自由と民主」を口にしながらも、過酷な人種差別を平然と犯し、憲法違反の検閲を大々的に実施できたのです。この矛盾を矛盾として感じないまでにアメリカ人はアメリカ政府によって洗脳されていきました。「リメンバー・アラモ」も「リメンバー・メイン」も「リメンバー・パール・ハーバー」もすべては洗脳のための空念仏でした。

 そのような洗脳国家たるアメリカ政府の洗脳政策が、そっくりそのまま日本に持ち込まれ、GHQによって実施されたというのが占領期の日本の実態です。

 日本の歴史はアメリカとは対照的です。日本列島に単一民族が長い歴史時間をかけて住み続け、ひとつの文明を築いてきたのが日本です。よって日本の権力は洗脳政策をさほど必要としませんでした。歴史と伝統を持つ日本では、国民は自然に国家意識を持ち得たからです。つまり、日本国民は洗脳政策に初心(うぶ)だったのです。

 初心だったところに、アメリカ式洗脳政策を施されたために、日本国民はコロリとあっけなく洗脳されてしまいました。その結末が戦後日本です。

 日本を見事に洗脳したGHQ官僚もマッカーサー元帥も、結局のところアメリカ政府に洗脳された人々であったに過ぎません。そして、アメリカ式洗脳はアメリカが世界覇権を握ったため、全世界に広がっていきました。

 アメリカ政府の言う「民主化」も、GHQの「民主化」も、マッカーサーの「民主化」も、すべては洗脳のための空念仏に過ぎなかったのです。


 占領地日本では全能の権力をほしいままにしたマッカーサー元帥ですが、アメリカ政府から見ればひとりの使い走りに過ぎません。朝鮮戦争がはじまるとマッカーサー元帥は再び作戦指揮に奔走します。しかし、思い通りには作戦を展開できませんでした。アメリカ政府に足を引っ張られたからです。

 できあがったばかりの連合国(日本では国際連合)を壊すわけにいかないアメリカ政府は、ソビエト連邦に遠慮していました。そのため、マッカーサーの戦術に様々な制約が加えられました。この仕打ちに激昂したマッカーサー元帥はトルーマン大統領と衝突し、ついに解任されることとなります。


 そのころ日本政府は、大量に流入する不法入国朝鮮人の暴虐に悩まされていました。吉田茂総理大臣はマッカーサー元帥にあて「在日朝鮮人の全員送還を望む」という表題の書簡を送り、対策案への理解を求めました。

「総数約百万人、その半数は不法入国者であるところの在日朝鮮人の問題について、われわれはいま早期の解決を迫られております。わたしはこれらの朝鮮人がすべて、彼らの生国の半島に送り返されることを欲するものです」

 吉田茂総理は、その理由として食糧不足、日本復興への朝鮮人の貢献が無いこと、さらに朝鮮人の犯罪性を指摘します。

「悪いことには、これら朝鮮人は犯罪を犯す割合がかなり高いのです。彼らはわが国の経済法規を破る常習犯です。かなりの数が、共産主義者かその同調者であり、最も悪質な政治的犯罪を犯しがちなのです。投獄されている者は、常に何千人を超えています」

 吉田総理は、統計数字を添えて、朝鮮人犯罪の深刻さを訴えます。それによれば、一九四五年から一九四八年までの四年間に九万人の朝鮮人が七万件の刑事事件を犯していました。

 だからこそ、吉田総理は日本政府の費用ですべての朝鮮人を送還することを提案し、その承認を懇願したのです。しかし、マッカーサーという独善的な独裁者は、吉田茂総理の提案にいっさい応えることなく日本を去り、洗脳帝国アメリカに凱旋していきました。



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