プロローグ
猿(日本人)を虚実の自由という名の檻で、我々が飼うのだ。方法は、彼らに多少の贅沢さと便利さ与えるだけで良い。そしてスポーツ、スクリーン、セックスを開放させる。これで真実から目を背けさせることができる。猿は、我々の家畜だからだ。
家畜が主人である我々のために貢献するのは当然のことである。そのために我々の財産であもある家畜の肉体は長寿にさせなければならない。(化学物質などで)病気にさせてしかも生かし続けるのだ。これによって我々は収穫を得続けるだろう。
これは戦勝国の権限でもある。
アメリカ大統領ハリー・トルーマン
戦後の日本政治の元型は、なんといっても連合国の占領政策にあります。通説では、連合国軍最高司令官総司令部いわゆるGHQによる占領政策によって日本が「民主化」されたことになっています。そのように歴史教科書は教えていますし、マスコミもそのように報道していますし、多くの日本国民もこのことを疑っていません。しかし、よくよく考えてみると幾つもの疑問が浮上してきます。
そもそも連合国軍最高司令官マッカーサー元帥は軍人であり、政治の素人でした。アメリカの植民地だったフィリピンで軍事顧問をしていた人物です。そんな人物が「民主化」を実施できるでしょうか。マッカーサーはあくまでも軍人として日本を占領するために来日したのです。占領とは戦争の一環です。敵地に乗り込み、敵軍の残党を掃討し、権力を掌握して治安を維持し、自軍の基地を建設することです。マッカーサーが日本で実施したことはあくまでも占領であって、「民主化」などではなかったはずです。
戦前の日本はすでに民主国家でした。明治時代に帝国議会が設置され、裁判権も独立し、大正期には普通選挙さえ実施されていました。当時の世界水準でみれば立派な立憲民主国家です。これに対してアメリカはどうだったかといえば、憲法と議会はあったものの、露骨な人種差別がつづいており、黒人には投票権さえ与えられていない状況でした。民主主義の先進国はむしろ日本だったのであり、アメリカは民主主義の後進国だったのです。民主主義の後進国たるアメリカが先進国たる日本を「民主化」したという理屈は、悪い冗談にしか聞こえません。
戦前の日本は防共国家でした。民主主義を守るために共産主義と闘っていました。外交的、軍事的にはソビエト連邦を仮想敵国として北辺の守りを固め、国内的には治安維持法によって共産主義の蔓延を防止していました。特別高等警察は日本共産党を解体に追い込み、ゾルゲや尾崎秀実などの共産スパイを逮捕しました。
大東亜戦争の終戦直後、特高警察はなお活動を続け、日本に上陸したアメリカ軍将兵の不法行為を内偵していました。この特高警察を解体させ、さらに治安維持法を消し去ったのはGHQです。アメリカ軍将兵による日本国民への暴行や強姦を隠蔽するとともに、共産化を推進したのです。GHQは日本共産党を復活させ、日本社会の各領域に共産主義者を浸透させていきました。「民主化」ではなく共産化です。共産化が「民主化」なのでしょうか。
驚くべきことですが、日本で占領政策を推進したGHQの官僚たちの多くが共産主義者でした。彼らはもともとルーズベルト政権の政策ブレーンでした。いわゆるニュー・ディーラーです。ニュー・ディーラーとは、共産主義者の別称です。ルーズベルト大統領の死去に伴って、政権中枢を去ることになったニュー・ディーラーたちは職を求めて日本へ来たのです。日本は、アメリカの共産主義者によって共産化されてしまったわけです。
GHQが占領政策として実施した政策は、その手続きから内容まで、「民主化」とはかけ離れた独裁的圧政であり、暴政でした。すべては強制的かつ強権的に実施され、日本の行政・司法・立法の三権がGHQの監督下に置かれました。国家主権が失われたのです。日本のすべての行政機関は、占領軍の下部機関となりました。日本の官僚たちは、日本国民のためではなく、占領軍のために仕事をするようになりました。そして、占領軍指揮の下、領土の分割、私有財産の没収、言論統制と検閲と洗脳、差別的な公職追放、経済と軍事の弱体化、極東軍事裁判という私刑など、法も証拠も無視した独裁政治が実施されました。これが「民主化」でしょうか。
GHQは日本の主権を奪い、まるで幼い子供がオモチャをいじくりまわすような無邪気さで、日本の憲法をはじめとする諸制度を改変し、日本の伝統文化を破壊しました。
なかでも徹底されたことは、大東亜戦争の真実を捏造し、隠蔽し、虚偽の歴史を宣伝するプロパガンダです。日本が悪かったという認罪的プロパガンダが強権的かつ長期的に実施されました。GHQに対する一切の批判が封じられ、批判すると弾圧されました。検閲が組織的かつ広範に実施され、日本国民の口が封じられました。国民の口を封じることが「民主化」なのでしょうか。日本の産業を弱体化させ、軍隊を放棄させ、警察から銃をとりあげて治安を悪化させ、日本を農業国家にしようとたくらんだのがGHQです。これが「民主化」なのでしょうか。
GHQは戦勝国と戦敗国を差別しました。連合国軍将兵が強盗や強姦や殺人を犯してもいっさいが不問に付されました。極東軍事裁判所の便所は、白人用と日本人用に別れていました。GHQは不法入国する朝鮮人を野放しにし、その朝鮮人を準戦勝国民とし、各種の犯罪行為を放置し、特権さえ与えました。復活させた日本共産党を擁護し、共産主義者の跳梁跋扈を許しました。
以上が、マッカーサーによる占領政策の概要です。はたしてこれが「民主化」といえるでしょうか。むしろ、連合国軍最高司令官総司令部の占領政策は独裁であり、日本の主権と日本国民の人権を踏みにじった暴力政治であり、日本国民を弾圧して沈黙させ、そのうえで洗脳するものでした。日本の弱体化、共産化、朝鮮化を推進し、それらを隠蔽するために「民主化」したというプロパガンダを徹底したのです。
戦争は日本国民にとって地獄でした。とくに終戦間際にアメリカ軍が実施した無差別大量爆撃は日本国民を火焔地獄に叩き落としました。終戦によって、この火焔地獄は終わりましたが、占領という被虐の地獄が始まったのです。