表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/10

君に社畜の辛さが分かるかな?

俺はとあるブラック企業に勤めている28歳だ。

さて、今日で徹夜何日目だろう。一週間を越えたあたりで数えるのをやめてしまった。

繁忙期とはいえ、家に帰れず会社に泊まり込んでの仕事は体にかなり堪える。

先輩たちはまだ若いんだから大丈夫、と言う。実際のところ目眩はするし、フラフラするし、頭は働かないしで最悪コンボだ。

コンビニ飯だから栄養は偏るし、仮眠しかしていないので体はだいぶがたが来ている。

なぜそんな過酷な状況に身を置いているのか、と聞かれると生きるため、という言葉しか俺には浮かばない。

内定が決まったときはそれはまぁ喜んだよ。これで俺も社会人の仲間入りだ、とガッツポーズした。

親に就職祝いに買ってもらったスーツを着て出社した初日は最高に誇らしい気分だった。

そんな気分が霧散したのは一年目の後半あたりから。

世の中甘くない。社会人ならそのとおり、と頷いてくれるだろう。お金を稼ぐのは簡単ではないのだ。

子供の諸君、働いて疲れて帰ってきたお父さんやお母さんにはお疲れ様、と労いの言葉をかけてあげてほしい。

社会人って辛いんだぜ。


そんな俺は今日、久しぶりに自宅に帰ってきた。

自分の家のはずなのに足を踏み入れるとなぜだか新鮮な気持ちになってしまう。帰ってくるのが久しぶりだからだろう。


時刻は昼過ぎ。

腹は空いていない。

とりあえず寝よう。

ベッドで寝て、そしてまた明日から仕事して。

生きるために仕事をしているはずなのにいつからか仕事をするために生きているような感覚に陥ってしまっている。

社畜って怖い。


さーて、シャワーを浴びよう。

靴を脱いだその時、足がふらついて俺は床に倒れた。


流石に寝不足が過ぎたか。

ははは。


あー、眠い。起き上がろうにも力が出ないや。


疲れたよ。

本当に疲れたんだ。


俺がんばって仕事したぜ、父さん、母さん。

立派な社会人になれたよね?


はぁ、だめだ。眠たい。このまま少しここで寝て……。


そうして俺は死んだ。

よければブックマークお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ