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転生?TS!ロリ!百合!冒険!  作者: 秘密(単に匿名)
10/63

1-10話N

安全に遺跡から抜けられるのでしょうか……


追記:2020/12/14 修正します!

1-10





(学ラン!よかった、まだ捨てられたりしてなくて。)



そこには、転生してきたばかりの時に来ていた学生服や下着などが無造作に置かれていた。



{ヌルッ}

(しまった!?)



他のものに気を取られていたので、ゴブリンに足がぶつかってしまった!



「グゥ…グゥ…」



(なんだ…寝てたのかぁ)



祈りながらも寝ているゴブリンは、よく音を聞くと他にもいるようだ。



(なんか、学校の朝会みたい)



蒸し暑く、くらくらするような空気を思い出しながらもゴブリンの集団を抜けて学生服を手に入れた。



(今着てもいいけど、先にここから逃げて遠くで着よう)



四角い一直線で、角度のついた廊下……スロープのようなものを音を出さないように降りていく。タケシが召喚形式で助かった。


ただ、服をまとめて抱えているので四足歩行が出来ない。ちょっとした小走りで廊下を抜ける。



ふわっと涼しい風が通り抜けた。外へ出れたようだ。



(もう、昼か。)



太陽が真上にあった。森の中に入り、いつでも身を隠せるようにしながら服を着る。



しかし……



[おおきい]



ズボンをはくと、動きが制御されてしまう。持って行けそうにない……



(あ、そうだ。もしかして、タケシみたいに出来るかも?)



と、タケシと同じように念じてみると……


何も起きなかった。



[そういう能力でもないのね…アハハ]



結局、下着のシャツと学ランだけしか着ることは出来なかった。他の衣類はどうしようかと考えたが……捨てるしかないだろう。



(まあ、学ランあるだけ全然マシだよね。しかも僕は今のところ美少女なんだし、前を開けてコートっぽく着れば……。おお~これは結構かっこいいのでは!?)



しかも武器は木刀なので、割とカッコイイと思う。(多分)



「(ギャー…)」



(ん?)



ゴブリンの悲鳴。遺跡の中の広場からだ!危ないかもしれないが、広場に戻ってみようと思う。いやホラ、さっきみたいに何かあるかもしれないじゃん。危ないけどね?


……廊下から戻ろうかと思ったが、横から直接上に上がれるようだ。急な階段を上ると、外周をぐるっと囲む廊下に入ることが出来た。


何かを見るために作られたのか、小さい窓がついている。



[うーんしょっ、と]



ぶら下がって確認してみると、次元の穴近くに居た杖を持ちゴブリンが消えており、ゴブリンたちは混乱している。



「オイ!オマエ ネテタダロ!」

「ハァー!?オマエ ダッテ ネテタダロ! オレノセイ ジャネーヨ!」


「オイ、サッサト ミニイクゾッ!」



3~4匹のゴブリンが次元の穴の近くに寄る。



{ヒュォォォ…}

「ギャー!?」「ウ、ウワッ!」

「スイコマレルー!」「タスケロ!オイッ!」



「「「アーーッ!!!」」」


(あっ…その悲鳴はちょっと…)


穴に吸い込まれるゴブリンたち。彼らは帰ってこない。



(周りにいたゴブリンは、あそこに吸い込まれたのかな?もしかして、僕の代わりの生贄を探して……)



「グゴァーッ!」

{バリ…ッ}



[……っ!]



中から理性のない咆哮が聞こえるとともに、次元の穴が割れ、広がる。



[もしかしてっ!]



「オオオオォ……!」



身長4mぐらいの、細身の赤い悪魔が出てきた。


[あいつじゃないのか……手下とかかな?]



しかし、赤い悪魔は恐ろしい速度でゴブリンの頭を掴み、

「グォアァ…」



{バリッグチャッグチャッパキッポキッ…コリッコリッコリッ…}


(わーいASMR……いや、ヤバすぎィ!)



そのまま食べてしまった。マヤはそれを見た途端に四足歩行になり階段を飛び降り、森の中へ全力疾走した!



(あれはムリだ!あの悪魔よりは弱そうだけど)



木の根を飛び越え、花を踏まないように避け、


(今の僕じゃ、勝てそうにないよね…。)



自分の速さで、もう判断ができる。変わったのはタケシだけで自分はそこまで変わっていない。戦ったらあのゴブリンと同じく、平等に喰われるだろう。



[ふっ、ふっ、ふっ]



走りながら考える。



(アイツは結局何者だったんだろう。次元が割れたのは、僕の力?それとも、タケシの力なのか?それに、僕はなぜ女の子になったんだ?悪魔が僕を直ぐに食べなかったのは……)



二足歩行になり、走る。



(それと、回復力。親指の傷はともかく、もう膝の辺りしか傷が無い。跡も……うん、見えない。)



膝を見ながら、少しスピードを落とす。結構離れただろう。ゴブリンの悲鳴などは聞こえなくなった。空を見て、太陽が沈む方向に向き直り歩く。



(2時間もすればかすり傷等は治っちゃいそうじゃん。どこまで治せるかはわからないけど、結構チートなんじゃないか?蜘蛛の毒みたいなのも消えてるし)



毒も致死性のものでなければ耐えられる。とはいえ、2分では血が出なくなるだけなので、腹に穴が開いたりすれば1か月はかかりそうだ。予想だけど。



(もしも、この回復力がなかったら傷だらけだったんだろうな……)



背中の下のほうをさする。スベスベしていて、今までの肌の触り心地よりもいい。汗を少しかいているが、そこまでベタベタしない。



また走り出す。



(体感だけど、体力も早く回復しているような気がする。


普通は限界まで疲れたら……ざっと20秒ぐらいは歩かないと辛かったかな。それに、30秒経っても完全回復とはいかないハズだけど)



[ふっ、ふっ、ふっ、]



(今だと15……いや、10秒もすれば随分と回復している気がする。しかも、疲れずに歩き続けられる。回復量と同じくらいなのかな?)



ただ、力は一切変わっていない。


……いや、逆に考えてみてロリになっても尚、男の頃と力が変わっておらずその筋肉で体を動かしているという事は、普通よりも強化されているのかもしれない。


ちなみに、体が小さく腕も細いゴブリンは何故かマヤよりも力が強く、スタミナでは勝てても瞬間速度はゴブリンのほうが速いのですぐに追いつかれていたが。



(まあ、そんなことよりも異世界転生できた時点で嬉しいけどね!)



澄んだ空気はもう日本ではほとんど吸えず、森も暗くじめじめした森しかなかったので、まずそこから新鮮だ。


それに、見たことのない花やちょっとした光の粒子も見える。



(……え?)



ハッ、と気づく。



(光の粒子ー!?)



水色の明るい粒子や、黄緑色のものもある。中には、紫色のものまで!足を止め、じっくりと観察する。



[触れる……?]



つまむ。感覚はほとんどないが、触って動かすことは出来るようだ。もしかして、これが魔力なのかもしれない。よ~く見ても、虫だったりはしないようだ。ちなみに、生前の視力は2.0だ。(関係ない)



[まあ、どうせ無理だろうけどね……ハァ…]



念じて、手に力を込めて、粒を直接右側に……動いた!?



[おっ…おお…うおおおおお!]



自分の元に引き寄せるようにしてみる。すると、その一粒の粒子はこちら側に引き寄せられた。



[キテャアアァァァァァ!これはもうチート!はい来た!異世界始まった!]



他の粒子を吸い込むようにすると、隠れて見えなかった粒子もあつまる。やがてビー玉ぐらいの光の玉になった。



(よ~し…これで……)


[……なにをすれば良いんだコレ]



火になるように念じればいいのだろうか?それは危ないので……サラサラした透明な水の玉をイメージした。



……。


光の玉は何も変化することは無かった。



(いやでも……)


[魔力が見えるぞおおおお!!]



喜びに打ち震えるマヤ。ドヤ顔をしながら両手を広げ、森を全力疾走する!



[いえーーーーーーーーーい!]

{ダダダダダダダ…}




(魔力っぽいのが見えた!つまり、極めれば魔法が使えるかもしれない!そしてチート無双して百合百合して、異世界ライフを満喫)

{ズルッ}[エ゛ッ]




{バシャッ!!ポコポコポコ…}




水に落ちた。さらに湖と違い、流れがある。





〇1分後





{ざぷっざぷっ……パシャッ}

[ハァ、ハァ、ゲホッヴェホッエ゛ホッ……ハァ……]



川だ。とはいえ、勢いと流れですぐに向こう岸についたので、岸につかまる。雨が降ったら氾濫しそうだ……。



(あ~あ、学ラン濡れちゃったよ……)



岸から顔を上げ、目をこすりながら学ランをパタパタを動かして乾かす。……とても乾きそうにない。



[くしゅっ]


(うっはぁ~……寒い!…あれ?なんかここ、暗いぞ?)



突然の違和感にマヤは思わず太陽が有った方向を見る。すると、今までに見たことがない巨大な樹がそこには有った!



[はぇえ~~……世界樹?的なヤツかな?]



{ひたひたひた}



服が重い……。マヤはその巨大な樹に近づく。



{ザワザワ…}


草木がざわめく。少し強い風だ。



(少し冷えるけど、気持ちいいなぁ~。日影からでも青空がキレイに見える。最高だ!)



{ザワザワザワ…!}


(!?)



いや、明らかに普通の風ではない。何か、強大な存在が近づいてくるような……



(まさか……)



後ろを振り返るが、悪魔はいない。



{ザワザワザワザワッ……!}


[うあっ!?]



黄緑色の光と強い風。光はどんどん強くなり、マヤの視界を覆った。


(……!)



風のざわめきは収まり、辺りの周辺の音もまた聞こえなくなる。ぼやけた視界の中には人間……!?



(いや、違う!明らかにこれは……!)



褐色白髪の女神?が現れた!



「ここは世界樹。魔族は入ってきちゃ、ダメ。」



身長170cmほどの神は、マヤの目から下腹部をなぞるように見る。



(あっ…そういえばなんか紋章付けられたんだった…)



[あ、僕は魔族じゃないん]

{ビッッ}



[……え?]



刹那、直剣がマヤの首の横に現れる。同時に女神も目の前に来ていた。



「嘘。嘘を言わないで。」



背筋が凍る。首に、冷たい金属の感覚。



[あ……アハハ……]

(何度目の絶体絶命なんだろう)

登場人物全員がなぜかマヤよりも強いんですけど。もう少しパワーアップさせたほうがいいですかね?このままじゃ、町に着く前に殺されそう。

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