1.邂逅
初投稿です。
4月28日。
いつも通り自堕落な日々を過ごしていた彼の日常は。
1体の悪魔によって。
崩壊した。
-------------------------------------
高2の春、学年が上がってからもうすぐ1ヶ月になる時期。
新しいクラスにも慣れ、いつも通り自堕落な日々を過ごしていたある日、いつもと違うことが起きた。
「うまい......!」
公園のトイレで用を足したついでに、公園の近くのたい焼き屋で買ったたい焼きがうまかった。
前に食べたときはそうでもなかったはず。
素人が作ったたい焼きより少しうまいぐらいだった。
それが、一流のフランス料理のシェフが作ったのと同じぐらいうまい。
フランス料理人がたい焼き作るか知らないけど。
でも、三ツ星くらい狙えそうなたい焼きだ。
ごめんやっぱり三ツ星は無理。
それでもうまいからもう1個買っていく。
家に帰ったら食べよう。
そう思って店を出ようとした。
なんと ようじょが たいやきを たべたそうに こちらをみている!
「じー......」
「これ、欲しい?」
「べ、別に食べたいというわけじゃないぞ! ただ......ちょっと興味があるだけで......」
「はいはい」
たい焼きを半分にちぎって幼女にあげる。
この幼女偉そうだな......
「だから欲しいわけじゃ......」
「じゃ、返して」
「要らないとは言っておらぬ!」
「めんどくさ」
とりあえず公園のベンチに座ってたい焼きを食べる。
「親は?」
「おらん」
「は?」
「おかしいのか?」
「おかしいって......」
この幼女、見た目は8、9歳ぐらいだ。
口調も変だし、何かあるんだろうか。
「親は2人とも死んだ。戦いに巻き込まれてな」
「それって......」
「一般人が踏み込んでいいのはここまでだ」
いつの間にか目の前に女が立っていた。
「どういうことだ?」
「ここから先は関係者以外立ち入り禁止でね」
「親もいない幼女を放っておけと?」
「今のままなら」
「どうすればいいんだよ!」
「関係者以外立ち入り禁止なら、関係者になるしかないだろう」
「関係者ってなんだよ! どうしたらなれるんだよ!」
「この子を家で匿って欲しい」
「は?」
「だめじゃ! 危険過ぎる!」
「そんなに彼が大切か?」
「一般人を巻き込むわけにはいかん! それに、こいつは儂にたい焼きをくれた、いい人だ」
「危険ってどういうことだよ! 戦いってなんだよ!」
「それを知りたいなら、この子を匿え」
「......わかった」
「な?!」
「驚くことじゃないだろ。困ってる幼女がいたら助ける。普通じゃないか」
「幼女限定なのか......」
「契約成立だ。あとは君の家で話そう」
「それじゃあ、帰るか」
-------------------------------------
「呪術を使ったな」
「ん?」
「あいつが儂を匿うよう、思考誘導の呪術を使ったじゃろう」
「何かまずかった?」
「一般人を巻き込むことなったぞ!」
「大丈夫。彼の家は安全だ」
「何を言っておる!」
「もうじきわかるさ......」