31話:達也、ソフトウェアも学ぶ
そうして、成宮賢、スザンナ、達也の3人は3月24日、サンディエゴをたち日本に向かった。家に帰り、4月から達也は、家から国立高校へ自転車通学がはじまった。国立高校は優秀な学生が多く、達也は得意の数学、英語でクラスでベスト10に入れなく、少しびびっていたが、父が他人なんて関係ない自分の能力を高めることに専念しろと、叱咤激励すると、再び、勉強に集中し始めた。
そして、6月過ぎた頃、達也が父に相談があると言うので話を聞くと、週に1回、プログラムの勉強も受けたいと言い、ソニー時代の知り合いに頼んでもらえないかと言われ、了解した。その後、成宮賢は、ソニー時代の後輩でプログラムの専門科3人に声をかけると、その中の1人で近くに住む、若手の木谷仁が協力するといってくれ、お願いした。
そして、毎週土曜か日曜日の19時から20時の1時間と決まった。そして、一緒に夕食をとろうと言うと木谷仁が、独身なので、それはありがたいと喜んでくれた。月謝は5千円で了解してくれた。その後、木谷仁が教材本を5冊選んで達也に読んで置くようにと渡した。ソフトウェア塾は、7月25日、夏休みに入ってから開始することにした。
数日後、達也が父に受験勉強の方法で、高校1年のうちに2,3年の単元まで先に学んだ方が良いか、地道に今の勉強を着実にやるべきか質問された。しかし、この難問には正解はない。自分にとって、どっちの方がやり易いかの問題だと言い、むしろ達也は、どっちの方がやりやすいと聞くと先まで勉強してから復習するようにした方がやり易いと答えた。
すると、父が、とりあえずやってみろと言ったが、その方法だと勉強時間は増えるぞと言うと、それは承知のうえだと達也がきっぱりと言った。そして参考書、問題集の費用として5万円を渡した。その週の土曜日、達也は、東京へキャスター付きの旅行カバンを持って出かけ昼前に旅行カバンにいっぱいの参考書と問題集を買って家に帰ってきて父の所へ領収書を持って来た。
そして、32000円かかったので18000円を返すというと父が笑いながら律儀だなと言い、それは勉強で疲れた時に好物を食べろ言った。その後、父が、指導したように6時間以上の睡眠
を取ること2時間に1回、又は疲れを感じたときに休んだり仮眠したりしろという教えを忠実に守り勉強を継続していた。そして夏休みに入り土・日のソフトウェアの授業を開始し始めた。
そのため、与えられたテキストは既に読み終えて、木谷仁の最初の授業を終えた時、父の成宮賢
と3人で珈琲を飲みながら木谷仁が、達也君は、やはり成宮先輩の子ですね、授業開始すると、いきなり矢継ぎ早に鋭い質問攻めで参りましたと笑いながら言った。テキストは全部読んで、不明な点を今日、全て、聞きました。集中力がすごいですねと驚いていた。実に頼もしいと話してくれた。
数学がそうなので、直ぐに、できるプログラマーになりますと言い、ソニーでもこんな人材と欲しいと思いますと話した。すると、父が、達也はシリコンバレーをめざしているんだというと、そりゃー豪気だと、大笑いした。しかし、父は冷静に、達也も、UCSDで勉強して、アメリカのソフト
業界を目指していると、真面目に言うと、こりゃー大変な仕事を引き受け、肩が凝りますというと、スザンナも入って大笑いした。




