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23話:ジョブズのNeXT失敗と結婚

 1986年アップルを追われたジョブズは、その失意の思いと、今後の自分の野心について、既に、仲良くなった、成宮賢に話した。それによると、1984年後半から1985年にかけ、ジョブズが、マッキントッシュの需要予測を大幅に誤り、アップルは過剰在庫に悩まされ、初めての赤字を計上した。アップルは、従業員20%にあたる人数の人員削減をせざるを得なくなった。


 アップルの共同経営者のスカリーはアップルの経営を混乱させているのはジョブズだと考えマッキントッシュ部門からジョブズを解任する事を取締役会に要求する。それを察知したジョブズはスカリーの中国出張中にスカリーの追放を画策するが、アップル・フランスで功績を上げていたジャン=ルイ・ガセーの密告でスカリーはジョブズが自分をアップルから追い出そうとしている事を知った。


 その後、スカリーは、1985年5月の取締役会で、ジョブズに自分の追放を計画した事について問いただし、この結果、ジョブズは会長職以外、アップルでのすべての仕事を剥奪された。ただし、スカリー本人は、この話を否定している。アップルでの仕事がなくなったジョブズは、絶望し、理想のコンピュータ像を求めて、米国の大学を広く回り、情報収集をしていた。


 そんな時、スタンフォード大学でノーベル賞受賞者の生物学者ポール・バーグと一緒に昼食を取った。その時にDNA組み替え実験の難しさの話題が上がりジョブズはバーグにコンピュータでのシミュレーションを提案し同時に高等教育のためのコンピュータという構想をぶち上げた。1985年9月、その構想を実現すべくジョブズは新しい会社NeXTを立ち上げるためにアップル社に辞表をだした。


 そして決算報告を受け取るため1株だけを除いてアップルの持株、約650万株を全て売った。その後、ジョブズは700万ドルをNeXTに投資し1987年までに新しい製品が投入できると考えていたが、実際にネクストキューブ を発表できたのは1988年秋で最終版の出荷は1989年になった。ジョブズは、それでも「5年は先取りしている」と語った。


 しかし、結果的にはMacOSXの12年の先取りした。1987年にはゼネラルモーターズで成功していたロス・ペローから2千万ドルの出資を1989年には、キヤノンから1億ドルの出資を引き出した。発表当初からのNeXT評価は高かったものの、ジョブズの提案でフロッピードライブの代わりにキヤノン製の5インチ光磁気ドライブを採用した事。


さらに加工の難しいマグネシウム合金の筐体を使う事などによって生産コストが高くついた。また、モトローラからのマイクロプロセッサ MC68030の供給が遅れるなどにより思うように販売が伸びなかった。その頃、成宮賢の親しい友人のジョブズは1990年、スタンフォード大学にて講演を行った際、聴衆の一人であったローレン・パウエルと出会った。


 そして講演後、ジョブズにはミーティングがあったにもかかわらず彼女と夕飯を食べに出かけ、急に親しくなった。そして、翌年1991年、二人はヨセミテ国立公園で結婚式を挙げ、1991年9月には長男のリード・ポール・ジョブズが生まれた。成宮賢は、結婚式に招待された。もちろん長男出産の時にも祝電を送ったのは言うまでもない。


 ジョブズの仕事の方はネクスト社で、ワークステーションとして実績がないのに高価などの理由で苦戦を強いられていた。その後、1992年にIBM互換機で動作するネクストステップのPCバージョンが発表された。しかし1993年2月10日には全社員530人のうち280人を退職させハードウェア部門をキヤノンに売却し、NeXTはソフトウェア会社へと転じる事となり、社名もNeXTソフトウェアへと変更した。

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