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ホームルーム

【1-A】

うん。ここだ。ここが私の新しい戦場になる。しっかし、何千人も入学してるのにうちのクラスは20人。

しかも、担任は絶対怖いし。。。綺麗だけど。

「全員揃ったか。。。それじゃあホームルームを始めるぞ」

ざわざわしていた教室が静まり返る。

「私がこのクラスの担任の佐々木だ。これから3年間このクラスを任された。よろしく」

「君たちは今日入学した何千人もの生徒から選ばれた優秀な生徒達、と聞いている」

うわぁ、凄く煽ってくる。。。やっぱ、めんどくさいなぁ。

「が、私はあまり気にもしてないし、期待もしてないので君たち気にしないでくれ。」

oh、Jesus。

「それでは、自己紹介してもらおうか。じゃあ、荒井から頼む」

荒井と呼ばれた男子が立ち上がり、挨拶を始めた。

私は5番目だからちょっとトべるな。あぁ〜、この場で私が''ノーパンですっ''って言ったらどうなるかな。ホントに履いてないから凄く興奮するなぁ。雲母にはちゃんとしてって言われたけど、ここで履かないでいつ履かない!いやぁ〜、いずれブラも外すけども。。。コウフンする!

「。。。さん」「京さん」「京さん!」

「ひゃい!!!」

っぶね〜。ちょっと長くしすぎたな。

「はいっ。私の名前は京茶々って言います。得意科目は日本史です。みんなと仲良くしたいと思います。よろしく!」

そして、深くお辞儀する。

席が一番後ろだから誰にもスカートの中身は誰にも見られない。つまんないなぁー。

「えぇーと、架架雲母(たなかきらら)です。これでタナカって読むので、覚えてください。得意科目は日本史です。よろしくお願いちまちゅ。」

もう雲母に回ってるのか。雲母の甘噛み可愛いなー。

座り際に雲母は茶々の方を怒り顔で睨んだ。

うわっ、怒ってんなー。後で何か言われるかも。

茶々の妄想が弾む中、自己紹介は最後まで回り、再び佐々木先生に戻っていく。

「このクラスで3年間過ごすことになる。お互いにいい関係を築けるよう適当にやってくれたまえ。それじゃあ、明日からのことを話す。」

佐々木先生は長々説明始めたが、私は退屈すぎて全然聞いてなかったとか絶対言えない。


長かったホームルームも終わり、うちのクラスの人たちは、早速新しいクラスメイトと話し始めている。

「世界史得意なんだろ。俺もだよ」

「地理2人だけだったね。ちょっと少ないけど頑張ろうね!」

青春してるなぁ。温くて、きもちいいなぁ。

「京さん!」

いきなり呼ばれてビクッとしながら振り向くとニコニコ顔で手を振る女子1名。

「私、清武杏奈。よろしく!席も当分近いと思うから、仲良くしてね!」

確か、出席番号が私の次の人。得意科目は世界史って言ってたけど、仲良くなれそうだなぁ。それに、超カワイイ。肩口くらいの長さの髪を緩く巻いて、いかにもお嬢様って感じ。つまり。。。好み!

「そうだね!よろしく!あと、茶々でいいよ」

そんなこんな喋っていると

「茶々っち〜。佐々木先生が呼んでるよ。職員室にこいって。」

甘ったるくて心地いい声。雲母だ。

「わかったー。ごめんね、杏奈ちゃん。」

「うん、気にしないで、また明日ね!」

そう言って杏奈ちゃんはご帰宅。後ろ姿も可愛い。

それより、職員室かぁ。気合い入れないとな。




入口で息を整えドアを叩く。

「失礼します。1年A組の京です。佐々木先生はいらっしゃいますか。」

部屋の奥から微かに「どうぞ」と声が聞こえる。

「失礼します。」

その声は先程までの明るい声ではなく、冷たく周りの温度を奪ってくかのようだ。足取りもキビキビとし、まるで軍人のようだ。

「京茶々大佐、ただいま参りました。ご用件はなんでしょうか?佐々木准将。」

敬礼をしながら茶々が答える。職員室が大きくざわつく。

「今はただの教師だ。やめてくれ。」

「失礼しました。それで、話とは?」

佐々木先生は「ふむ」と腕を組み直して話し始める。

「さっきのホームルームで明日、ARデバイスの説明がてら模擬戦を行うと言っただろ。」

「ええ。」

「入学前にアンケートをとっていてな。デバイスの戦闘を経験している者が丁度、2人いるんだ。」

「はあ」

いかん。大体話が見えてきた。

「という事で、京には模擬戦で戦ってもらいたい。相手は福田だ。いいな、これは決定事項だ。」

「いきなりすぎます。最近動いていませんし。それに」

「追いかけっこはしただろ。問題ない」

「んなっ!」

なんでそのことを知られているのかわからないが、逃げ道は無いようだ。

「わかりました。その話受けますよ。はい。ただし、条件があります。」

「ほぅ。何だね?」

「自分のデバイスを使わせて下さい。福田君。。。でしたっけ?彼にもそう伝えて下さい」

安いデバイスじゃ見せられるような戦いはできない。そう判断したのだが、どうかな?

「まぁ、構わないが殺すなよ。流石に殺しは軍にも揉み消せんからな」

今の一言で職員室が再度ざわつく。が、これでわかった。なぜ彼女がこのタイミングで教師なんかになったのかが。それを戦果と考えればまぁ悪くない取引だ。

「安心して下さい。アレじゃない方を使います。」

「そうか。楽しみにしてる。」

それを聞くと茶々は「失礼します」と職員室を去った。それと同時に温度が戻り、日常が帰ってくる。

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