入学
「ーーー諸君にはこれからの日本を護る立派な兵士なってもらうため、過酷な学習、訓練を行って貰うだろう。それらを乗り越え自分が信じることができる力を手に入れてもらいたい」
そして、学長はあらためて言う。
「社会センター第73期生の入学を全員で祝福しようじゃないか!」
全校生徒1万人を超える社会センターの生徒の拍手が一斉新入生に向けられる。
「それでは、新入生のみなさんはそれぞれ担任の指示に従って教室に移動してください。」
アナウンスに促され、新入生達はゾロゾロと動き出した。
「やっと終わったねー。頭重くて首がどうかなりそうだったよぉ。」
茶々は髪の毛を下ろし、首をグルングルン回す。
「ええぇー!茶々っち髪下ろしていいの!?確かに重そうだったけど。。。」
「いんだよ、別に〜。こんな長い髪をアップするとか言うバカパパが悪いんだから」
腰上まである長すぎる黒髪をいじりながら茶々は悪態つく。
「ッ。。。。。!」
「ふぇ?どうしたの?」
急に振り向いた茶々に雲母はびっくりする。
「いやぁ〜、勘違いみたい。誰かに見られてる気がしてさぁ。」
「そうなんだ。茶々っち可愛いし目立つから結構いろんな人にチラチラ見られてるけど。。。」
「違うんだよね〜。そんなんじゃなくって、もっとじぃっと見られてる感じなんだよね」
雲母も後ろ向いて確認するが、人が多すぎて目線が交錯しすぎてよくわからなくなっていた。
「これじゃあ、もしそんな人がいても見つけられないね。。。」
「雲母は気にしないで!それより早く教室に行こ!」
「うんっ!」
2人が思っていた目線の出発点のさらに奥。1人の男が1点の迷いも無く茶々達のいたところを見ていた。
「予想外のトコから見られてるコトもあるんだよなぁ。京さんっ。」